STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年05月01日放送分

歩き遍路に寄り添う「うたんぐら」物語(そのニ)

香川県宇多津町、四国霊場第78番札所郷照寺の近く

昔ながらの美しい街並みの小町に

遍路宿「うたんぐら」があります。

今回は、歩き遍路に寄り添う

遍路宿「うたんぐら」の物語です。

入江徳子さんがご主人の宗徳さんと

大阪府泉大津市から、ご主人の定年を機に

宇多津町に移り住み

遍路宿を始めて13年前になります。

 

ここ「うたんぐら」は

歩き遍路の宿として知られています。

中を案内していただきました。

《入江徳子さん》

「ここが談話室。

炬燵は出していなかったのですが、

外国の人が多くなって炬燵もしようということで

始めたのです。」

炬燵に畳。外国のお客さんは喜ばれますよね。

床の間に金剛杖を置いていらっしゃいますね。

《入江さん》

「お遍路さんが来られるとまずお杖を

私が洗ってはあげるのですよ。

玄関でお杖を頂いて、洗ってそこへ置きます。」

「ここが談話室。ここがお風呂です。」

カラカラ(扉を開ける音)

「ここに洗濯機があります。」

(お庭を抜けて)

「ここが女性棟なのです。

私はあまり飾り立てたりするのが、好きではないので

さっぱりとしています。」

「うたぐら」のお遍路さんが泊まられるところは

女性棟と男性棟があるのですか?

「ここが女性棟、向こうが男性棟と

分かれています。」

洗面所も洗濯機もあります。

カラカラ(男性棟を開けて中を見せていただきました。)

「昨日のお遍路さんはお布団もたたんでくれています。

ここは5人くらいか、ちょっと多かったら

泊まっていただきますけれども、

そこまで最近はお遍路さんが多くないの。」

お布団のご準備は?

「私がシーツを掛けて準備します。」

よく遍路宿というのはシーツと枕カバーだけ

お渡しして、お遍路さんが自ら準備すると聞きますが?

《入江さん》

「そうするのも良いのでしょうけれど、

私はお遍路さんが来られたら

布団を敷いて差し上げます。」

 

お遍路さんは、荷物をおいて

まずは、ほっとしたいですよね。

お遍路さんの過ごし方は?

《入江さん》

「談話室に荷物を置かれて、

お風呂はここだからと案内します。

でも荷物いっぱいのお遍路さんには、

『先にお部屋見ますか?』

と言ってお部屋にお連れして、お風呂の用意を

持ってきていただいて、入ってもらいます。」

 

「昔は銭湯がいっぱいあったのですよね。

今は銭湯自体がないので、

お風呂に入るところがなくってね。」

「朝はおむすびを二つ

お遍路さんに持って行って

もらうようにしているんですよ。

『景色の良いところで食べてね』

と言ってね。」

 

お遍路さんもいろいろご存じのベテランの

方ばかりではないですよね。

《入江さん》

「そうですよね。

初めての方の方が多いですものね。」

結願が近づくこの場所でお遍路さんはどんな思いを

話されますか?

《入江さん》

「『あと3日で終わる

寂しいな』とか、おっしゃるんですよ。

そんな方に

『そんなんだったら、また回ったら良いじゃないですか』って

言うんですよ。」

入江さんもお遍路さんに行きたくなりませんか?

《入江さん》

「まあね、でもたまに行きますから

友達が来たら一緒に。

お寺の御開帳の時にわざわざ来る方がいらっしゃったら

『一緒に連れて行って』

とお参りに行きます。

お遍路さんに伝えたい情報などもあって

ご自身でも歩かれるそうですね。

《入江さん》

「ここに来られる前に、根香寺に上がるまでの

遍路転がし、ミニ遍路転がしと呼ばれているので

『私、まだ上がったことがないのだけれど

一緒に連れて行ってもらっていい?』と

お遍路さんに頼むと『いいよ』と。

白峰寺から根香寺の丁石のある遍路道を

ずっと歩いたんですよ。

良かったです。

それで一緒に上がってくれたお遍路さんに

『ありがとうね』と伝えてね。

こっちの方でも、道隆寺、金蔵寺、善通寺辺りを歩いて

お遍路さんたちに

『ここはこうよ』と言って差し上げようと。」

お遍路さんの気持ちに寄り添い、同じ気持ちになるように

されているのですね。そういう気持ちがお遍路さんに

伝わるのでは?

