麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:ネットの中に讃岐うどんの情報があふれていますねえ。

ごん:どしたんですか、そんな三流の解説者みたいなコメント(笑)。

団長:すいません、入り方の整理が付かんまましゃべり出しました(笑)。ほんでね、そのあふれてる讃岐うどんのウンチクや“トンデモネタ”みたいなんの中に変なのがあったら、熱心なリスナーが「こんなんありましたよ」って番組に送ってくるわけだ。

ごん:時々来ますね。それを団長が一刀両断、ばっさりと斬っていくと。

団長:おれは温厚やから「ばっさりと」は斬らんがな。ゆるゆると、のらりくらりと(笑)。

H谷:斬られる方にとってはそっちの方が痛かったりしますけどね(笑)。

讃岐うどん珍百景まとめ

団長:オープニングお便りのコーナー!

ごん:えーい!

麺通団のみなさん、香川を離れて5年の「たれ」です。このようなものを見つけてしまいました。もう苦笑いするしかありませんでした。

団長:という書き出しで、これは何だ、ネットに出とんかな?「うどんのことしか考えてない香川県のすごすぎる活動まとめ」って。

ごん:まあ誰かがそんなものをまとめとんでしょうね。

団長:それを列挙してきてるので、読むよ。1つ目、「奇抜なうどん商品を展開している」という見出しと写真が付いて、「かき氷うどん」。この写真はどこや、鶴丸か。

H谷:器は鶴丸ですね。

団長:それで、ダシをシャーベット状にしてあるんか。

ごん:これはどっかでもやってましたよね。

団長:昔、創作うどんコンテストの審査員をやった時にも「シャーベットダシ」が出てた。「冷たいうどん」を突き詰めていったら一度は思いつくメニューなんやろな。確かにこれは「奇抜なうどん商品」ではあるけど、意外と食えるんぞ。

ごん:滝宮のうどん会館の「うどんアイス」の一番上の分よりははるかに(笑)。

団長:えー、2つ目に「讃岐うどんアイス」って書いてます。

H谷:ははははは(笑)。

団長:「讃岐うどんアイス」は3段階あって、一番下の、ま、何が下かわからんけど一番下の普通のやつはほぼバニラやけど、次の「純こってり」と一番上の「超こってり」は、なかなかのことになっとる(笑)。

ごん:まあアイスとかソフトは特産に絡めやすいメニューですからね。

団長:全国いろんな所に必ずと言っていいほどあるからね。イチゴが有名なところは「イチゴアイス」とか、メロンが有名なところは「メロンアイス」とか。小豆島には「オリーブアイス」があるし、ひまわりで売り出してるまんのう町には「ひまわりアイス」もあるし。

ごん:小豆島には「醤油ソフト」もありますしね。

団長:けど、丸亀はうちわが特産やけど「うちわソフト」はないな。

H谷:うちわが食べ物じゃないからですよ。

団長:けど、何かこじつけたらできるんちゃうか?高松で「漆ソフト」とか。

ごん:かぶれるっちゅうねん!

団長:続いて、「釜玉ソフト」が挙げられています。ソフトクリームをうどんの細さぐらいに出して、にゅるにゅるっと盛り上げてある。

ごん:麺のように見えるんですね。

団長:そこにネギをまぶしてあるという。ほんで茶色いモノがかかってあるけど、あれは何や。

H谷:釜玉だったら当然醤油系の何かでしょうけど。

団長:それはかなり衝撃の味がするんちゃうか?

ごん:というか、我々、誰も食べてないんですか(笑)。

団長:続いて、「さぬきうどんバーガー」。

ごん:それは何が讃岐うどんなんですか?

