編集 田尾 和俊
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団長:こないだ。
ごん:はいこないだ。
団長:『うどラヂ』のディレクターのK米君にテキスト版の原稿を送ったら、「ランキングの発表、テキスト版でも引っ張るんですね」ってメールが帰って来た。
H谷:でも、本放送で10回引っ張ってるのを1回のテキスト版にしたらめちゃめちゃ長くなりますから仕方ないですよね。
ごん:しかもこのご時世、ただでさえ若いお子たちが「短文のやり取り」に明け暮れて、長文を読まなくなってますから。
団長:あいつら、5文字ぐらい読んだら一服しよるからな。
ごん:どんな若い子ですか。
団長:その計算で行くと、5000字も書いたら若いお子たちは全部読むのに“千服”ぐらいせないかんので、しかし「要約テキスト版」としてはあんまり引っ張るのも何なので、考えました。今回はランキング放送の2回分をまとめておきます。
ごん:太っ腹!
2006年・強者50人が選んだ「私の好きな店ランキング」7位~4位
団長:では、第7位の発表です。第7位は、綾川町の「松岡」です。松岡も合併して町名が変わりましたが、去年の3月までは「綾南町の松岡」でした。
H谷:やっぱりそっちの方がしっくりきますね。
団長:これで「宮武ファミリー」は9位の「山内」と7位の「松岡」と、「あたりや」が23位で、ファミリーがズラリと上位に入りました。あとは“本家”の「宮武」が残っていますが、
H谷:たぶんもっと上ですね。
団長:間違いないと思います。では、「松岡」の最新情報をH谷川君から。
H谷:松岡は「讃岐うどん界の“いぶし銀”」とか言われてますよね。まあ、最初に言い始めたのは団長ですけど、でも僕、その「いぶし銀」というのが何なのか知らんのですよ。
団長:H谷川君もまだまだやな。「いぶし銀」を知らんようでは、昭和の名関脇の「鶴ヶ嶺」は語れんぞ。
H谷:たぶん一生語ることはないと思いますけど。
ごん:「いぶし銀」は一言で言うと、「いぶした銀」ですね。「燻(いぶ)す」いうのは「燻製」の「燻」ですけど、要するに、銀の光沢をなくすみたいなことですか。
松本:今ね、僕、かばんの中に「いぶし銀」って塗料が入ってるんですよ。
団長:えーっ! 何でそんなものを持ち歩いとんや。
松本:いや、プラモデルに塗る塗料を買いに行ってたんで(笑)。
団長:「いぶし銀」いう色があるんか。なるほど、というわけでH谷川君、それが「いぶし銀」や。
H谷:何かボヤッとわかりましたけど、で、何でそれが「松岡」なんですか?
団長:よう言うやんか。「いぶし銀のような選手」とか。ピカピカ光って注目を集めるような選手ではないけど、渋い活躍をする選手。すなわち、目に見える派手な光沢はないけど、中味はちゃんと「銀」、みたいな。
松本:野球で言うたらバントの川相とかね。
団長:プロレスで言うたら吉村道明。
松本:ああ、「ローリング・スクラッチホールド」の。
ごん:例が“いぶし”すぎて誰もついていけませんけど(笑)。
*****
団長:続いて第6位は飯山の“軟体腰”、「なかむら」です。私は近年、歳いってうどんを飲み込む力が衰えてきたこともあって、あの「なかむら」の軟体腰がものすごく心地よくなってきました(笑)。ちなみに、うちの学生で「なかむら」にはまって「特別な日は必ずなかむらに行きます」言うやつがおります。
ごん:また安い「特別な日」ですね(笑)。
H谷:その「なかむら」ですけど、三代目のケンイチくんが讃岐うどんの次世代を担う若手職人の中では唯一の「正統派の真面目キャラ」なんで、ぜひ応援してあげたいという。他の連中はね、ちょっと力を入れるところが違う時があったりしますから。
団長:それ、特定の「煩悩キャラ」のあいつを指してないか?(笑)
2006年・強者50人が選んだ「私の好きな店ランキング」5位~4位
団長:とうとう年が明けて2007年になったというのに、まだ2006年・強者50人が選んだ「私の好きな店ランキング」をやっておりますが、かといってトップ5を残してやめるわけにもいかんので続けます。第5位、まんのう町の「谷川米穀店」です。
H谷:谷川が「まんのう町」いうのも、やっぱりしっくりきませんねえ。
ごん:「琴南の谷川」ですからね。
団長:もう平成の大合併は元に戻らんけど、俺が思うに、これからずっと先に行っても「まんのうの谷川」は定着せんと思う。
ごん:じゃあ、ずっと「琴南の谷川」と呼ばれ続けるんですか?
