2月1日/坂出市・岩黒島 かつての島の産業を訪ねて.

坂出市島嶼部の歴史や文化の調査研究を行っている坂出市役所 与島出張所の所長 濱本敏弘さんに案内していただきました。

櫃石島出身の濱本さんですが、母方にお隣の岩黒島出身の方が居たことから幼い頃から親しみのある島だったそう。

20 年程前から島の歴史に関心を寄せるようになり、調べたものをまとめ、岩黒小中学校(2023年度末に廃校)の文化祭で島民の皆さんに見てもらい、当時の話を伺ったりしながら冊子「岩黒島の瓦」を2020年に編さんされました。

 

坂出港の北およそ13km、瀬戸大橋の橋脚が立つ、標高29m、周囲1.4kmと小さな岩黒島。

江戸時代中期の寛政9年(1797年)に佐柳島(多度津町)から7軒が移住、開墾したことで有人島となりました。

漁業が盛んな岩黒島ですが、江戸時代後期から昭和初期にかけて瓦の生産が盛んだったそう。

 

まずは、島の北側にある黒浜海岸に行ってみました。砂浜が少し黒いような。。。

黒い大きな岩(閃緑岩)がゴロゴロ転がっています。この岩が長い時間をかけて風化してできた粘土を使って瓦が作られていました。こういった景色が見られるのは島内でも北側だけ。また、塩飽諸島でも岩黒島だけと言われています。長い地球の歴史を体感できる貴重な場所ですね。一説には、この黒い岩が島名の由来になったと言われています。

 

瓦焼きの窯は7つあったそうですが現在は全て無くなっており、島で作られた瓦が残っているところも少なくなっています。

旧岩黒小中学校のお隣にある「大天狗神社」では、当時の瓦を見ることができます。

濱本さん「佐柳島から移住してきた方々が、まずはお宮さんが欲しい。ということで、こちらに分社された神社です。島の皆さんは大天(だいてん)さんとお呼びしています。」

 

濱本さん「大天狗神社にある瓦や祠には、鬼師(瓦職人)の名前が刻まれており、腕を競い合っていたのではないかと思われます。」

 

こちらの狛犬は粘土で作られた瓦製なんです!

凛々しさと愛らしさが共存するお顔です。どことなく沖縄のシーサーっぽさもある?

 

そして、こちらの狛犬さんの足に紐を結んでお祈りをすると無くしたものが見つかるというご利益があるそう。

濱本さん「私も島々を調査している時にカメラを無くしてしまい、どこを探しても無くて、こちらにお願いに来たら次の日に出てきたということがあるんです。効果てきめんです!!」

新しい紐から古い紐までたくさん結ばれています。島の皆さんの信心深さが垣間見られます。

 

港の方へ行ってみましょう。こちらにも黒い岩がゴロゴロ。東の方を見ると細長い島が見えます。

濱本さん「室木島ですね。無人島ですが昔は岩黒島の属島でもあったので、燃料となる木を取りに行っていたそうです。瓦を焼くのにも必要ですし、当時はご飯を炊くのにも、お風呂に入るのにも木は必須でしたから。また、瓦作りには水が欠かせませんが、この島は小さいながら水は豊富だったようで、昭和48年の高松砂漠の時にも水は枯れなかったそうです。」

 

濱本さん「この道は瀬戸大橋が建設される時に埋め立てて作られたもの。ここに見えるのは昔の堤防です。」

ゆっくり歩いて見ることで、いろんなことに気づけますね。

 

島の氏神様である「初田神社」の鳥居とループ橋(島民の皆さんはこちらを車で降りてきます。島民以外は路線バスでのみ入島できます。)参道にはたくさんの桜が植えられている島のお花見スポット。

 

初田神社の境内に行ってみると。。。

 

こちらにも居ました!粘土で作られた立派な瓦製の狛犬さん。紐は結ばれておりません(無くしもののお願いは大天さんへ)

 

ループ橋の真下にやってきました。うっすら見えるのは「クマゼミ」の壁画。

瀬戸大橋線マリンライナーの車窓からも見える「旧岩黒小中学校体育館の巨大クマゼミ壁画」の元になった壁画です。

(当時の校長先生の手記を 香川県PTA連絡協議会のホームページ でご覧いただけます)

こちらは島に入らないと見ることができないレアな壁画です!!

 

約10メートル、幅約16メートルの体育館の壁一面に描かれているクマゼミ。

間近で見ると迫力満点!

 

無人島だった島を開墾中に土の中から出てきた「十一面観音座像」をお祀りしている「観音堂」。

島民からの信仰が厚く、ケガや病気の時はみんなで回復をお祈りするそう。

また、この観音様は県内でも珍しい懸け仏で坂出市の文化財に指定されています。

 

濱本さんが編さんされた「岩黒島の瓦」「坂出市の島しょ部の歴史と民俗」「塩飽・櫃石島の歴史と民俗」は、香川県立図書館、坂出市立大橋図書館、丸亀市立図書館に所蔵されています。

今回、私は冊子を読んでから島を訪れましたが、少し知識があると、島を訪れた際に見る目が変わってくると感じました。

濱本さん「そうですね。そして、また読み返して疑問が湧いてきたら、再度訪れて確かめる。その繰り返しです(笑)基本的に調査は1人でしていますが、たまに島を案内していると同じように興味を持ってくれる人に出会えて嬉しかったりします。子孫のために島を残そうとした昔の人々の足跡をなんらかの形にして次世代へと伝えていくことをこれからも続けていきたいと思います。」

 

☆岩黒島へのアクセス☆

岩黒島へは島民以外は自家用車で乗り入れることは出来ません。香川県側はJR坂出駅前から、岡山県側はJR児島駅から路線バスが出ています。

琴参バスの瀬戸大橋線で坂出駅前停留所から岩黒島停留所まで約40分。瀬戸大橋の下をくぐるトンネルを通ってエレベーターで地上に降り立ちます。このエレベーターはガラス張りになっていて、ループ状の道路と眼下の民家が見渡せます!

船で渡る離島とは異なる、岩黒島ならではの体験、ぜひお楽しみください。

時刻表など詳しくは 琴参バスのホームページ をご覧ください。

 

なお島内に商店はありませんので、食べ物・飲み物は必ずご持参ください。

 

この番組は一週間の間、 radiko でもお聞きいただけます。

また、AuDee では、過去の放送をアーカイブしています。

あなたの島旅のお供に。。。

 

香川しまびより

今日も、香川は “しまびより”

穏やかに晴れた日曜日の朝は、瀬戸内海にぽっかり浮かんだ香川の島に出かけたくなる、絶好の“しまびより”。

寄せては返す瀬戸のさざ波に誘われて3人のパーソナリティが、香川の島々に暮らす人たちに会いに行きます。

そこに代々暮らし続けている人、戻ってきた人、または、新たに暮らし始めた人。

今、島に暮らしているいろいろな人たちのお話しを通じて、そこに脈々と流れる歴史や独自の文化、そして今でも続く風習など、私たちが知っているようで知らない、島々の魅力をお伝えします。

放送時間
毎週日曜日9:00~9:15
毎週木曜日12:30~12:45(再放送)
パーソナリティ
市川智子、柏原砂里、岡加依子

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