7月27日/丸亀市・本島 山寺の夏祭り 柴燈護摩.
本島の山頂にある真言宗醍醐派のお寺「妙智山正覚院観音寺」
天平年間に開かれたと言われる歴史あるお寺は、しまの人から親しみを込めて「山寺」と呼ばれています。
お寺がある山頂からは、瀬戸内海・瀬戸大橋を臨む絶景が広がります。
離島の山奥にある正覚寺は、その昔、塩飽諸島の中本寺であり、ここで修行をされた僧侶が塩飽の島々のお寺へいったという歴史があります。
また、高徳な僧に朝廷から与えられる大師号を授かった香川県出身の大師「讃岐五大師」のひとり 理源大師聖宝(弘法大師空海の孫弟子になられる)がお生まれになった地と言われています。
その理源大師聖宝さんが創り上げたのが「柴燈護摩」という護摩祈祷。
正覚寺では、毎年7月の第3日曜日に「本島夏祭り柴燈護摩」として行われており、本島の夏の風物詩として毎年200人ほどが訪れます。
当日は、正覚院ご住職の三好祥徳さんのご挨拶で始まり、その後「熱湯加持」が行われました。
大釜で湯を沸かし、その湯を用いて心身を清め、無病息災などを祈願します。
ご住職がおひとりおひとりの声に真摯に耳を傾けている姿が印象的でした。
続いて今年は、岡山県倉敷市児島のジュニア和太鼓チーム「ドラムパフォーマンス己」の皆さんによる和太鼓奉納が行われ、勇壮な音色が境内に響き渡りました。
そして、午後2時。最も暑い時間帯。多くの参拝客が見つめる中、境内の中心にある護摩道場で「柴燈護摩」が始まりました。
法螺貝を吹きながら山伏の格好をされた行者の皆さんが入道されます。
そして、斧、弓、剣といった法具を使って、場を清めます。
そして、火入れ。
あっという間に炎が上がり、一帯が熱気に包まれます。
ヒノキなどの葉を燃やし、その炎で願い事を叶える、清める、悪いものを焼き尽くす。
例年は願い事を書いた護摩木はお預かりし、行者の皆さんが投じてくださっていましたが、今年はご住職の案で参拝客自身で投げ入れてもらうことにしたそう。
私も安全を確保した場所から護摩木を投じました。熱を肌で感じながら投じることで一層、祈りに力が入りました。
護摩壇の炎を見つめ、この場にいる全員が心ひとつに祈り続けます。
護摩木を全て投じた後は、火渡りです。
まだ火が燻る灰の上を行者の皆さんが裸足で歩き、参拝客からは歓声が上がりました。
この後、灰を歩きやすいように慣らしてくださり、我々、参拝客が歩きます。
しっかり整えてくださっているとはいえ、つい先程まで燃えていた場所を裸足で歩くことにためらいましたが、護摩道場に足を踏み入れる直前に、ご住職が「目の前のお不動さんに向かって、一心に願いながら歩けば大丈夫!」と背中を押してくださり、勇気を出して一歩踏み出すことができました。すると熱さを感じることなく、渡り終えた後は達成感からか不思議と心がスッキリしました。
この日も最高気温が35℃近くになる猛暑でしたが、山寺では時折心地よい風がスーッと吹き抜けていきます。
毎年、多くの方が火渡り、荒修行がしたいと訪れる正覚寺。
ご住職は、「世間から離れて雑事を忘れ自分と向き合うことができる。この雰囲気を後世に残していくことが我々の使命だと思います。」と仰っていました。
港まで参拝客の皆さんをお見送りに来られた副住職の祥晃さんと妻 真季世さんご夫妻。
準備から当日まで本当にお疲れ様でした!
「柴燈護摩」に参加したことから、正覚院に足を運んでくださる方も多いのだとか。
歴史ある山寺で過ごす時間から得られるものがたくさんあります。
今年秋には瀬戸内国際芸術祭2025が開催される本島にお越しの際は、正覚院にも足を運んでみてください。
正覚院ホームぺージ こちら
☆本島へのアクセス情報☆
丸亀港から本島汽船のフェリーもしくは旅客船にて、約20分から35分。
時刻表など詳しくは 本島汽船のホームページ をご覧ください。
丸亀市では毎月20日を「航路運賃無料デー」とし、丸亀港・児島港〜市内5つの離島を結ぶ3つの航路で旅客運賃が無料に。本島・広島の各港には、地元に縁のあるお土産が販売されています。
今年も「本島・広島に泊まって日本遺産をめぐろう!キャンペーン」が開催されています。
期間は、7月19日(土)チェックイン~10月2日(木)チェックアウト分まで
詳細は まるがめ せとうち 島旅ノート をご覧ください。
この番組は一週間の間、 radiko でもお聞きいただけます。
また、AuDee では、過去の放送をアーカイブしています。
あなたの島旅のお供に。。。