STORY 八十八

毎週日曜日9:00~9:15

それぞれの人や文化が持つ多様性。
未来のために今、それぞれの想いを受け入れるやさしさが、求められています。
古来よりうれしさや悲しみ、時にはその人の人生そのものを受け入れてきた四国お遍路には、
過去・現在、そして未来に続いているやさしさがあります。
これは、そのやさしさを探しに行く八十八という名の物語。

STORY 八十八

STORY 八十八

毎週日曜日 9:00~9:15
提供 株式会社アイム

2022年07月24日放送分

地域の人たちから大切にされてきた「きゅうり加持」で知られる一宮寺の物語

高松市一宮町

東西に延びる交通量の多い県道から少し入ったところ、

周囲には住宅地・学校などがある街中の札所、一宮寺。

地域に古くから時を刻むお寺で、夏の行事が行われました。(写真協力:一宮寺)

 

今回は地域の人たちから大切にされてきた

「きゅうり加持」で知られる一宮寺の物語です。

四国霊場第83番札所

神毫山 大宝院 一宮寺

副住職の加藤 泰弘(たいこう)さんにお話を伺います。

 

「お寺自体は大宝年間701年から703年の間に開かれたと

伝わっております。

その少し時間が経ってから弘法大師空海さまが

お四国で修行された際、聖観音菩薩像を彫られ

それをご本尊さまとして安置されました。

その昔は「大宝院」という名前のお寺でしたが、

のちに「一宮寺」という今の名前に改められました。」

(写真協力:一宮寺)

「1300年くらいの歴史になるかと思います。

お寺の方角で言うと西側に駐車場が位置していますので、

お寺の西門から境内に入られる方が

多いように思いますが、実は西門は山門ではないのです。

仁王門は境内の東側にありますので、

その仁王門から入って頂きますと鐘楼(鐘突き堂)があって

お清めの手水舎があり正面に本堂

それから大師堂、護摩堂が境内各所に

あります。」

お庭がとても綺麗で、             (写真協力:一宮寺)

お寺の佇まいが素晴らしいです。

 

《加藤副住職》

「これは住職と庭師さんが一生懸命にこれまで

手入れされてきたものです。

私は水やりくらいしかできませんけれども・・・」

境内には大きな木もありますね。

《加藤副住職》

「そうです。

境内のちょうど中心にある楠木は

樹齢もかなりのものです。

その他にも大きな木がたくさんあります。」

昨日7月23日、夏の土用の丑の日に

ここ一宮寺では「きゅうり加持」という

加持祈祷が行われ、多くの人が訪れました。

《加藤副住職》

「きゅうり加持というのは

真言宗の他のお寺さんでも

行われているとは思いますが、

病気封じ・病封じ、病ふせというように

言われたりしますが、

きゅうりに病を封じ込めて

「病気が治りますように」と祈願する

そんな行事です。」

 

「きゅうり」とみなさん

そこにびっくりされる方もいらっしゃると

思います。

 

《加藤副住職》

「『なぜきゅうりか?』ということに関しては

諸説あるのですが、

きゅうり加持でご祈祷させていただいた

「きゅうり」は、土に埋めるのです。

最終的に土に埋めた後に、きゅうりが土に還るのがとても

早いということで

「病気がたちまち良くなりますように」

とあやかっていると言われています。」

「きゅうり加持」は大変歴史が古いと伺いました。  (写真協力:一宮寺)

《加藤副住職》

「この行事の起源自体は

お大師さま。弘法大師空海さまが

日本で広められたと言われていますので、

お大師さまが広められたくらいに、長い歴史があるという行事です。」

《加藤副住職》

「昨日は土用の丑の日。

この「きゅうり加持」は土用の丑の日に執り行うという

行事なのです。

昨日は11時・14時・17時と合計3回ご祈祷いたしました。

各回とも、皆さま方からお申込みいただいた

「きゅうり」を1本ずつご祈祷させていただきました。

「きゅうり」には皆さまからお申込みいただいた

御祈願内容・お願い事が書かれた申込用紙を

水引で結び付けて

きゅうりに独鈷(とっこ)という仏具を用いて

小さな穴をあけて、護符(ごふ)を

埋め込んでいくというお作法をして

ご祈祷させて頂きました。」

(写真協力:一宮寺)

昔ながらの行事ということで、檀家さんやお近くの方にとって

夏の行事として、とらえていらっしゃいますか?

《加藤副住職》

「そう、とらえていただいていたら

大変うれしいです。」

馴染み深い「きゅうり」

あまりにも身近なきゅうりに想いを託す・・・

「きゅうり」をご自分で持って来るという風習も

あったそうですね。

《加藤副住職》

「土用の丑の日が近づきますと

きゅうりを持ってきていただく方が

たくさんいらっしゃいます。

なかには、ご自身の畑で採られたきゅうりを

たくさん持って来られて、

ちょっと余ったりすると、

「お寺の方でお使いください」というように

お寺に納めてくださる方もいらっしゃいます。」

 

地元の方にとっては、やはりこの

「きゅうり加持」は夏の大事な行事なのですね。

一宮寺さんには、「きゅうり」に因んだものも

あるそうですね。

 

《加藤副住職》

「ちょうど昨年から

『きゅうりの御朱印』というものを

お出しさせて頂いております。

「きゅうり加持」というと病封じという

意味合いがあるのですけれども

『きゅうりの御朱印』にも

「病封じ」と書かせていただいて

きゅうりの印を押している

夏らしい御朱印です。」

 

 

この時期、お参りに訪れた方に授与される

御朱印なのですね。

《加藤副住職》

「一応、期間限定というものになるので

「きゅうり加持」自体は7月23日で

終わってしまったのですけれども

この御朱印の方については、7月いっぱいは

お出ししております。」

その「きゅうりの御朱印」が手元にあります。

御朱印ですので「印」が押されていますが、

デザインが普通のものと一味違っていますね。

《加藤副住職》

「そうです。

『きゅうりの御朱印』である以上、

どこかに「きゅうり」がないと

いけないであろうということで、

御朱印を3つ押させて頂くのですけれども

ちょうど真ん中に来る部分の赤いハンコを

きゅうりをモチーフにして

きゅうりをクロスさせています。

私の個人的なイメージですが

クロスさせて『封じる』とし、

ちょっと変わったハンコのデザインに

なったという経緯があります。」

(写真協力:一宮寺)

クロス=交わっているので

なぜだろうと思っていましたら、

本当に病封じの願いを込めてという意味がある

「きゅうりの御朱印」ですね。

《加藤副住職》

「ちょうどきゅうり加持の

受付をしている近い時期にご参拝してくださった方に

こんな行事もあるのだと

知って頂けたらという想いから

行っています。」

 

次回も一宮寺の物語です。

 

番組は、radikoでも お聴きいただけます

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