麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:『うどラヂ』のリスナーの中には、私がやってた『タウン情報かがわ』の読者もかなりいるみたいで。

ごん:まあ、当時の『タウン情報かがわ』の人気はすごかったですからね。

団長:ほんで時々、『うどラヂ』にタウン情報時代の思い出を添えたお便りが来たりするわけです。

コーラ噴出事件

団長:オープニングお便りです。

初めましてこんばんわ。

ごん:こんばんわ。

うちの息子は8歳。

ごん:ほうほう。

小学3年生ですが、日々、『うどラヂ』漬けです。

ごん:えー。それはいかんだろ(笑)。

毎日の会話に「団長が」「ごんが」と…

ごん:そこはおかしい。「団長」はええけど「ごんさんは」やろ?

呼び捨てでごめんなさい。『うどラヂ』の話が出てこない日はありません。

ごん:しかし8歳でしょ?どうするんですか、それ。

思い起こしてみれば私も高校生の頃、団長が編集長と呼ばれていた頃、なかなか発売されない『タウン情報かがわ』を何度も本屋さんに買いに走りました。

ごん:あー(笑)。

団長:よく、発売日が遅れてましたからね。

ごん:もう、出版社としてあり得ないですね。

団長:毎月25日発売やったんやけど、普通、月刊誌で「25日号」って書いてあったら23日か、遅くとも24日には本屋に並ぶところ、うちは「25日号」といえば、まず日付に忠実に25日本屋に並ぶというのが基本形で…

ごん:それはまあまあ、何とか容認できる範囲ではありますけどね。

団長:もちろん、1日早く24日に本屋に並ぶこともあるけど、時々、26日になったり、27日になったり…

ごん:おかしいでしょ。だいたい27日になるなんて、もう廃刊かと思われますよ。

団長:けど言うとくけど、27日になったのは21年やってて最初の頃の2回だけやぞ。

ごん:2回もあるんすか!ちなみにそのうちの1回は原因を知ってますけど(笑)。

団長:1回はそれ。今、君の頭に浮かんどる当時の副編集長のN岡が、締切がとっくに過ぎてもう印刷会社から色校正が来とるのに、1人だけまだ原稿を書きよったというあの時。

ごん:はいはい、それです。で、もう一回は?

団長:創刊して数年経った、ある夏の日のことや。締切時期になって毎日徹夜状態になって原稿を書きよったんやけど、頭がモヤモヤして原稿が進まんようになったんで「何か気分転換になることはないかなー」と思いよったら、ふと、読者からのあるハガキを思い出した。

ごん:ほうほう。

団長:「編集長、とてもさわやかになる方法を発見しました!」いうハガキ。

ごん:あー!思い出した思い出した!(笑)

団長:その読者が言うには、「コーラの缶の底にキリか何かでちっちゃい穴を空けて、そこを親指でふさいでカーッ!と振る」と。

ごん:はいはい(笑)。

団長:すると、親指にだんだん圧力が来るわな。中で炭酸ガスがようけ発生するから。

ごん:はいはい。

団長:で、「その圧力が来たところで、口を大きく開けて、缶の穴のところを口の前に持ってきて親指を離すと、口に向かってシューッ!とコーラが入ってきてとてもさわやかになります!」って書いてたのを思い出したんや。

ごん:コーラ自体が炭酸でさわやかなのに、さらに飛び込んでくるというさわやかさが追加されるわけですね。

団長:そうです。それを思い出して、もうこれしかないと。ほんで俺は夜中の1時も過ぎた頃に表に出て、会社の近くの自販機にコーラを買いに行った。

ごん:そんな時間になると、テンション絶対おかしくなってますよね(笑)。

団長:おかしくなる。おかしくなるけど、おかしくなってるやつはおかしくなってることに気がつかない(笑)。ほんで嬉々として事務所の近くの自動販売機に行って、「このさわやかさはみんなで分かち合わないかん」と思ってみんなの分まで缶コーラを買うて、編集室に帰ったんだ。ほんでみんなに、「今からみんな、さわやかになるぞ」いうて。

ごん:編集長が(笑)。

団長:それで、まずは俺がとりあえず見本を示さないかんから、缶コーラを裏返しにして、千枚通しがあったからそれでコンコンコンコン…ってやったら「プシュ」いうて「ジワ」と泡が出たから、そこを親指でフタをして、シャカシャカと振り始めた。

ごん:はいはい。

団長:そしたら親指にちょっと圧がかかり始めたから「そろそろかな」言うたら、D々君が「そんなものじゃ、まだまだですよ」とか言うから、そこからさらに思いっきりカーッ!と振ったら、親指にものすごい圧力が来た。

ごん:来ましたよ来ましたよ!(笑)

団長:もう親指に穴が空こうかというぐらいの圧が来たから、「これは相当さわやかなやつが来るぞ」と思って、口の前に持ってきて口を大きく開けて親指をパッと離したら、

ごん:はい!

団長:カアーーーーーーッ!!!!!!!!って。

ごん:あっはっはっはっは!

団長:消防士が火事消しよんかと思うぐらいの勢いでコーラが噴出してきた!俺、一瞬ノドに穴が開くんかと思ったわ!

ごん:あっはっはっは!

団長:これはいかん!と思ったんやけど、噴出するコーラをとても口で押さえられんから苦し紛れに机の上に置いたら、ドラゴン花火みたいにシュワーーッ!いうてコーラが延々と噴水になって。

ごん:あっはっはっは!

団長:当時は原稿が全部紙に手書きの時代やったんやけど、みんなの原稿の上に延々コーラが降り注いだ結果、27日発売になりました。

ごん:アホです(笑)。

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