STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年01月16日放送分

お接待文化をつなぐネットワーク 遍路道物語①

お遍路さんを支え、四国遍路への関心を高め世界遺産登録へ地域から

盛り上げようとしている活動にスポットをあて、お話を伺いました。

 

お遍路文化を伝える活動に尽力されている

NPO法人 遍路とおもてなしネットワーク

松田 清宏 理事長をお迎えします。

NPO法人 遍路とおもてなしネットワークの活動について教えてください。

NPO法人 遍路とおもてなしネットワーク

《松田 清宏理事長》

お遍路さんのいろいろな活動を支えていく、そしておもてなし文化を更に

レベルアップし広めていくことを目的に活動しています。

特にここ数年、活動の範囲が増え四国全体で

お遍路文化を世界遺産に登録しようという動きが出てきて、

わたしたちも積極的に参画しての「世界遺産の登録」を目指しています。

この活動のスタートは?

《松田理事長》

自然発生的に活動を開始しました。20年前にロータリークラブメンバーと

香川大学の先生が「歩き遍路」をしてみたことがきっかけです。

自分たちが歩いてみて、お遍路文化の良さを体験して

お遍路さんを支えていこうというNPO活動につながりました。

四国の方はもちろん、四国外や外国からも

歩き遍路やバスや車でお遍路さんをされる方も多く、

お遍路への関心も高まっていった中、

道の情報や初めての方にどう回れば良いのかについての

指南など多岐に渡るサポートが必要なのです。

お遍路文化ルーツについて

 

《松田理事長》

弘法大師空海が開いたお遍路となっていて、

空海が1200キロ全部歩いてお寺を開いたかと言えば

違うかもしれませんが、

修行僧が四国の霊場を托鉢して回っていたことに由来するのは、

ほぼ間違いないルーツと言われています。

また修行僧の托鉢ですので、

四国の霊場を修行僧が回り家の前でお経を唱え、

家の者は修行僧に喜捨をしたことが「お接待」の始まりの形

であると思われています。

 

 

世界遺産の登録に向けての働きかけ

道を整備していくことは、今のお遍路さんにとっても歩きやすくなるものです。

 

遍路道は時代の流れとともに変わっている場合もある、

活動では遍路道を改めて確認しようとしておられるそうですね。

《松田理事長》

私たちの活動の目的の一つとして、この素晴らしいお遍路文化を世界遺産に登録していこうとしていて、

そのためにはしっかりと回る道が整備され保存されていることが

お遍路の形を明確に示していることが大切なのです。

 

お遍路さんの立場としては、「歩きやすい道」でなければなりません。

「歩きやすい」は道そのものが歩きやすいかどうか、

また道しるべがしっかりしているかどうか。

昔から道路表や定石などが作られてきたのですが、

それも時代とともに

遍路道も変化している場合があり道しるべも変えていかなければなりません。

また、四国遍路道は1200キロもあるとあちこちもっと欲しいところがあるので、

お遍路さんが「歩きやすい」ように現代的な道しるべを建てる必要があるのです。

私たちは年1~2本道しるべを建てていっています。

各地には、我々のほかにも遍路道そのものを

アスファルト舗装するのではなく草を刈りや枝を払ったりして

整備をして下る方々がたくさんいらっしゃって

遍路道を維持管理することで

遍路文化を次の世代へ繋ぐことができています。

私たちは遍路の入門、または遍路道を楽しんで見ていただくことに注力しています。

香川でやっているのは

  • 「親子遍路ウォーク」は入門編として、私たちがガイドしますので

           まずは親子で香川の遍路道を歩く活動をしています。

  • 遍路道が今どうなっているのか年一回確認していく
  • トイレの場所と誰が使えるのかについて情報をまとめていく

世界遺産登録に向けて動き始めてから

国の機関、自治体、他のNPO、そして霊場会、世界遺産推進協議会と協力して

遍路道をしっかりと整備していくという活動となっています。

 

私たちは年一回、実際たくさんの人に遍路道を歩いていただいて

歩いてみて気づかれたことをレポートのあげていただいて世界遺産推進協議会、

自治体や地主さんにフィードバックしています。

毎年2月23日(祝日 天皇誕生日)に設定して『おもてなし遍路道ウォーク』を実施しています。

個人でも団体でも参加可能です。

まずは、歩いていただいて「遍路道」を体感していただき

その上で感じたものをレポートしていただきます。

そのレポートをまとめて世界遺産協議会やその他自治体に声として挙げて

アクションをとっていきます。

今年で7回目ですが、去年は中止となりました。

去年が900名を超える申し込みがあり、

今年も1000名を超えると予想しています。

年々皆さんの関心が高まってきています。

こうして、四国一斉に行われる遍路道点検に参加して

感じてそのレポートを上げることが

遍路道の維持管理に大変役に立っているのです。

逆に言えばそういう活動をしていることは

遍路道の維持管理をしていることとほぼ同じことです。

これは、世界遺産登録に向けて大きなバックアップになると信じています。

世界遺産になればベストだが世界遺産にならなくても、

こういう活動を地元の人が毎年続けていくことに

価値があると思っています。

道だけでなく、受け入れる側の想いを繋ぐ活動。

お遍路文化を知っていただくことが

繋げる糸の一つになっていくことの大切さを知りました。

 

《松田理事長》

『おもてなし遍路道ウォーク』に参加した人にマフラーが配られます。

2021年に東京オリンピックの聖火ランナーとして

香川県をメンバーの一人が走ったのです。

彼は世界遺産登録に向けて聖火ランナーを走ることで

アピールしたかったので応援してくれる方に

「この『おもてなし遍路道ウォーク』のマフラーをお持ちの方は持ってきて応援してください」

と呼びかけたのです。

すると当日、彼が走ることになっていた番町の交差点に30人以上の

マフラーを持った人が駆けつけて下さったのです。

沿道がこのマフラーで真っ赤になりました。

今までこれまでのウォークに参加してくださったと感動しました。

これまでちゃんと皆さんレポート書いてくださっていて、

遍路道の橋がどうなっているかとか距離の長い場所には

トイレが欲しいなど書いてくださっています。

それを地方整備局に声として届けて、

2021年は地方整備局がネットからトイレの表示が上がるようになりました。

 

《松田理事長》

スタートは修行僧が回り始めたお遍路ですが

江戸時代以降、いろいろな人がいろいろな思いを持って四国を回られています。

そして地元四国の人々もその思いを自分とも重ね合わせて「お接待」という

素晴らしい文化として受け継いできています。

そのベースロードとして「遍路道」があります。その「遍路道」が歩きやすいことは

今の皆さんにとって、これから将来の世代にとって大変大切なことです。

自分で遍路道を歩く、遍路道で感じる札所で感じるその感じたことを

意見として常に社会にフィードバックしながら次の世代に繋げていければ

四国の遍路文化は素晴らしものになると思います。

この番組は、radikoでも お聴きいただけます

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