STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年03月13日放送分

仙遊寺~100年の時をつなぐ、やさしい思い出の場所の物語

  1. 今回も先週に引き続き、善通寺広報 中嶋孝謙さんに

不思議なご縁のお話をお聞きします。

《中嶋孝謙さん》

 

中嶋さんは「善通寺」の広報をされながら

あるお堂の堂守という大事なお役割もされていらっしゃるとか?

《中嶋さん》

「約3年前から、善通寺の近くにある

『仙遊寺』というお寺が再建されました。

再建をしたときに、

お寺の堂守というお仕事も一緒にさせていただいています。

この仙遊寺は善通寺から近い場所なのです。

弘法大師さまが善通寺の誕生院という場所で

お生まれになって、幼い頃、この仙遊寺でお大師様が

遊ばれていたということが始まりといわれています。

仙遊寺があった場所は、湿地帯で

お大師様が泥遊びで仏様のお姿を作り

小さなお堂を作って手を合わせていたという

伝承が残っています。」

弘法大師さまの何歳くらいのお話ですか?

「5~6歳です。

お大師様が真魚さまと呼ばれていたころですね。

近くに残る伝承で申しますと我拝師山、

出釈迦寺の崖から「仏の道で人々を救いたい」

と身を投げられたのが7歳の時ですから

その少し前にこの仙遊寺で遊ばれていた場所が

現在の仙遊寺一帯であったと伝わっています。

それも泥で仏様を作っていらっしゃったのです。」

《中嶋さん》

「高野山の学僧の寂本(じゃくほん)さんという方が

「四国霊場紀」を書かれていますが

その中に、仙遊寺は弘法大師さまが遊んだ場所だと

明記されています。

毎月24日はご本尊様のお地蔵さまのご縁日として

地蔵菩薩さまをお祀りしております。」

 

「この善通寺の近くには自衛隊があります。

明治大正の頃は、軍隊の11師団が駐屯されていました。

それを率いていたのが乃木希典大将でした。

ここ仙遊寺がある場所は当時、師団の練兵場で

銃や馬の練習などが行われていたそうです。

いくつかエピソードはあるのですが、その一つに

この仙遊寺のある近くの場所で馬の練習をしていると

落馬が相次ぐので、これはおかしいと。

乃木大将が調べてみると

『ここはお大師様が幼少期に遊んでいた場所であった』

とわかって、そのような場所で戦争の練習をしてはいけないと、

善通寺に後々この場所をお返し頂いたとお話が伝わっています。」

「善通寺にお返し頂いて、その後に現在の場所に本堂を建て

仙遊寺というお寺の歴史が始まりました。」

現在の本堂は、昭和26年建立のお堂を解体し

2019年に再建されたものです。

この再建前の仙遊寺に深い思い入れのある

スタッフが一人。

田坂泰三(FM香川 制作技術部)さん。

取材先に思い出の写真を持参し、仙遊寺 堂守の中嶋さんと

仙遊寺とのご縁について話し始めました。

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「ここに写っているのが父です。

もう父は亡くなっています。

昭和元年に生まれた父は、生まれた段階で

乳を全く飲まなかったそうです。

当時の乳児死亡率は相当高かった時代。

困り果てたとき、善通寺師団に軍人として

勤めていた私の曾祖父が「仙遊寺」に願を掛けよと

私の祖父に伝えたのです。

(当時祖父たちが住んでいた場所は、)

ここから東へ15キロも離れた現在の綾川町でした。

その綾川町から毎日、願を掛けに来たという話を聞いていました。

親としては、「仏に縋る」想いだったのでしょう。

それでも当時毎日は大変だったと思います。

15キロの道のりで、来たのは良いが

帰る時には夜が明けていたという話は聞いています。

(毎日願掛けを)1週間続けると

「この子は、助からない」

と言われていた子どもが乳を飲みだした…

と、いう話を聞かされていました。

 

その子どもがこの写真に写る父です。

それがご縁で、私も毎年のように来ていました。

昭和40年代くらいまで、私が20歳になる年くらいまでは、

毎年ここにお参りさせていただいていました。

 

