編集 田尾 和俊
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団長:前回の「うどんのことしか考えてない香川県のすごすぎる活動まとめ」の中に、「ことでんのマスコットキャラクターの『ことちゃん』がうどんをすすっているイラストにある“ぞぞー”という擬音が物議を醸している」というネタがあったのですが、この「うどんをすする音」について番組の中でどうでもいい話が展開されましたので、今回はその続きです。
うどんをすする音
団長:琴電の路線図に、琴電のマスコットキャラクター「ことちゃん」がうどんを「ぞぞーっ」とすすっている絵があるんやけど、このうどんをすする音については、ちょっと私には一家言がございます。
ごん:何でしょう。
団長:10年ぐらい前の話やけど、讃岐うどん巡りブームがピークに達した頃の2001年に、『小説現代』という分厚い月刊誌の連載コーナーで俺と椎名誠大先生と東海林さだお大先生の3人で対談したことがあるんや。
ごん:何でそんなところに団長が入ってるんですか。
団長:『小説現代』に「椎名誠と東海林さだおの太っ腹対談」という連載コーナーがあって、お二人が毎回ゲストを読んで対談するんやけど、あのお二人の対談やからたいてい食べ物とか遊び物とかなんかそういうテーマでやっててね。
ごん:いい感じの連載ですね。
団長:それで、その頃ちょうど讃岐うどん巡りブームが真っ盛りということで、どこかから辿って俺のところに来たんだと思うんだ。
ごん:きっとそうでしょうね。
団長:ほんで東京のどこかの料亭の離れみたいなところで「讃岐うどん」をテーマに2時間ぐらい対談というか座談をして来たんやけど、グルメの巨匠方とはいえ、やっぱり讃岐うどんの何たるかについて、根本的には理解されてないところがあるんだ。
ごん:まあそうでしょうねえ。
団長:あの料理マンガの『美味しんぼ』でさえ、ブームの頃には讃岐うどんを数回取り上げられたけど、やっぱり讃岐うどんに関しては「いやいや、そうではないんやけど」みたいなところが時々あったんよな。
ごん:確かに、団長ほどマニアックな理解はされてないでしょうね(笑)。
団長:そやから、ここできちんと正してやらないかんと思って。
ごん:椎名誠さんと東海林さだおさんに対して、上から目線(笑)。
団長:讃岐うどんに関しては俺の方が上やないか。
H谷:そらそうです。
団長:ほんでね、話の中でうどんをすする音をお二人が「ツルツル」って言うから、「“ツルツル”というのは、讃岐人が普通にうどんを食べる時の口の形と違う」と正したわけだ。
ごん:はあ?
団長:「ツルツル」いうのは口をすぼめて麺を吸い込む時に出る音で、普通にうどんをすすり込んだら麺とダシと幾ばくかの空気が一緒に口の中に入ってくるから、「ズルズル」とか「ズーッ、ズーッ」とかいう音になる。
ごん:あー、なるほど。そう言われればそうです。
団長:さらに、口をすぼめて空気が入らんように吸い込んでも、麺の形状によっては「ツルツル」という音にはならないうどんがある。例えば、「柳川」の麺みたいに表面にざらつき感があると、口をすぼめて吸い込んでも音は「ツルツル」ではない。
H谷:わかりますわかります。
団長:あるいは、「山内」の麺みたいにねじれ、ちぢれ感があっても、「ツルツル」にはならない。
H谷:そう言われると、「なかむら」も「山越」も「おか泉」も「ツルツル」ではないですね。
団長:あえて言えば、レジェンド組では「がもう」と「谷川米穀店」の麺が口をすぼめて吸い込んだら「ツルツル」かもしれんけど、とにかくうどんをすすり込む音が「ツルツル」ではない店が非常に多いということを、私は対談で強調したわけです。何なら、「うどんをすすり込む音だけ聞いてどこのうどん屋かを当てるクイズ」にしてもええぐらいだと。
H谷:うわー、メチャメチャ難問や!
団長:難問やけど、例えば麺の形状が違ううどん店3軒の名前を出して3択にしたら、たぶんわかるぞ。
H谷:3択なら行けるかもしれませんね。
団長:ほんでね、「讃岐うどんの麺は店によって形状も違うし、弾力も伸びも柔らかも違っていて、とにかくいろんなバリエーションがある。そのバリエーションこそが『讃岐うどんテーマパーク』の魅力であるから、麺をすする音を“ツルツル”一つで表現するようでは、讃岐うどんの心を外していると言わざるを得ない」と。
ごん:そんなこと言うたんですか!巨匠の前で。
団長:お二人ともさすが聞き上手やから、話の流れでついつい乗せられて(笑)。
ごん:で、お二人の反応は?
団長:「讃岐うどんに対するものすごい熱意が伝わってきた」と。
ごん:ほう。
団長:ただし。
ごん:ただし?
団長:「率直に言って、どうかしてるとしか思えない(笑)」って。
ごん:あっはっはっは!
団長:とまあそういうわけで、私はことちゃんの「ぞぞー」を高く評価するものであります。ネットの中で「“ぞぞー”が物議を醸している」とあったそうですが、これに物議を醸すようでは、まだ讃岐うどんの本質に触れてないと言わざるを得ません。
ごん:ま、本質に触れなくてもおいしいうどんは食べられますので、よい子の皆さんはいらんこと考えんと楽しくうどん屋巡りしてくださいね(笑)。
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