STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

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毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年05月15日放送分

お遍路さんと家族連れが行き交う金倉寺

智証大師生誕の地

四国霊場第76番札所

天台寺門宗別格本山

鶏足山 宝幢院 金倉寺

善通寺市金蔵寺町にある天台宗のお寺です。

今回はお遍路さんと家族連れの人々が行きかう

金倉寺の物語。

副住職 村上哲済さんにお話を伺います。

 

《村上副住職》

「弘法大師さまが非常に有名ですが

お大師さまというのは、

これまでの歴史の中で実は全国に25名いらっしゃるのです。

そのうちのお一人である智証大師さま。

智証大師さまはお坊さまとしてのお名前を「円珍さま」と言い

円珍さまがお生まれになったお寺がここ金倉寺である。

このことがお寺にとって、非常に重要な事であると言えます。」

平安時代に「お大師さま」と呼ばれるようになった方は

4名しかいらっしゃらないのです。

最澄さま・空海さま・円仁さま・円珍さま。

この4人が平安時代に天皇から「お大師さま」を

頂いた4人。

同じ善通寺という地で、当時4人しかいない

「お大師さま」のうち2人が

この地で出生している。

しかも比叡山と高野山という日本仏教の礎となる

所にいらっしゃるという、すごいご縁だなと

感じますね。」

智証大師・円珍さまは弘法大師の甥で

40歳の年の差があったと言われています。

 

《村上副住職》

「賢い子どもであるという噂があったことから、

弘法大師さまも「ぜひ高野山へ」と望まれたという

お話が残っているのですが

ただ智証大師さまのお父さまの弟の方が

比叡山延暦寺の天台宗のお坊さまだったことから

智証大師さまは、比叡山のお坊さまになられたのです。

天台座主というのが、天台宗・比叡山延暦寺の一番要職になります。

平安時代、そちらの第5世が智証大師さまです。

比叡山延暦寺の今の本堂を今のかたちにされたのが、

智証大師さまと言われております。」

 

金倉寺の「大師堂」。

こちらならではのことがあります。

《村上副住職》

「『大師堂』という通りお大師さまをおまつりするところ。

四国霊場は一般的に

弘法大師さまをお祀りするところと考えられるのですが、

金倉寺では大師堂のことを本来は

『祖師堂(そしどう)』というのが

金倉寺での正式な名前となります。

その名の通り、各宗派の祖師さまをお祀りしているのです。

弘法大師さまもお祀りしていますし、金倉寺にとって

まずは智証大師さま、そのお師匠の伝教大師さま

さらに中国で天台宗というものを

興されました天台大師さま

あとは我々の宗派は修験道といって

山の中で修行することも大事といわれていますので

その祖師である神変大菩薩(じんべんだいぼさつ)さま

この5人のお大師さまをお祀りするお堂となっています。

一般的にはみなさま「大師堂(だいしどう)」

と呼んでいらっしゃいます。

ご存じの方は、智証大師の御宝号(ごほうごう)

『南大師遍照智慧金剛』といいますけれど、

こちらを唱えてくださる方もいらっしゃいます。」

 

