STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年09月25日放送分

遍路道を子どもたちと歩く 次世代へ繋ぐ物語

家族で楽しくウォーキングをしながら

四国遍路やお寺の歴史を学び

そしてお接待も体験できる

『親子お遍路ウォーキング』

体験を通してお遍路文化を繋げていくイベントです。

STORY八十八最終回は

遍路道を子どもたちと歩く

次世代へ繋ぐ物語です。

『親子お遍路ウォーキング』を主催するのは

NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク。

事務局長の宍戸栄徳(はるのり)さんに伺いました。

 

「小中学生のお子さんに遍路体験をして頂いて

次の若い世代の方に

お遍路を歩いて回るという文化を継承していただくというのが、

主目的でやっております。

2年間8回で日帰りの遍路体験をするわけですけれども、

そうすると雲辺寺から88番の大窪寺まで

2年間でちょうど回れるということで

2年間参加していただいて、香川県の全ての霊場をまわると

いう仕組みでやっております。」

10年以上前から続くこのイベント。

今年度は9月24日からスタート

第66番札所雲辺寺から第70番札所本山寺までの

およそ9,5キロのコースです。

《宍戸さん》

「貸し切りバスで高松駅から

雲辺寺ロープウェイの山麓駅まで、

まず移動します。

そのあとロープウェイに乗って

雲辺寺に行って雲辺寺のお参りをした後

雲辺寺から次の67番大興寺までは

途中に昼食休憩を挟みますけれども

だいたい3時間をかけて

大興寺まで歩く。

それだけでも雲辺寺の下りはかなりキツイので

大興寺から神恵院・観音寺、

これは同じ場所にあり、お隣同士のところです。

そのあと本山寺までは今回はバスで移動するのです。

従来はバスで移動することは全然していなかったのですけれども、

参加しやすさなど色々考え、今年度は積極的にバス利用を

取り入れようという形で回りました。」

参加者のみなさんはどんな支度をされるのでしょうか?

《宍戸さん》

「特に装束についてはこうして頂きたいということは

言っておりませんが、今年は新しい試みとしまして

実は今年の3月に福井県の

『越前笠を守る会』という有志の団体の方から

本物の菅笠を頂きました。

今、多くのお遍路さんが被っていらっしゃる菅笠は

「菅笠」と呼ばれているのですが

実際の材料はほとんどが竹で作られているので

正確には「菅笠」とは呼べないようなものなのです。

本当の菅(すげ)を使った菅笠というものを

子ども用の少し小さめのサイズのものを

ご寄付頂いたのです。

今回から、親子お遍路ウォーキング当日

ご希望のお子さんにレンタルで貸し出して

それを被って歩いてもらおうというように考えております。」

 

菅笠を寄贈した「越前菅笠を守る会」の

宮永さん、鈴木(すすき)さんにお話を伺いました。

「私どもがずっと毎年作っておりますこの越前菅笠を

お遍路さんの四国の子どもたちに

被って頂きたくてお持ちしました。

私どもの越前菅笠は農業用の菅笠でして

一日中農作業する男性・女性が被る

菅笠だったのですけれども

農業の機械化によってだんだん被ってくださる

農業従事者の方も減ってきて

菅笠を製造する数もここ数年減って来ていたのです。

四国のNPO(遍路とおもてなしネットワークの)

存在を知りまして、その活動をずっと追っていましたら

子どもさんが大人の大きい笠を被っている写真を見たのです。

『あ、私たちが昔から作り続けてきたものを

現代の子どもたちに被ってもらったら

これは良いな!』って

そう思って(子供用を)作りだしたのがきっかけで

これから(遍路とおもてなしネットワークさんと)

交流させていただきたいと思っています。

 

菅は8月に収穫して、その時は真っ青の緑色の菅なのです。

それを1週間天日干ししまして、干して冬の前に

本菅とささがけというものに分けるのです。

私どもは雪国なので12月の雪が降ってからの女お仕事なのです。

一回乾いた菅をまた一晩水につけて、

次の日縫い上げるということなのです。」

 

昔からの方法ですか?

「はい。江戸時代からです。

男の人は山へ行って竹を切ってきて

その笠の骨は男の人の仕事なのです。」

今、菅笠の骨組みを出していただいています。

竹を細く切ったもので、円錐形のものを作って

その上に菅を縫っていくとおっしゃいましたか?