《入江さん》

「そうだと良いなと思いながらね。」

「もうここまで来られたら、皆さん

『あと3日くらいだから、

寂しい。寂しい。』とおっしゃいます。

お遍路というのは、3日~4日したら

足が痛くなるのですって。

そして1週間したら、ちょっと慣れてきて。

この「うたんぐら」に来られるくらいになると

足が慣れて全然しんどくないのだそうです。

ここはご飯がありませんので、スーパーまで

『自転車で行かれては?』

とお遍路さんに言うと

『何分くらいかかりますか?』と問われて

皆さんネットでお調べになると900mでした。

『900mだったら歩いてもいいかな』なんて。

ここまで来られたお遍路さんに、また明日から

歩いてもらわないといけないと思って

『お遍路と別のところは

自転車で行って体を休めなさいよ』と言ったら

昨日もお二人のお遍路さんも

『では自転車で行ってきます』といかれました。

ここまで来られたら

あんまり歩くことが苦にならないのですって。」

「個人々、それぞれ想いがおありですから

私は聞かないのです。

『何でお遍路を回っているの?』とか。

今日泊まった大学生の方も、見るからに若いので

ちょっとお話していたら、帰り際に

『大学生だね。頑張ってね。お遍路をこれだけ

回ったら何でもできるよ』って。」

まさに老若男女の方々が来られますね。

「私も『苦しいやろ。でも楽しんでね』

とこの玄関でよく言うのですよ。

『苦しい、苦しい。』と思っていたら

しんどいから、

『これも苦しいことも楽しいなと思って

帰っていってね』と伝えるの。」

そんな時お遍路さんは?

《入江さん》

「『ありがとうございます。行ってきます。』って

私もここ玄関で

『行ってらっしゃい』というのです。」

こういう遍路宿がこれから増えていくことは

難しいですよね。

《入江さん》

「減りますよね。

でね、お遍路さんはわりと綺麗好きなのね。

日本人って。

汚い服装していたら、

道行く人も避けて通るじゃないですか。

治安もすごく気にされるんですね。

私やそれより年上の方は

『お遍路さんは

自分の身代わりで回ってくれているのだ』

という想いがあったのですけれどもね」

お遍路宿や野宿が安心してできるところ

というのは

どんどん減ってしまいますね。

《入江さん》

「はい。減っていますね。

まだその消えてしまったわけではないのですが

でもだんだんと

私は少なくなってきているのだと

思いますね。」

このお遍路宿「うたんぐら」の存在は

今後大事になってきますね。

《入江さん》

「そうですね。大事にしたいと思います。」

「ホームページは作ったりしているのです。

でも来たお遍路さんが

『お布団はあるのですか』

とかおっしゃるのですよね。

『ホームページ、見てくれていないのかな』

と思うのですけれども

『お風呂あるのですか』という人もいらっしゃいます。

ここは洗濯もできますし、野宿している人は

うち来て洗濯をいっぱいして、お風呂にも入って

そうしてほしいなと思います。」

普段、野宿されているお遍路さんも

ほっとできるお遍路宿ですね。

《入江さん》

「わたしはそう思って

しているのです。」

「お遍路さんには、

明るく、楽しく回ってほしいと思っています。」

送り出すときに、お遍路さんはみなさん

そういうお顔をされていますか?

《入江さん》

「そうですね。

ありがとうございます!」といってくれます。

 

今回は、歩き遍路に寄り添う

遍路宿「うたんぐら」の物語でした。

番組は、radikoでも お聴きいただけます

YouTube配信もスタートしています。

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