編集 田尾 和俊
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団長:こないだ。
ごん:はいこないだ。
団長:N日本出版社のU山さんから電話がかかってきて、「いい加減に『超麺通団』の5巻、書いてくれませんか?」って。
ごん:4巻が出たのはいつでしたっけ?
団長:2010年の4月。
ごん:もう14年も経ってるじゃないですか。
H谷:書きましょうよ。
ごん:14年も経ったらうどん巡りの現場もかなり変わってますから、ここは団長がビシッと整理しておくべきじゃないんですか?
団長:お前な、14年も経ったら俺のエネルギーも激減しとんやぞ。
ごん:あなたも先が短いんですから、そろそろ最後のエネルギーを絞り出して真っ白になってください。
団長:「あしたのジョー」か! しょうがない、エネルギーが湧き上がってくるかどうか、最後に書いたうどん原稿の顛末記の回を、長いので2回にわたって振り返ってみよう。
『超麺通団』文庫化顛末記(前編)
団長:えー、このたび、『超麺通団』の1と2の2冊が文庫本になることになりました。
ごん:素晴らしい。というか、普通の人は「文庫になる」って聞いても「そうですか」ぐらいにしか思わないでしょうけどね。
団長:文庫になるというのがどういうことかと言うと、まあ出版社が「最初に出した単行本がそれなりに売れたので、文庫でもう一回出してもそれなりに売れるんちゃうか?」と判断したということや。
ごん:本屋で見ても、文庫になってるのはたいてい売れたり話題になったりした本ですからね。
団長:ちなみに、単行本は2000円前後から3000円以上するのもあるけど、文庫はたいてい1000円以下で安いから、単行本は買わんけど「文庫になったら買おう」とかいうユーザーも結構いるらしい。あと、書店にしてみると、単行本は結構かさばるから新刊がどんどん出てくるのに古いのをいつまでも置いておけないけど、文庫だったらギュウギュウに詰めて結構な種類を棚に置いておけるというメリットもある。ま、アマゾンが出てから情勢は変わってきたけどな。
ごん:文庫に「安くてかさばらない」というメリットがあるなら、「最初から文庫で出す」いう本はないんですか?
団長:ないことはないんやけど、よっぽどの場合でないとそれはやらん。
ごん:何でですか?
団長:まあ一番大きい理由は、採算やね。例えば最初、本を作るのに原稿書いて校正して修正して、デザインしてページを組んで…という、印刷代と製本代以外の「制作費」のイニシャルコストが原価に乗っかってくるから、単行本は1冊1500円とか2000円とか3000円とか、それなりに高く売らないと採算が取りづらくなる。けど、一回出した単行本を文庫にする時は基本的な原稿やデザインやページ組がもうできてるから、制作費がかなり軽減される。その上に本が小さくて装丁も大げさでないから、単価が単行本の半分以下の800円とか900円でも何とか採算ベースに乗せることができる…というのが単行本と文庫本の基本的な制作費と販売価格の構造ね。それを踏まえた上で、いきなり文庫で出すとどうなる?
ごん:なるほど、制作費のイニシャルコストは乗っかってくるのに、文庫本の値段で安く売らないといけないから、採算がとれない。
団長:まあそういうことや。だから、間違いなく売れる本で「資金的に余裕もあるから、ちょっと奇をてらってみるか」みたいな狙いで「いきなり文庫で発売する」という企画もあったような気もするけど、普通は「いきなり文庫」はなかなか採算が採れんからやらない。まさか文庫を1冊2000円とかで出すわけにもいかんからな。
ごん:確かに。
団長:ほんでね、某日本出版社のU山さんが「文庫にしたい」言うから「ええですよ」言うたら、「原稿書いてくれ」って言われたんよ。
ごん:えー?
団長:「いやいやいや、文庫って、今出てる本をそのまんまチューってちっちゃくするだけでええんちゃうんですか?」って言うたら、「文庫版の前書きを書いてくれ」って。
ごん:「あとがき」じゃなくて?
団長:「冒頭から一ネタ書いてくれ」って。「長さは?」って聞いたら「いくら長くても構いません。『超麺通団』の1と2、それぞれ最低3000字、できれば5000字ずつ、願わくばそれぞれ1万字以上」って。合わせて2万字って、「ゲリ通」8本ぐらい書き下ろしやん。「それ、“新しい本書け”言うてるんちゃいます?」って言うたわ。
ごん:あっはっは!
団長:ほんでね、その話があったのが8月の上旬。
ごん:はいはい。
団長:ほんで「8月の中旬ぐらいまでは忙しいけど、お盆過ぎたらかかれると思う」って言うたら、「じゃあ、8月31日締切でどうでしょう」という提示があったんや。
ごん:どうなんですか?2週間ぐらいしかありませんけど。
団長:3000字とか5000字とか1万字とか聞いたら素人さんはものすごい文字数みたいに感じるだろうけど、俺にしてみたらそんなん、テーマさえ決まったら一晩で1本書けるがな。
ごん:あの、ヘビーリスナーの方ならここら辺から“ネタ振り”のニオイがしてくると思いますけど(笑)。
H谷:はははは(笑)。
団長:ですが、今回の話は少しひねりが入ってるんや。
ごん:お!聞きましょうか。
(大したオチはないけど、以下次号)
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