編集 田尾 和俊
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団長:昔は時々、知らんうどん店から大学経由で俺の所に「うちに食べに来てくれ」いう電話や手紙が来ることがあったんよ。
ごん:そりゃまあねえ、「団長を利用して宣伝に結びつけよう」と思う店は出てくるでしょうねえ(笑)。
団長:けど、そうやって「来てくれ」言われたら、逆に行きにくくなるんよな。例えば、「来てくれ」言うてくるような店はたいてい、行って食べたら「どうでしたか?」とか聞いてくるやん。けど、こっちは呼ばれて行ってるから「おいしいですよ」としか言えんし。
ごん:ほんとにおいしかったらいいんですけどね(笑)。
団長:まあ、残すほどまずいうどんは滅多にないんやけど、我々のうどん情報の発信スタイルはそこじゃなくて、「楽しい、怪しい、おもしろい」のどれかでちょっと突き抜けた素材があるかどうかなので。
H谷:その店ならではの、ちょっと突き抜けた「見出しが付くかどうか」ですからね。
団長:そこのところを、一つよろしく(笑)。
5年経過。
団長:H谷川君の、役に立つ、おもしろい、付加価値情報たっぷりの、讃岐うどん情報ー!
ごん:いえーい!
H谷:何ですか、その投げやりなハードルの上げ方。じゃあ一個、団長絡みのネタがあるんで。
団長:俺、最近うどん屋でネタなんか落としてないぞ。
H谷:あの、まんのう町の「Y」といううどん屋さん。団長、何か聞いたことないですか?
団長:あります。
H谷:ありますねえ。行きましたか?
団長:まだ行ってません。
H谷:行ってませんよね。あのー、僕こないだ行ってきたんです。結構おもしろい店だったんですけど、それは全部端折って、女将さんからネタを拾い出そうと思って全部引き出しを開けて行ったんです。それで、最後の引き出しの中に団長絡みのネタがあったんで。
ごん:ほう。
H谷:僕が天かすを見ただけで「藤原屋」とか当てたもんだから、女将さんに「あんた何者な」って言われて、「あ、僕、あの麺通団の田尾さんの手下やらせてもらってます」言うたら、女将さんが何かありげな感じで「田尾さんな」言うて。
ごん:おー。
H谷:それで「私、田尾さんに昔…」って言い出したんですよ。
ごん:あら!やばいぞこれ、放送できるんか!
H谷:いや、僕も多度津以外に郷愁の味があったんかと思ったんですけど。
ごん:あっはっはっは!
団長:ちょっと待て!話が違う枝に行きよるやないか!
H谷:脱線するのが「田尾チルドレン」です(笑)。それでね、女将さんが「私、昔田尾さんに電話をしたことがある」って言うんです。
ごん:ほうほう。
H谷:「どういうことですか?」って聞いたら、「昔、店をオープンした当初は雑誌とかに新店紹介で載せてくれてお客さんが結構来てくれたんやけど、その後パタッと客足が遠のいて、どうするか?と思った時に、やっぱりうどんのことだったら田尾さんだろうということで、四国学院大学に電話して団長にお願いをした」って言うんですよ。
ごん:ほうほう。
H谷:その時に「まんのう町でうどん屋やってるんで、またひとつよろしくお願いします」みたいなことを団長に言ったら、団長が「わかりました、じゃあ近いうちに行きます」って快く言ってくれたらしいんですけど。
ごん:はいはい。
H谷:あれから5年経ったそうです。
ごん:あっはっはっは!
H谷:「来てくれてないわなあ」みたいなことをね、おっしゃってましたよ。
団長:ちょっと待て。その女将さんって、いじれるんか?
H谷:全然いじれます。
団長:ほんまにいじってもええか?
H谷:大丈夫です。
団長:あのな、今の話は少し“いがんで”いる。
ごん:あっはっは!
H谷:そうなんですか!
団長:今から5年前のある日、俺が授業と授業の合間の短い10分足らずの間に研究室に帰って慌ただしく次の授業の準備をしよったら、内線がかかってきたんだ。ほんで「○○さんという人から電話がかかってます」って言われて、聞いたことのない名前やし時間もないから断ろうと思ったんやけど、短い電話なら出てあげようと思って、とりあえず電話を取ったんだ。
H谷:はいはい。
団長:そしたら、その「まんのう町でうどん屋をやっている人」からの電話やって、聞いたら「ぜひ来てくれ」「とにかく来てくれ」いうてものすごく押してくるんだ。
ごん:ちょっと“困った人”?(笑)。
団長:ニオイはちょっとした(笑)。ほんで全然話が終わる気配がないから、「すいません、授業の時間が迫ってるんで、店の名前はちゃんと控えておきますんで」みたいな返事をして電話を切った、というのが私の記憶や。少なくとも、「近いうちに行きます」とは言うてない。
H谷:そうなんですか。
団長:だって、平日は満濃まで昼飯に行く時間がないし、かと言って土日は高松でおるから満濃までおいそれと行けんし、俺にしてみれば結構行きにくいエリアなんよ。
ごん:確かにね。
団長:えー、あれから5年経ちました。
ごん:あっはっはっは!
団長:すいません、そのうち行きます。
H谷:ええ、ぜひ行ってあげてください。
団長:ただし、いつとは言わない(笑)。
H谷:ははははは(笑)。
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