麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:皆さんご存じのように、「新・麺通団の心得」の中に「讃岐うどん巡りの合間にレジャースポットを挟もう」というのがあるんやけど。

ごん:初めて聞きましたけど。

団長:私も初めて言いました。

H谷:けど確かごんさん、「ワクワクレジャーガイド」の担当でしたよね。

ごん:初めて聞きましたけど。

H谷:どこが初めてですか! 「一つもレジャースポット情報を持って来ん!」いうて何回も責められてますやん!

団長:というごんの不始末にもめげず、麺通団の教えを守ってレジャースポットを挟んで行動されているリスナーの方々も結構いらっしゃるようで、何よりです。

うどん巡りのお立ち寄りスポット

団長ごんさんH谷川さんこんにちは。横浜市の「ちゃーすけ」と申します。香川にはたぶん20回ぐらい来てるのにうどん屋と野池巡りがメインで(夫が釣りをするからです)あまり観光はしていませんが、以前番組でうどん巡りの途中のお立ち寄りスポットの話が出ていましたので、これまで行った中から私がお勧めのレジャースポットをいくつか紹介したいと思います。まずは、観音寺の銭形。

ごん:まあまあね、あれは一度は見ておいた方が。

団長:あれはしょぼいと言う人もおるけど、「巨大な砂絵」いうのは全国にないんやから、素材としてはなかなか差別化されとる。

ごん:確かに。毎年ちゃんと整備もされてますしね。

団長:地元の人たちが毎年「砂ざらえ」して、砂絵の文字をくっきりはっきりさせてね。しかも、野ざらしやのにイタズラする者もいない。このご時世、バカ者ユーチューバーが夜中に勝手に入って「寛永通宝」の「永」を「氷」にしてもおかしくないというのに。

H谷:ダメですよ!これ聞いて、やるやつが出てきたらどうするんですか!

団長:よい子は聞いてもやらない。やったらやったやつの責任じゃ。

ごん:おっしゃる通りです。

団長:ちなみに、銭形の砂絵は直径が100メートル近くある「寛永通宝」と書かれた巨大な砂絵で、一説には「江戸時代に讃岐の国主の生駒高俊が来るのを歓迎するために地元民が一夜にして作り上げた」とか言われていましたが、生駒高俊が来た年にはまだ「寛永通宝」ができてなかったという事実が判明したため、この伝承は怪しいということで「最初は違う図柄だったのを後で寛永通宝に変えた」とか「幕末に丸亀藩主の京極さまをもてなすために当地の奉行が作らせた」とか、諸説出てきているらしい。

ごん:結局「よくわからん」ということですね。

団長:ところがその後、香川のタウン誌の編集長をされていた方が、ある新説を発表しました。

ごん:あなたですね(笑)。何でしょう。

団長:あれは、円盤の着陸跡である。

ごん:はあ?

団長:直径100メートルの円盤がやって来て、ご当地を観光して帰って行った跡や。

ごん:じゃあ、何で着陸跡が「寛永通宝」になっとんですか。

団長:あれはお前、駐車料金やんか。

ごん:あっはっはっは!あれ、円盤が払っていった駐車料金なんですか!しかもあんなでっかい寛永通宝!

団長:そらそうや。あいつら巨大な駐車スペース使とんやからメーターも大金になっとるがな。

ごん:知らなんだー(笑)。いや、さすが団長です。どうよH谷川君。

H谷:どう話に乗っていったらいいんですか?

団長:乗らんでもええ。ちなみに、お便りは「あれを見たらお金に不自由しなくなるという言い伝えがありますが…」と続いていますが、私の周りに何回も銭形を見とんのにお金に不自由してるやつがおりますので、真に受けないように(笑)。ではお便りを続けましょう。

2つ目、丸亀城。お城マニアには人気の石垣があります。日本で2番目に低い観覧車はもうないんでしたっけ。

H谷:ないですねえ。昔は公園の所に小さい観覧車があったんですけどね。

団長:石垣は、エッジの立った斜めにシューッと上がっていってグーッと反って「忍者も上がれへんぞ」みたいな「扇の勾配」と言われる一角が有名やけど、何回も言っているように、丸亀城の石垣は正面から引いて見た全景の石垣の見事な重なりが私の一押しです。

続きまして大窪寺。四国八十八カ所の88番目の結願所です。

団長:四国霊場八十八カ所のお寺には空海の銅像や石像が何体も立ってるんやけど、顔が全部違うんよ。

ごん:昔、『インタレスト』で特集してましたよね。

団長:その中で大窪寺のでっかい空海像は、私が思うに、一番ふくよかで幸せな顔をしている。

ごん:ほうほう。

団長:あと、空海像で言うと、ちっちゃい空海像の下に自分の名前を書いて置いてくる場所があって、そこにズラーッとものすごい数の空海像が並んでる。

ごん:絵馬を奉納するみたいな?

団長:そうそう。それからもう一体、皆さんがよく見落とすんやけど、石段を上がってすぐ右に「稚児大師」がおるんだ。

ごん:え?

団長:空海が子供の頃の「稚児大師」と呼ばれる肖像画が残っててね、それを銅像か石像にしたのを置いているお寺が、メチャメチャ少ないけどいくつかあるんや。元の肖像画は、何か女の子みたいなおかっぱ頭をした「麗子像」みたいな顔なんやけど。

ごん:あー、わかります(笑)。「おかっぱ」言うたら「麗子像」か「金太郎」ですよね。

団長:あ、金太郎もおったか(笑)。ほんでね、大窪寺の稚児大師は元の肖像画をちょっとデフォルメしてあって、何か近代的な稚児大師なんよ。

ごん:ごめんなさい、「近代的な稚児大師」いうのが想像できんのですけど(笑)。

団長:現代アートというか、何というか…

ごん:アバンギャルドな感じ?

団長:いや、アバンギャルドじゃない。

ごん:じゃ、サイケデリックな感じ?

団長:いや、サイケというより…ビリケンさんみたいな。

ごん:えー!(笑)

団長:とにかくあれは「稚児大師界の革命児」と言っても過言ではないような作品やから、ぜひご確認いただきたいと思います。あと、さっき言うたように四国霊場八十八カ所のお寺に立ってる空海像の顔は全部違うんやけど、その中に2体、空海ではなくてどっかのおじさんみたいな顔をした空海像があります。

ごん:よくそんなものに気がつきましたね。

団長:だって、八十八カ所全部回って、境内に立っとる空海像の顔を全部チェックしたもん。そしたら、どう見ても「空海でないやろ」いう顔の像が2つあったから、知り合いの某お寺の住職さんに写真を見せて聞いたんや。するとその人が、「こっちはわからんけど、こっちはこのお寺の住職の顔や」って。

ごん:あっはっは!自分の顔を空海像にしてるんですか!

団長:という楽しみもあるので、うどん屋巡りの途中にお寺に行く人はぜひ、空海像をご覧下さい(笑)。

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