STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2021年11月21日放送分

もみじ御朱印に込めたやさしい願い出釈迦寺の物語

四国霊場七十三番札所

我拝師山 求聞持院 出釈迦寺

善通寺市の西側に屏風のように連なる五岳。

 

南にそびえる高い山が我拝師山で、かつては「倭斯濃山(わしのやま)」と言われてましたが、弘法大師ご修行により改称。
ここは、弘法大師出家の原点として、一代記の中には必ず登場する重要な霊跡で、

東寺、高野山と共に国内三霊場の一つと言われています。

 

奥の院に向かう駐車場のすぐ上に与謝野晶子・鉄幹の歌碑があります。

出釈迦寺 岡田幸恵住職

 

ここは、与謝野晶子・寛庭園です。

与謝野晶子・鉄幹の歌碑があります。

昭和6年にお二人が四国を訪れて、

善通寺高等女学校で講演を行われた折、

香川善通寺の印象を詠んだ歌です。

これは平成18年に直筆の色紙が偶然見つかって、

様々なご縁がありここに歌碑を建立することになったのです。

ここからは善通寺市内の全景と瀬戸内海から岡山までが望めます。

晶子さんが善通寺の印象を詠んだ歌なのですが、もともと茜色の紅い色紙が使われていました。

讃岐路は 浄土めきたり、秋の日の 五岳のおくに 落つることさへ

と詠まれています。

「 たぶん夕方に五岳山を眺めて、夕日が落ちていくその光景が

浄土のようだと思われた。

さらに善通寺は弘法大師空海さんが生まれた地であることからも、

「浄土めきたり」という言葉を使われたと思います。

お二人の来訪日は10月31日とあります。」

「 歌碑の周りには、晶子さんのお好きだった桜と

鉄幹さんのお好きな白椿が植えてあります。」

与謝野晶子さんについては、歌集「乱れ髪」や「きみ死に給うことなかれ」など作品印象や私生活からどちらかというと自由奔放な印象が一般的ですが、

師匠で夫でもある寛さんを大変立てた方だったのです。

歌碑の署名は与謝野寛となっています。

 

歌碑にちなんだ紅葉御朱印

書道家でもある岡田ご住職が自ら御朱印に

与謝野晶子の歌を書かれています。

「実は御朱印ではなく金の印を押しています。

台紙が赤いので、赤を使った御朱印では字が目立たないの

金色の印なのです。

与謝野晶子さんだからこそ詠んださぬき路を詠んだ歌と

感動していて、書道をしているので御朱印に書いてみようかと

常々思っていたのです。

与謝野晶子さんの自筆に近づけたらと、

旧かな使いをできるだけ読みやすいように

私が御朱印に書いています。

最近は書き起きの御朱印が増えています。

周りにトンボ・稲穂などスタンプで彩ってみて

季節感を表しながら

私が、一つ一つ書いています。

四国八十八箇所霊場は

本来はお寺のご本尊様を書いた御朱印で、

お経を納めましたというその証として「納経」としているのです。

最近では神社仏閣巡りの

参拝を記す御朱印が多くなりましたね。

 

八十八カ所の「納経」とは別の御朱印をしてみようと思いました。

次はこんなものを書いてみようと私も楽しみなのです。

 

 「紅葉御朱印」は、この季節に紅葉の出釈迦寺に

 来たことを表すものとしてお授けしています。」

この善通寺でお生まれになった弘法大師空海さま

幼少期は「真魚さま」

と名乗られていましたが、7歳の時にこの我拝師山に登られて

「自分は将来仏門に入って、世の中の困っている人々を仏教で救いたい。

救えないならば私のこの身は仏様に捧げても良い。

願いが叶うなら仏教の開祖のお釈迦さまお姿を現してください」と断崖絶壁から身を投げられたと伝わります。

その時にお釈迦様がお出ましになって願いを聞きとげ、

天女を送らせて「真魚さま」の体を抱きとめ願いを聞き入れられたという

お話があるのです。

その後、成人された空海さんは何度も四国を回られ

この幼少期に身を投げたこの場所にも来られ

仏さまを彫ってご本尊を作られたと伝えられています。

寺はここ山上にありましたが、江戸時代に現在の場所に移ったと聞いています。

歴史あるお寺をお守りしてく目的とは…

「本当に守れているかどうか、たくさんの人に支えていただきつつ

私の夫の副住職と二人三脚でお守りしています。

歴史あるお寺ですので、次の代へと繋いでいくこと

さらにたくさんの人に愛される寺にするという

今はこの2つの目的がございます。

お参りしてくださるおひとりおひとりに挨拶し

やさしい言葉を掛けるようにしています。

悩みのあるかたご病気のある方にも、ご祈祷をさせていただいていますので

親身になって悩みをお聞きするようにしています。

私の力は小さいものですが

直接はお助けできなくても

ご本尊様、お大師様への橋渡し

できるようにいつも心掛けてきます。」

ご住職さま!という垣根を作らない岡田住職

「隣にいるおばさんですよ。

今日はちょっと気取っていますが普段は讃岐弁丸出し。

人見知りもしますが、

いろいろな方とお話しすることが好きで

皆様から吸収できると思っています。

挨拶から始まって打ち解けて話ができるように心掛けています。」

「住職といっても主婦と母親の部分がほとんどなのです。

お昼はお遍路さんや参拝の方のお相手をし

朝夕はお勤めをしています。

お陰様で、お遍路さんやご参拝の方から

「七十三番札所、ああここまで帰ってきた。ただいま」という気持ちになって下さる

場所。

私の方も「おかえりなさい」とつい口から出てしまいます。

 

 奥の院をみると厳しい自然の中の札所と見えるのですが

 それに対して岡田住職のやさしい出迎えが印象的

常にお参りしてよかったと思えるお寺にしたいと思っています。」

 

この番組はradikoでもお聴き頂けます。

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