STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年05月29日放送分

「おへんろつかさの会」が案内する長尾寺~結願への背中を押す「おはぎ」の物語~

上がり三カ寺がある香川県さぬき市で

お遍路の観光的・歴史的な面をガイドする人・

司る人の団体があります。

今回は「おへんろつかさの会」が案内する長尾寺

~結願への背中を押す「おはぎ」の物語~

『おへんろつかさの会』会長 長尾 真弘さんに

お話を伺います。

《長尾さん》

「現在、「おへんろつかさの会」

13期生までがおりまして、

まあ、2年間は養成講座がコロナ禍で中止でしたので

本来なら15期生まで。

私が5期生です。

ですから私の活動としては10年間

させていただいています。」

 

長尾さんで会長としては、何代目でいらっしゃいますか?

《長尾さん》

「私で3代目になります。

初代のホリオさんという方の想いが

『お遍路文化を楽しく継承していこう』

という想いを受け継いで

私も頑張りたいと思っています。」

 

長尾さんに「長尾寺」を案内していただきます。

《長尾さん》

「こちらの楠木は樹齢800年といわれております。

800年間、お遍路さんを見守って、

木陰を提供して

次の大窪寺に行くお遍路さんを支えてきたような

楠木なのですが

こちらの楠木の見逃しポイント!

今、コンクリートで塞がれているのですが

ここに穴が開いていますね。

この中でなんと!狸が住んでいたそうです。

しばらくの間、狸はお遍路さんたちのマスコット的役割を

果たしていたと言われています。」

「こちらが長尾寺の本堂です。

向拝(こうはい)の部分、彫り物の部分を

ぜひご覧ください。

あそこに箒と巻物がございます。

見えますか?ちょっと見にくいのです。

あちらはお釈迦さんの弟子

チューラ・パンタカという方がいらっしゃいました。

その方が悟りを開くまでの物語でございます。

チューラ・パンタカはお釈迦さんの弟子なのですが、

物覚えが悪いということで

なかなかお経も覚えることができなかったのです。

そんな中、お釈迦さんはパンタカに

「塵やほこりを払え」と諭しまして

それで、チューラ・パンタカさんは箒をもって

ずっとお掃除をしていました。

そうすることによって、お弟子さんの中で

一番早く悟りを開いたのだといわれています。

チューラ・パンタカさんの悟りを開いた物語が

こちらの箒と巻物です。

本堂の入り口、向拝という屋根の下にございます。

ちょっと見にくいのですが、ぜひご覧ください」

長尾寺の東門のところにやってきました。

《長尾さん》

「この門は栗林公園の北側にあった

門でございます。

それをこちらに移築をした。

当時のご住職が栗林公園とも話しをして

そのままの形で移築をされたということであります。

栗林にあったときは、この門は

藩主さま専用の門として使われてきたものです。

栗林公園では『嶰口(かいのくち)御門』といわれて

おりました。しばらく長尾寺の正門として

使われていました。」

《長尾さん》

「長尾寺といえばこの『甘納豆おはぎ』です。

ぜひこれはご賞味いただきたいと思っている

イチオシです。」

失礼します。(市川、納経所の中へ)

こちらは納経所ですね。

朝も早くから?

《長尾寺 副住職 木村俊亮さん》

「そうですね。朝の7時から夕方の5時まで

開いております。」

私は、今日は御朱印をちょうだいするのではなく

別の目的で・・・

《長尾寺 副住職 木村俊亮さん》

「ああ、納経いがいでしたら

『おはぎ』を購入するということで

リピーターさんがたくさんお見えになりますね。

副住職の木村俊亮と申します。」

《長尾寺 木村仁美さん》

「こちら1パック2個入り200円になります」

《長尾寺 副住職 木村俊亮さん》

「当初の値段から変えずに、

できるだけ安い金額で・・・

お遍路さんに力をつけていただいて

大窪寺の山道を元気に無事に登って頂きたいと

ここでこの「おはぎ」をこの金額で

販売しております。」

そちらにあるのは?

《木村仁美さん》

「はい。甘納豆おはぎです。」

 

私も全部四国霊場を歩いたわけではないのですが

なかなか納経場で「おはぎ」というのは

ないのでは?