仁王門から入って、本堂の手前に銅像がございますね。

《村上副住職》

『入山大師像』という名前なのです。

みなさんは弘法大師さまのお姿だと思われていますが

実はこちらは智証大師さまになります。

智証大師さまが山伏の格好をされまして、山に入るお姿を

銅像で再現したものになっています。

いわゆる弘法大師さまのいわゆる笠を被られた『修行大師像』ではなく

山伏姿の智証大師さま。まさに今からお山に向かうぞというお姿。

智証大師さまも比叡山で修行されたのちに3年間山にこもられたという

伝説があるのです。

それを基に山で修行するお大師さま(智証大師さま)の像を

作ったということになります。

金倉寺には、樹齢700年を超える大きな楠の木や

様々な史跡があり、とても広い境内です。

《村上副住職》

「お寺としてはもちろん

仁王門からお入り頂くように

配置はしておりますけれど

駐車場からいらっしゃいますと、

かなり回り込むようになりますので

一度お入り頂いて、仁王門を抜けていただいて

もう一度入りなおすような感じで見ていただくと

見やすいかと思います。

実はその仁王門から500mくらい真っ直ぐの道が

続いていまして

お遍路さんがその道を歩いてこられると

500m先からお寺の仁王門がずっと見えるのです。

なかなか四国霊場でそれだけ長く仁王門が見えるところは

ないのです。

ちょっと距離はありますけれど、そういった景色も

楽しんでいただけたらと思います。

仁王門からずっと真っ直ぐの道が続いていますので

なにか迎え入れてくれるような感じがするのです。

実は、私も歩き遍路で「金倉寺から始めて、金倉寺に帰る」

お遍路をしたのです。

最後にその仁王門が見える景色を見たときに

「すごく迎え入れて頂いている感じ」がしたのです。

その景色が忘れられなくて。

この金倉寺のこの景色は大事にしたいなと

思っているのです。」

村上副住職も歩き遍路を?

《村上副住職》

「もう15年くらい前になります。

学校を卒業して、ここに常勤になる少し前です。

これからお遍路さんを迎える立場になるので

その前に一回、お遍路さんをしておきたいということで

歩き遍路をしました。

その歩き遍路で、どんなことが

お遍路さんはお困りになるのか

お遍路さんはどういったお気持ちなのかを

含めて経験に勝るものはないと思いますので

しておこうと思いました。」

 

金倉寺を訪れるお遍路さんへ

《村上副住職》

「一つ知っていただきたいことがありまして、

実はここのお寺の4代前の住職のお弟子さんに

中務茂平という方がいらっしゃいます。

この方はお遍路の大先達という方でして、

明治期の廃仏毀釈といってお寺にとって

一番大変な時期に287回の

歩き遍路を達成された方なのです。

中務茂平さんが八十八ヶ所をぐるりと回っている間に、

みなさんの悩み事や願い事などを聞いていかれて

ここのお寺に持ち帰ってきて、

お師匠さんにお願いをしていたそうです。

お願いをしていたのが、訶利帝堂で訶利帝母さま。

中務茂平と訶利帝母さまは実は深い繋がりがあるのです。

このお寺の周りに、その茂平さんが建てられた

道しるべ・道標が4基ほど実はあるのです。

仁王門出たところに一番目立つものがあるのですけれども

折角なので、そういったものも

ぜひ探していただければと思います。」

副住職の村上さんは本堂の隣にある

訶利帝母さまをお祀りする訶利帝堂で

悩みを持ってお参りに来る人の

心に寄りってきました。

《村上副住職》

「訶利帝母(かりていも)さまという

仏様をお祀りしております。

こちらの訶利帝母さまが子宝だったり

安産の仏様ということで

普段はそういった方々の祈願を中心に行っております。

そういった悩める方々の場を作りたいと

ここのお堂を毎月16日のご縁日の日に開けて

みなさんがお参りしていただけるように

時間を作ったのです。

5月16日の縁日の日からお堂を開けるように

なって12年ですね。

うちの子どもが今年12歳になりますから

妻のお腹にいるときなので・・・

私たち夫婦、実は不妊に悩んでいた時期があり、

訶利帝母さまは子どもを授けて下さるということで

毎日、こちらにて夫婦でお務めをし、

子宝の祈願というのを

住職にお願いしておりましたら、

ご縁があって子どもを授かったのです。

もう12年前になるのですけれど・・・」

 

訶利帝母さまに「呼ばれてきたような気がしている」と

村上さんは言います。

「それまで、訶利帝母さまの祈願自体もずっと少なかったのです。

そういう状況を憂いで、訶利帝母さまが

我々夫婦をこちらのお寺に呼んだのではないかと

いう風に感じて今まで活動をしてきております。」

 

「呼ばれた気がする」

《村上副住職》

「はい。そうですね。

不妊という時期があったのも、訶利帝母さまが

私たちに下さった時間だったと思います。

私たちも、はじめは「子どもが欲しい」見えているところが

そこだったのですが

できたらできたで、「無事に生まれるのか」

子どもが生まれたら今度は「きちんと成長してくれるのか」

どのタイミングでも子育ての悩みは尽きないのです。

私たちも子育てを通して各時期の悩みを含めて

知ることもできましたし、

ご家族の不安なところをお参りに来ることによって

それが解消できる場になればいいな。

「金倉寺が家族の場所になれば良いな」

ということで、頑張っています。」

今回はお遍路さんと家族連れの人々が行きかう

金倉寺の物語でした。

 

 

 

 

 

番組は、radikoでも お聴きいただけます

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