伝統の醤油・発酵の技を未来へ「むしろ復活プロジェクト」.

 

東かがわ市引田にある「かめびし屋」。江戸時代からの伝統的な「むしろ麹製法」を用いる日本唯一の醤油蔵です。

実は今、醤油づくりに欠かせない「むしろ」が大ピンチ。

材料となる藁の入手が困難になっており、むしろを編む技術の継承も難しくなっています。

それならば、むしろを自分たちで作り未来につなげていこう!と

昨年12月、「むしろ復活プロジェクト」キックオフイベントが かめびし屋で開催されました。

 

当日参加者はおよそ70名ほど。

まず、かめびし屋の醤油蔵や「むしろ麹室(こうじむろ)」の見学。

昼食は地元産自然栽培のごはん。稲わらは、むしろを作る材料に使われています。

他にも、かめびしのもろみを添えた魚の塩焼き、かめびしの濃口醤油で味付けしたタコの煮つけなどを参加者のみなさんが味わっていました。

 

ランチの後は、プロジェクトメンバーによるトークセッション。

(左から)

☆大豆や小麦などの「種」から持続可能な地域づくりに取り組む

「SOYPRO Network」代表 岡﨑仁壽(おかざき よしひさ)さん

 

☆東かがわを拠点に農業で地域活性化を目指す

「ノダーチャ」代表 野田克哲(のだ かつあき)さん

 

☆かめびし社長 第18代当主 岡田佳織さん

 

☆司会 国見香須子さん

 

これまでの経緯や今後の目標などを語りあったり、参加者からの質問に答える時間もありました。

 

その後参加者は、古民家を改装して作られたむしろづくり拠点へ徒歩で移動。

実際に縄をない、むしろを編む体験をしました。

まず、稲わらをまっすぐ柔らかくして、足踏みの機械を使って縄をないます。

 

 

建物の中では、野田さんがむしろの編み方をレクチャー。

 

「むしろ機を動かすと、縦糸が手前、後ろ、手前、後ろに別れるんです。 そこに、横糸になる藁を通すための竹を差し込みます。で、この筬(おさ)という棒で横糸を打ち込んで目を詰めていきます」

イベントに参加されていた東かがわ市・上村市長が挑戦。

最初は難しそうでしたが、コツをつかみ編み進めていきます。

 

この編み機、野田さんが譲り受けた古民家の2階に残されていました。

何を作るものかわからずそのまま置いていたのを岡﨑さんが見つけ、修繕。

材料の藁は無農薬のものを県内外から探して集め、むしろの編み方を習いに長野県まで足を運んだのだそうです。

 

 

イベント終了後、「むしろ復活プロジェクト」“大豆の先生”こと岡﨑仁壽さんが、むしろ麹室を案内してくださいました。

  

蒸した大豆と炒った小麦に麹菌をまぶしたものがむしろの上に広げてあります。

 

化繊で補修したむしろ。

長年使っているむしろ。

そして、今回のプロジェクトで初めて編んだむしろ。この上に広げられた大豆が、最も発酵が進んでいます。

「菌は、伸びていく段階で熱を持ちます。むしろは温度や湿度の調節をしてくれる大切な役割を担っているのです」

 

プロジェクトはまだ動き出し始めたばかり。

「この拠点を整備して、例えば、小さい持ち帰れるサイズのむしろを編む体験ができるようにするなどして、身近にむしろを感じてもらえるようにしていきたい」と岡﨑さん。

無農薬の稲わらを提供してくださる方や編める技術を持つ方など仲間の輪を広げるためにも、今後、体験型イベントや講習会などを開催していきたいとのこと。興味を持った方はぜひ参加してみてくださいね。

 

 

「むしろ復活プロジェクト」Instagram

https://www.instagram.com/mushiro.kamebishi/