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「『仏に頼るほか道はなかった』」とはいえ

親心というのは、すごいですよね。」

《中嶋さん》

「綾川町でしたら、綾川に当時も

たくさんお寺も神社もあったはずなのですが・・・

わざわざここ「仙遊寺が良い」とお聞きになって

毎日来られていたのですね。

これはすごいことだと思います。

 

お父様、お母様の懸命な姿を見られて

仏様が手を伸ばしてくださったと思えますね。」

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「奇しくもこの善通寺には国立の子ども病院

(現:四国こどもとおとなの医療センター)があります。

時代は変わりましたが、

やはり親としての気持ちというものは、今も変わりませんね。」

《中嶋さん》

「変わらないと思いますね」

今、お堂の中に入らせていただいて

正面にご本尊様を拝見します。

《中嶋さん》

「この仙遊寺のご本尊様は

石でできている座像の延命地蔵様。

脇にお大師様の幼少の頃の真魚さまのお姿をされた稚児大師像を

お祀りしています。

そして、再建の時にご奉納いただきました

お不動さまの幼少のお姿をされている

稚児不動明王様をお不動様としてお祀をさせていただいております。

子どもさんお姿をされた仏様が2体・・・

真ん中に延命地蔵様で、

本当に先ほどのお話と繋がるのですが

この延命地蔵様は、

病気の子どもさんを延命するのがお仕事と言います。

願い事の一つとしてありまして

まさに今回聞かせていただいた

内容とぴったりと合う

本当にお子さんのための仏様。

改めて私も確信いたしました。」

子どもの頃に

このお堂に入って仏様はご覧になったことは?

 

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「子どもの頃に残っている印象は、小さな祠の中だったのです。

それが、今はこうして広いところにいらっしゃることは

感慨深いです。

立派なお堂になりましたね。」

おもむろに、大切にしていた一枚の写真を取り出しました。

お父様の大切にしていた仙遊寺のご本尊さまの本堂再建前の写真です。

《中嶋さん》

「お顔自体はその当時と今も一緒ですね。

当時は延命地蔵さまに服を着せていまいすね。

白衣みたいなものを着せており

(違う印象ですが、)お手もとも今と一緒ですので

同じ仏様ですね。

(写真に写る)こちらのお大師様も

今の、(お祀りしている仏様と)一緒ですね。」

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「実物がこんなに大きいと思いませんでした。」

これはどこにあったお写真ですか?

 

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「これは昔の祠にお祀りしていた当時、

管理していた方にお許しを頂いて

仏さまを写真に撮らせていただいて

お姿を額縁に入れて、

家において父はずっとお姿に向かいお参りを

しておました。今も家に飾ってあります。」

「私の曾おじいさんが善通寺の駐屯地にいて、

仙遊寺が(子どもの延命にお力を貸してくださる)という

ご利益については知れ渡っていたので

息子である(私の祖父)にこの仙遊寺に願を掛けろと

1週間近く綾川町から毎日通っていたことですから

それがご縁で

「今、私がある」わけです。」

《中嶋さん》

「不思議な、不思議な・・・約100年の時を越えた

ご縁というのは本当に不思議ですね」

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「ここ仙遊寺に、こうして来られるということは、

お大師様のご縁・・・」

《中嶋さん》

「久ぶりに来なさい。というお大師様のお声があったということです。」

《FM香川技術部:田坂》

「私の母もまだ健在なので、(ぜひ一緒に)ここへ連れてきます。…昔は年中行事で来ていたのです。」

 

《中嶋さん》

「昔は夏祭りとかもやっていたと、昔この辺りに住んでいた方からも

よく聞いております。」

《FM香川 制作技術部:岡坂》

「広場もあって、楠木があり、祠はこのあたりでした。

広場には鉄棒や遊具もあったりして

この辺りの地元の方々の遊び場であったと思います。」

《中嶋さん》

「すごい。本当に子どもたちの遊び場だったのですね。

楠木はもうなくなってしまったのですが・・・・」

《FM香川 制作技術部 岡坂》

「今回、お参り出来て、家族に改めて語り継いでいきたいですね。」

 

 

お話は

総本山 善通寺 広報

弘法大師 稚児伝蹟 仙遊寺 堂守 中島孝謙さんに伺いました。

 

番組は、radikoでも お聴きいただけます

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