団長:いや、もう町名をつけずに「谷川米穀店」とだけ呼ばれるようになると思う。
H谷:たぶんそうなりますね。
団長:で、「琴南町」のイメージは、次第に人の頭の中から消えていく。
ごん:それ、暗に「平成の大合併」を批判してません?
団長:とんでもないですよ。行政様のやることに間違いがあろうはずがございません(笑)。では、谷川米穀店の最新情報をH谷川君から。
H谷:もう、映画『UDON』の影響をモロに受けて、連休とか人がたくさん動く日はとんでもないことになっています。開店時間には終わっとったりしますから。
猿人:それ、開店してないんちゃう?(笑)
H谷:いや、営業時間が11時からですけど、9時半とか10時頃にはもうお客さんが並び始めて、女将さんがええ人なんでそれを見て少し早めに店を開けたりすると、11時になったらそこに並んでいる人の分だけで1日分の玉がなくなったりするんです。それで、11時に行ったら行列の最後の客が「本日終了」のプラカードを持っていたりする時があるんです。
ごん:あの山奥まで行って「本日終了」だったら、ほんまにガックリしますね。
団長:けどこればっかりはどうしようもない。「遠くから来たのに」いうて頼み込んでも、前日に仕込んだ玉が全部なくなったら誰が何と言おうと「売り切れ」や。仮に「モンゴルから初めて来ました」言うても、ま、今日のところは一回モンゴルに帰っていただいて(笑)。
猿人:あるいはそのまま明日の分に並ぶとかね。
団長:けど道にテント張って泊まったりしたら通行人の邪魔になるから、テントは周りの山の中に張ってもらって。
猿人:清流のせせらぎを聞きながら、山中のキャンプで一晩過ごしていただいて。
団長:で、翌朝、谷川の煙突から煙が上がったら、周りの山からぞろぞろと客が降りてくる。『ロード・オブ・ザ・リング2』の最後に森からエントがぞろぞろ出てくるみたいに。
ごん:誰か止めんかったら、“ない話”で1本行きますよ(笑)。
*****
団長:続いて第4位は、善通寺の「長田in香の香」です。あの釜あげのダシが素晴らしさに、多くの強者が票を入れました。
H谷:「香の香」はお遍路さんの接待のうどんをはじめとして「名エピソード製造店」みたいなところがあるんですけど、最近、おかみさんが店で一緒に働いている息子さんと娘さんを連れて他の店に食べに行ったりしているそうです。こないだは「なかむら」に行った言うてました。釜あげ主体の店なんでメニュー自体を変えることはあんまりしないんですけど、他の店で釜あげ以外のうどんも食べて「やっぱり勉強になることがいっぱいある」言うてました。ほんま素晴らしいですよね。
団長:そういえば昔、ゲリ通を始めた頃、「よそのうどんを食べ歩いたりはしてない」という大将が圧倒的に多かったわ。
ごん:まあブームの前でしたから、競争もあんまりなかったでしょうしね。
団長:当時はたいていのうどん屋が近所の人を中心に「うちのうどんはいつもこれ」いう感じで日常的に出してたから、特に他所の店を食べ歩いて研究する必要なんかなかったんやろと思うけど、ブームになって店の数も増えて周りのレベルも上がってきたら、やっぱり努力しないと名店になれんということか。
H谷:「名店だからこそ努力してる」とも言えますね。
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