和菓子の魅力をを未来へつなぐ 寶月堂5代目・桑田桃子さん.
丸亀城のすぐ近くにある、
御菓子司 寶月堂(ほうげつどう)をたずねました。
美しい練り切り、お饅頭、丸亀土産に最適な焼き菓子など種類が豊富!
迎えて下さったのは、5代目 桑田桃子(くわた ももこ)さん。
桑田さん、この時期のおすすめは何ですか?
「コーヒーゼリーです!深煎り焙煎コーヒー豆を自家で挽いてから作ります。 和菓子屋なので、ゼラチンではなく海藻由来の凝固剤で固めています。白玉とつぶあんを乗せ、生クリームをかけて召し上がっていただくというところにこだわりを持って作っております。」
夏の寶月堂のお楽しみは、なんといってもかき氷!
定番のいちごミルク・和三盆ミルク、抹茶ミルクなどがあり、季節限定の味も加わります。
うーん、迷いますが・・・王道のいちごミルクでお願いします!
「いちごシロップは、さぬきひめ。氷は信州から毎週取り寄せて作っております」
可愛いー!さっそくいただきまーす!
ボリュームがあるように見えますが、ふわっふわの氷なのでペロっと食べられます。
自然の甘みを生かしたシロップと、おいりのアクセントがいいですね。
クールダウンしたところでインタビュー。
寶月堂は、1917年に桑田さんの曾祖父が創業。祖母、母と世代のバトンを100年以上繋いできました。
桑田さん自身、小さい頃から和菓子屋さんになるんだと思っていましたか?
「小学校の文集には『寶月堂の社長になる』と書いていました(笑)
店先でお客様と接客をしている祖母や母親の姿がとても印象的でした。祖母にあこがれが強く、おばあちゃんみたいになりたいという思いがすごく強かったです。 日本の文学・歴史に造詣が深い人で、祖母が見ていた歌舞伎について、家で書いていた短歌について・・本当に色んなことを学びました。」
高校卒業後5年間、京都・鴨川の側にある和菓子店で修行。
「和菓子は華鳥風月を表すものなので、その華鳥風月を身近に感じられる環境だったのは、私にとってすごく役に立ったことだと思っています」
10年前、23歳の時に丸亀に戻り寶月堂に入社。
若い感性と京都で得た職人技で、新しいことに挑戦します。
「若い方に和菓子を召し上がっていただきたいと思い、季節の行事を取り入れた、クリスマスツリーやハロウィンのカボチャを作ってみたり・・。当時は年配のお客様ばかりだったので受け入れてもらえないかなと思ったのですが、買って帰ってくださったお客様のご紹介で、その方のお嬢さんが買いに来てくださったりと、大変好評でした。」
その後も新感覚の商品を次々と開発。香川本鷹を使った、日本酒と合う「辛糖」を開発し、「2016かがわ県産品コンクール」の菓子・スイーツ部門で最優秀賞を受賞しました。
コロナ禍の大変な時期には、全国の和菓子職人と知恵を絞り連携。全国のお菓子が各お店で買えると「旅する和菓子」という企画を立ち上げました。現在は年1回、新宿高島屋で対面販売の形式で継続中。
近年は全国各地の催事にも数多く参加しています。
「初めて東京のデパートに売りに行った時は本当に緊張して、売れなかったらどうしようとすごく不安だったのですが、お客様がすごく温かい方ばかりで。私が自信を持てたのは、商品について、丸亀について語れたから。お客様と楽しそうに話している祖母の姿を思い出しながら、丸亀の町のことや、丸亀の特徴を生かしてこのお菓子を作ったんですよと説明し、お客様が興味を持ってお買い求めいただけたのは非常に嬉しい時間でした。」
桑田さんのさらなる挑戦は続いています。フルーツピューレを使ったカラフルでスタイリッシュな半生菓子「果実のジオメトリー」は、雑誌FIGALOに掲載!!羽田空港第1ターミナル 2階マーケットプレイスでも販売されています。
「私たちが今こうやって毎日生活できているのは、この丸亀の町、香川の町を守ってくださった人達がいたからだと思うんです。私たちは50年後100年後にこの文化を引き継いでいく責任があります。過去の功績に感謝をしながら、今後も頑張っていきたいです」
一般向けに和菓子教室も開催しています。
詳しくはHPまたはお電話で問い合わせを。
「御菓子司 寶月堂(おかしつかさ ほうげつどう)」
営業時間:9:00~17:30、水曜日:9:00~17:00
場所:丸亀市米屋町16
TEL:0877-23-0300
Facebook:https://www.facebook.com/hougetudou.jp
Instagram:https://www.instagram.com/hougetudou_marugame/?hl=ja