麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:麺通団では2006年と2012年に、うどん屋を数百軒以上食べ歩いた強者50人による「私の好きなうどん店」のランキングを発表してきました。

ごん:「数百軒以上」というのが実に曖昧ですけど。

団長:まあ、300軒とか500軒とか、閉めた店も含めたら1000軒以上食べ歩いた強者たちも含めて、麺通団ならではの人脈で集めた50人。その50人がそれぞれ自分の好きなうどん屋を50軒ずつ、順番を付けて選んで、1位に50点、2位に49点、3位に48点…と店数を付けて全部集計して、総合ランキングを作りました。

H谷:あれはすごいランキングでしたね。

団長:で、そのランキングはいずれも『インタレスト』に掲載したんやけど、『うどラヂ』でも発表しました。

ごん:いちいち脇道に逸れながら、なかなか発表が進みませんでしたけどね(笑)。

団長:というわけで、その発表の回を全部テキスト化しよったら半年ぐらい行きそうなので(笑)、とりあえず2006年に発表したランキングの上位を発表した回を紹介しておきましょう。

H谷:かなり古いですから閉めた店も出てくると思いますけど、「讃岐うどん巡りブーム」真っ只中のランキングということで、懐かしみながら見ていただければと思います。

2006年・強者50人が選んだ「私の好きな店ランキング」15位~11位

団長:強者50人による「私の好きなうどん店」、今回は15位から。

H谷:県下700~800軒のうどん屋の中の15位ですから、もうこのあたりになると「トップクラス」と言っても過言ではありません。

団長:15位は、丸亀の「中村」、「やお」の方です。

ごん:「やおの方」と言っても、店名は全く「やお」じゃありませんけどね(笑)。

団長:しかしもは、やマニアの間では「やお」で通じるようになってしまった。

ごん:あなたのせいです。

団長:もとはA藤やぞ。ある日、俺とA藤と、2人が頭の上がらないT村さんという偉い方と3人でうどん食いに行こうという話になった時、A藤が「ええ店があるんですよ」言うて、丸亀の「中村」を勧めてきたんや。それでA藤が車を運転して「中村」に着いて看板を見て、「あれ? 違うわ。ここ、『やお』って書いてあるわ」って言うたんや。

ごん:漢字の「中村」を崩して書いてたのが、ひらがなの「やお」に見えたんですね(笑)。

団長:そう。「中」を崩したのが「や」に見えて、「村」を崩したのが「お」に見えたらしい。そこで、あの辺に「中村」は飯山とこっちの土器町の2つあったから、土器の中村の方を「やお」と呼ぶことにした。

ごん:誰が?

団長:私が(笑)。

H谷:とりあえず、「やお」は飯山の「なかむら」のあの“軟体腰”を都会風に洗練した感じの珠玉の麺が出てきますので、ぜひ行ってみてください。

団長:続きまして第14位は、坂出の「日の出製麺所」です。これはまだ私、行ったことがないんですけど、マニアの間では人気急上昇中。

H谷:順位見た時、「うわ、日の出が来た!」と思いましたね。「さすが強者50人、見逃がさんなあ」と。ただし、営業時間が11時半から12時半までの1時間しかありませんから、巡礼の中でもかなり難関の店です。あと、製麺所やけど、食べるところは一般店スタイルです。

団長:え?

H谷:まず、中に入って座ってうどんを注文したら、出来上がりのうどんを持ってきてくれます。ダシと薬味はテーブルの上にあるからそれだけ自分でやって、食べ終わったら食器は置いたままで、お金を払って帰る。片付けんでええんです。

団長:ほな、善通寺の白川と同じか。

H谷:白川はセルフで片付けて帰らないと行けません。こないだ、団長が片付けないかんのに片付けんと帰っただけです。

団長:すんません、うっかりそのまま帰っちゃった(笑)。続いて第13位は、綾南の「田村」です。田村の大将は、ワタクシが「神の手」と、ちょっと大げさに呼ばせていただいております。あのうどんの粉の触り方、いじり方いうのは、ちょっとほんまに天才というより「神が降りてきとる」と思とんや。

H谷:間違いないですね。

団長:「さぬきの夢2000」が出始めた時、あちこちの大将が「グルテンが足りんけん、うどんがブツブツ切れるが」いうて苦労しよったのに、テレビのロケで行った時、田村の大将が「さぬきの夢2000」で打ったら抜群のうどんができて、俺はひっくり返った。

ごん:ひっくり返ってはないですけどね(笑)。

団長:ところが、天ぷらがなくなるのが早いんよな。

H谷:早いです早いです。

団長:昼過ぎに行ったらもううどん玉と醤油しかない時がよくある。

H谷:かけダシもなくなりますからね。

田尾:そやから、田村は初心者の人が行ったらちょっと「もの足りない」と感じるかもしれんけど、長年讃岐うどんを食べ続けていたら、あの凄さがわかってくる。

H谷:確かに。あそこはある意味、“通”のバロメーターですね。

田尾:続きまして、第12位は、坂出の「彦江」です。

H谷:ファン多いですねえ、ここも。かつては車で行くのはかなり困難だったんですけど、田んぼを潰した駐車場ができてずいぶん行きやすくなりました。

団長:そして今日の紹介の最後は11位、高松市の「はりや」です。私は以前から東の「はりや」と西の「おか泉」が一般店の最高峰だと公言しておりますが(笑)、まず「はりや」がここにランクされました。

H谷:いろんなうどん屋の大将に「自分とこ以外で好きな店どこ?」って聞いたら、「はりや」が結構出てくるんですよ。「はりやさん、おいしいなあ」って、同業にもかなり支持されてる店です。

ごん:それはすごいですね。

団長:ちなみに、「はりや」の麺って、ちょっと“女”が入っとんだ。けど、「おか泉」の麺は全部“男”やと思うねん。

ごん:は? いや、ちょっとどうかなあ。団長のコメントとしてはちょっと今、納得度合いが…そうかもしれんけどどうかなあみたいな。H谷川君、どう?

H谷:いやいや、ええとこまで行ってますよ(笑)。

ごん:あっはっは! 上からのコメントや(笑)。

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