《木村さん》

「そうです。皆さん驚かれて

びっくりする方が多いです。」

 

いつ頃から「甘納豆おはぎ」を?

《木村さん》

「平成6年から、私の母になるのですけれども

母が始めまして、28年目になります。」

 

お遍路さんにも知られている「甘納豆おはぎ」なのですか?

《木村さん》

「はい。毎回ここを訪れてくださったときに

お買い求めいただいている

常連の方もいらっしゃいます。」

どんなおはぎですか?

《木村さん》

「あんこの代わりに地元の

甘納豆屋さんで特別に作って頂いている

甘納豆を混ぜ込んだおはぎになっています。

普通のおはぎより、ちょっと甘さ控えめの

さっぱりした「おはぎ」になります。」

 

所謂、商品開発されたオリジナル「おはぎ」?

《木村さん》

「たぶんオリジナルだと思います。

みなさんに珍しがっていただいています。」

 

一つ一つの形状は?

《木村さん》

「3口くらいで頂けるような・・・

そんなに大きくはないのですけれども、

男性の方でしたら、3個4個とパクパクと

食べていただけるような

食べやすい感じになっていると思います。」

 

なぜ「おはぎ」を始められたのでしょうか?

《木村さん》

「28年前といいますと、近くにあまりコンビニも

ない時代です。

歩きのお遍路さんが、今でいう

『テイクアウト』で

「持ち歩きに何かないですか?」

という声を受けまして。

母がそしたら「おはぎ」を作ってみようと

いうことで考えました。

持ち歩き、食べながら

結願の「大窪寺」を目指して頂けるようにと

始めました。」

お遍路さんのためになのですね?

《木村さん》

「そうです。

お遍路さんのために始めたものになります。」

 

そうすると今は、木村仁美さんがお母様から

受け継がれているのですか?

《木村さん》

「今は、わたくしが作らせていただいております。

母から色々、教わりましてですね。」

 

「ここで最後、もうひと踏ん張り

あと一カ寺ということで

『最後に元気を出して頂くために

ちょっと甘いものを食べながら

歩いてもらおう。』

という気持ちを込めて母も作っていたと思います。」

それ以来ずっとですか?

「はい。一度も途切れたことなく

作って・・・

細々とですけれども

作らせていただいております。」

 

長尾寺の納経場にお邪魔すれば

お遍路さんでなくとも

お参りに訪れた人でも買うことができますか?

《木村さん》

「もちろん。買って頂けます。

おはぎだけを買いに来ていただいている

常連の方もいらっしゃるくらいです。

手作りで、数限定で作っておりますので

どうしても売り切れたら『終了』

となったりしてしまいます。

季節のものですので、春と秋がメインには

なるのですけれども、

7月8月はちょっとお休みになるのです。

完全無添加の「おはぎ」ですので

2日くらいしか日持ちがしないのです。

基本は土日祝日なのですが、

春は平日も少ないのですがやっております。」

 

お遍路さんにとってさぬき市のこの場所は

特別な気がしてならないのです。

《木村さん》

「はい。私もそう思います。

みなさん、やっとここまで来られた。

感無量だということが、

表情からわかるのですよね。

でも最後はちょっと遠いのです。

山道行かないといけないので

「そこでもうひと踏ん張り頑張って頂きたい」

「応援したい」という町だと思います。

最後の難関、お遍路さんの背中を押したいという

想いがあると思います。

「頑張って」という気持ちを持って

お接待させていただきたいと思います。」

《おへんろつかさの会 会長 長尾さん》

「香川県さぬき市というのは

「お接待」「おもてなしの文化」というのが

あります。

それを伝えていくのも

大事な文化の継承があると思うのですが、

みなさんを「お接待」すると

笑顔が返ってくるのです。

これが嬉しくて、我々会員は

させていただいています。

お遍路に出られる方は、いろいろな

想いを持って回られている方が

いらっしゃいます。

そうした中でも一緒にお話を伺いながら

「おもてなしの心」でお接待する

この気持ちは変わりませんので

一緒にお遍路さんに寄り添いながら

お遍路文化を広めることができたらと

思っています。」

今回は「おへんろつかさの会」が案内する長尾寺

~結願への背中を押す「おはぎ」の物語~

 

 

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