STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年06月05日放送分

弘法大師生誕の地 善通寺・伽藍を巡る

総本山善通寺。

今月は弘法大師の御誕生月であることから

善通寺におけるご誕生にまつわるエピソードを紹介していきます。

生誕1250年の行事が予定される善通寺。

今回は善通寺で広報のお仕事をされている

中嶋孝謙(なかしま こうけん)さんに善通寺をご案内いただきます。

 

善通寺はもともと東院という場所は

空海さんが建立されたお寺です。

西の方にもお寺、大師堂があるのですけれども

そちらは空海さんの元々の邸宅(家があった場所)ですので、

違った伽藍と西院があります。

この南大門は、善通寺の正門となっています。

南大門は真南を向いております。

五岳山というのは、善通寺の裏山にある山の峰が

5つありその山を五岳山と呼んでおります。

弘法大師ご誕生所善通寺です。

来年、令和5年に弘法大師さまがお生まれになって

1250年の記念の年となっています。」

《中嶋さん》

「南大門を入りすぐ右手にあるのが五重塔。

この五重塔は日本で3番目に大きな木造の五重塔です。

43mあります。」

 

この近くにいるだけで、気持ちが改まります。

「そうですね。かなり大きな建物ですので

善通寺の市のシンボルであり、

香川県の観光写真ではよく見られ

善通寺市のシンボルになっていると思います。

五重塔は普段、公開はされておりません。

ゴールデンウィークの期間中には

2階まで上がれるように特別公開をしております。」

 

《中嶋さん》

「二度、一番上の五層目まで上がったことがあります。

そこからは、坂出の海まで見え、讃岐平野が一望できます。」

「塔は、もともとお釈迦様の舎利(お骨)をお祀りする場所であるのです。

善通寺の五重塔の中には五仏(五体の仏さま)を

お祀りしております。」

五重塔の前(南大門の左)にありますのが・・・・

《中嶋さん》

「大楠です。

かなり大きなもので千年以上の樹齢が

あるのではないかと言われています。

もともとこの地域には楠木がたくさんあったそうで、

空海さんもご自身の著作

『 聾瞽指帰 』(ろうこしいき)『三教指帰』(さんごうしいき)

といわれる著作の中にも、「この地域は楠木がたくさん

植わっていましたよ」と記されていますので

昔からたくさんあった木なのではないかと

思います。」

五重塔の南側にあるお堂ーーー

《中嶋さん》

「五重塔の南側には、浄土宗を開かれた法然さんの[逆修の塔]があります。

法然さんは晩年、四国に流刑になり、その際に善通寺を訪れお参りされています。

違う宗派の方でも受け入れる…、そのお気持ちはずっと空海さんから続くもので、

誰であろうとも全て受け入れる真言宗の素晴らしい良い所だと思いますね。」

 

 

 

南大門から真っ直ぐ進みますと本堂があります。

《中嶋さん》

「この本堂には、ご本尊様で薬師如来さまが

お祀りされております。」

 

《中嶋さん》

「金堂とも言います。

もともとおおきな本堂がございました。

ですが戦国時代に三好 実休(みよし じっきゅう )

という戦国武将が天霧城(あまぎりじょう)という城を

攻めていた時、善通寺に陣を取っていたのです。

その帰られる際に戦火に遭ってしまい

本堂は燃えてしまったのです。

その後に1699年に今のお堂、江戸時代に再建されております。

お大師様の大同二年に建立された本堂は燃えて

元禄十二年、1699年に再建されたのです。」

 

金堂・本堂の中に入らせていただきました。

《中嶋さん》

「ご本尊様は薬師如来さまでございます。

この薬師如来さまも本堂再建の際に一緒に作られ

今ここに安置されています。

座像(座っているお像)で丈六の仏さまになります。

仏さまの身長(一丈六尺(約4.85m)の略。)