団長:ハンバーガーの中身が焼きうどんみたいなことになっとる。

ごん:ライスバーガーみたいに「バンズの代わりにうどん」じゃなくて、中にうどんが入ってるんですね。

団長:これはね、確か穴吹エンタープライズがコンテストで採用して津田の松原SAで売り出したと思う。続いて「うどんクッキー」。

ごん:何ですか?うどんもクッキーも小麦粉ということで作ったんですか?まあ薄力粉と中力粉とか違いはありますけど。

団長:小麦粉軍団でコラボしたんか。続いて「うどんかりんとう」。

ごん:まあこれはあちこちで作ってますね。

H谷:「長楽」とか「やす坊」とか。

団長:割とうまいよ。次、「讃岐うどん風ドロップス」。

ごん:それはどうなの(笑)。

団長:写真を見ると、サクマのドロップスみたいなカンカンの中に飴みたいなのが入ってる。しかし、カンカンに大きくうどん玉の写真が入ってるぞ。

ごん:それ、“出オチ”みたいな商品じゃないですか?

団長:ただのツカミだけみたいな企画か。

ごん:旅先で“ウケ狙い”だけの商品をお土産で買って帰るやつが少なからずいますんで、そういうユーザーを狙ったんじゃないですかね。香川県に来て「讃岐うどん風ドロップス? 何じゃそりゃー」みたいなのを見つけて、お土産で誰かに渡した時のリアクションだけのために買って帰るというね。

団長:これ、表示をよく見たら製造は香川県のメーカーじゃないぞ。

H谷:それはダメですね。そんなのを香川のせいにされてもね。

団長:次、「萌えうどん」。あ、すみません、これワタクシ、ニュースでコメントを求められて一言言ってきました。ある日、KSBの多賀さんから電話がかかってきて、「田尾さん、また取材に行っていいですかー?」って言うから「何ですか?」って聞いたら、「『萌えうどん』っていうのが出たんですけど、コメントして欲しい」って。

H谷:はははは(笑)。

ごん:何て言うたんですか?

団長:ま、「いろんなことにチャレンジするのはいいことで」って。

ごん:逃げてますやん!

団長:けどちゃんと「当たるか外れるかはお客さん次第です」って締めたぞ。

H谷:そこは一応クギを刺しておいてね。

団長:「被災地支援にうどん」。これは香川県から被災地に炊き出しに行ったという話やけど、別にトンデモな話ではないぞ。

ごん:まあ、うどんの炊き出しは現地で水をたくさん使うんで、「どうかな?」とも思いますけど。

団長:「長期保存できる防災うどん」。

ごん:LL(ロングライフ)麺でしょう。柔らかい麺で何ヶ月か長持ちするやつ。

団長:LL麺か。あ、「宮武讃岐製麺所」って書いてある。LL麺や。「ごんぶと」と同じやね。LL麺なら昔からあるよ。

ごん:これも「うどんのことしか考えてない香川県のすごすぎる活動」と言われてもね。

団長:続いて、「うどんからバイオ燃料製造」。「うどんの残飯を燃料にしよう」という活動が確かにニュースになりました。ただし、これはどう頑張っても原発の代替エネルギーにはたぶんなりません(笑)。

ごん:確かに。

団長:作ったうどんを誰も食べずに全部燃料にしても、おそらく四国の電力は賄えません。

ごん:作ったうどんは、まずは食べましょうよ(笑)。

団長:映画『UDON』。

ごん:これはまあね、「うどんが映画にもなりました」と。

団長:続いて、うどんがアートにもなったらしい。「うどんドレス」。これもニュースで見たぞ。「うどんアート」とか言うてどっかの商店街で飾ってたと思う。写真を見ると、うどんの麺線を編んだり造形したりしてドレスに仕立てて、それをマネキンに着せて立ててあるようですが、いかがですか、ごんさん。

ごん:えー、ノーコメントで(笑)。

団長:何か色がちょっと茶色がかってる気がするんやけど。

H谷:時間が経って変色してきてるんじゃないですかね。

ごん:ここはぜひ、団長のコメントが欲しいですね。

H谷:さっきの「萌えうどん」のコメントみたいに逃げずに、真っ向から斬って欲しいですね。

団長:しょうがないな。じゃあ一言だけ。

ごん:お願いします。

団長:「何でもアート言うたらええんちゃうぞ」。

ごん:あっはっはっは! 頂きました!H谷川君、団長の金言、頂きましたよ!

H谷:ええええ。ありがたいっす。

団長:うそですよ。圧力がかかって心にもないことを言わされただけですからね(笑)。

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