 

「まず細い菅を巻いていき、

それから本菅を縫い上げていくのです。」

「一目一目・・・

その根気に感動します。昔の人の・・・・

一日に5個も6個も縫ったと

夜なべしながら・・・

お嫁さんの仕事だったらしいのです。」

 

笠の裏側を見ると、

縫い目らしいものが見えませんね。

「菅に突き抜けて、貫通したらダメなのです。

菅は中が円形状になっているのです。

ストロー状になっているのです。

だから上だけをすくって縫うのです。

これはすくい縫いをしているのです。

乾燥した菅ですので、雨に濡れると膨れる

膨張するのです。」

「それで雨が染みない、軽い、耐久性もある

そういう菅笠は先人の良い品物を

私たちの手で(守り)知っていただきたいという

想いがあります。」

 

手に取らせていただきますと、

「軽い。すごく軽いこの菅笠!」

 

NPO法人遍路とおもてなしのネットワークに

30個の菅笠を寄贈されたと聞きました。

「わたしたち宮永と鈴木の集落は

菅田(すげた)という菅をつくる田んぼが

50年前に無くなっていたのですが、

今回この菅笠を作らせていただくことによって

これを機会に復活しました。

菅の材料も自分たちで作ろうとなったのです。

今回NPO(遍路とおもてなしネットワークの)みなさんとの絆

出会いをこれからも生かせるように

私たちも技術を磨き、精進していきたいと思います。」

(9月24日雲辺寺 親子お遍路ウォーキング当日の収録音声)

おじいさまとお孫さんで参加されているお2人に

お話を聞きました。

「僕はたかはら けいたろうです。」

「祖父のおおい まさお と言います。」

 

いつからご参加ですか?

「3年前くらいから参加させていただいています。」

 

参加するきっかけは?

《たかはら けいたろう(孫)》

「学校でチラシが配られて

僕は歩くのが大好きなのですけれど

それで興味を持って参加しました。」

 

ご一緒するのはおじい様ですね。

《たかはら けいたろう(孫)》

「力があって頼れる存在です。

お遍路はとても歩くので大変なのですけれど、

なんか楽しくて、終わった時の達成感が

すごく大きくて、楽しくなって参加しています。

お遍路は歩くと同時に四国のお寺の魅力が

分かると思うのでやってみると楽しいと思います。」

《おおい まさお さん(祖父)》

「私も真言宗なので繋がりは

あるのですが、深い興味がこれまでなかったのですが

孫に誘われてだんだん興味・信仰に対する

興味も湧いてきました。」

 

これをきっかけにということでしょうか?

《おおい まさおさん(祖父)》

「そうです。」

今日はどんな思いでスタートですか?

《たかはら けいたろうさん(孫)》

「今日は前から登ってみたかった雲辺寺なので

頑張って行きたいと思います。」

 

NPO法人遍路とおもてなしのネットワーク

《宍戸さん》

「実際の歩きのことで言うと

普通のお子さんからみると10キロを超えるような道を

自分で、てくてく歩くというのは

なかなか経験する機会がないので

歩き始める最初はかなり不安を持って歩き始めている

と思うのです。

ほとんどのお子さんが、実際に歩き終わられるので

その感想を言ってもらったときに

「本当はもう歩けないのではないか」

「途中で大変しんどくなったので

大丈夫かなと思ったけれど、最後まで歩くことができて

大変自信になった」

と言ってくれますね。

最近は、お父さんお母さんと家庭でもゆっくり話をする時間が

取れないと思うのですよ。

それが朝から夕方までお遍路を(親子で)一緒に歩くことに

よって会話とかができるから

家族の絆が強まるというような

我々が当初は想定していなかったような効果が

あると思います。

 

この親子お遍路ウォーキングを経験したお子さんたちが

将来大人になられたときに

自らお遍路をするという、それだけではなくて

今回受けたお接待をそういう人たちが今度は

主体となってお接待の文化を引き継いでいかれることを

願っています。」

 

(9月24日雲辺寺 親子お遍路ウォーキング当日の収録音声)

「それでは今からいよいよウォーキングを始めます。

折角なのでみんなで歩き始めましょうね。

良いですか?」

(子どもたちの声)

「はい」

「そしたら出発します!」

 

STORY八十八、区切りの今回は

遍路道を子どもたちと歩く次世代へ繋ぐ物語でした。

番組は、radikoでも お聴きいただけます

YouTube配信もスタートしています。

こちらもご覧ください。

 

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