立っていらっしゃる状態ですと4m80cm以上あるのですが

座っていらっしゃるので2m80cmくらいの高さが

あります。

蓮華の台座にお座りになっていらっしゃるので

それを合わせると4m近くになるのではないかと

思います。

圧倒されます。

かなり大きな仏様ですので、善通寺に来られたお遍路さんも

びっくりされております。

お遍路で来られた方は、般若心経を、

そしてお薬師さまのご真言

「おんころころせんだりまとうぎそわか」を

3回または7回唱えていただくのが

多いようです。」

「薬師十二大願。

お薬師さまの十二のお願い事、誓願がありますので

一つは全ての人々を仏にする

またお薬師さんですので一番特徴的なのが

みなさまの病気・怪我を癒してくださることが

お得意であると言えます。

みなさま、ここで心を一新されて

お遍路されているのではないかと思います。」

今、金堂の土台になっている石垣ところにやってきました。

《中嶋さん》

「金堂降りて西側、石垣が組んであるのです。

元々の本堂は燃えてしまいましたとお伝えしましたが

初代本堂の基礎です。

その基礎を使っているのです。

昔の建物だと、石に木を置いて建てていくというのが

基礎だと思うのですが

それが今ここの石垣に残されています。

丸く円が描かれているものが、もともとの

柱の大きさだったのです。

今、柱も大きい方ではあると思うのですが

初代のお堂の柱の大きさはもっと大きかったと

分かる場所になっています。

今のお堂よりも大きなお堂であったことがわかる

遺構ですね。

 

そういった昔からのものが境内の中に

受け継がれて今もその姿を残しているのですね。

《中嶋さん》

「この中でも一番古いのがこの楠木ではないかと

思います。」

南大門入ってすぐ左隣の大きな楠木があり

県の保存木にもなっているのですが

実はさらに・・・・

《中嶋さん》

「もう一つ奥にさらに大きな楠木があります。

こちらが善通寺のご神木であります大楠でございます。

神様が宿ると言われて木ですね。

弘法大師さまが24歳の時に書かれた書籍がございます。

その中に屛風ヶ浦・この善通寺でお生まれになって

またたくさんの木があって陽を覆うほどであった、

その木で子どもの頃に木登りをして遊んでいましたと

書かれていたのです。

もし千二百数十年前に木登りされていれば

樹齢は1300年くらい前ではないかと言われます。

ある程度大きな木で登らないと木登りできないと思いますので

50年100年の木に登られていたのであれば

1300年以上は経っているのではないかと伝わっています。

私も初めて見たときかなり大きいなと、

さらに善通寺は山沿いのお寺ではないので

ここくらいまで大きいものはなかなか無いのではないかと

思います。」

《中嶋さん》

「この楠木の周りにしめ縄を張ってあるのですけれども、

毎年12月に地元の方と一緒にしめ縄旁をしております。

12mから13mくらいの長さで作っています。

長くて太いものを作っています。

若い方も来ていただいて、かなり重いので20人くらいで

持たないと大変な重さになりますので

若い方にも手伝って頂いています。」

 

《中嶋さん》

「基本、お遍路をしている方は忙しいです。

次のお寺に行かないといけないので

金堂をお参りして、

お大師様に手を合わせると

そのまま次のお寺に行ってしまわれることが

多いのでゆっくりと他のお堂を見ることは

なかなかないのかなと

思います。」

善通寺へのお参りは誰にとっても特別なものですよね?

《中嶋さん》

善通寺は弘法大師さまがお生まれになった場所でありますし、

真言宗の始まりの場所でもあり大事なところであると思います。

「ここに来れば、空海さんを感じられる」と

やはりお遍路さんからよく聞かせていただきます。」

 

 

 

 

見どころの多い善通寺。

放送では入りきらなかったエピソードは

こぼれ話としてブログで更にご紹介します。

今月は弘法大師の御誕生月であることから

善通寺におけるご誕生にまつわるエピソードを紹介していきます。

番組は、radikoでも お聴きいただけます

YouTube配信もスタートしています。

こちらもご覧ください。

PRESENT

番組への御意見・ご感想をお送りください。

お送りいただきました方の中から毎月抽選で5名の方に「ライスフォーストラベルセット」をプレゼント。

プレゼント画像
メッセージ・ご応募はこちらから

カテゴリー

アーカイブ

2022
2021

PRESENT

番組への御意見・ご感想をお送りください。

お送りいただきました方の中から毎月抽選で5名の方に「ライスフォーストラベルセット」をプレゼント。

プレゼント画像
メッセージ・ご応募はこちらから

カテゴリー

アーカイブ

2022
2021
Story 八十八

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。