編集 田尾 和俊
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団長:讃岐うどん巡りブームがピークを迎えた2000年頃以降、新しいうどんメニューやうどん商品が各所で作られて、時々マスコミに取り上げられたりしています。
ごん:「地元の特産品を入れてアレンジしました」とか、「どこそことどこそこがコラボしてこんなの作りました」とかいうやつね。
団長:それにマスコミがよく「これを地域活性化につなげたい」とか「地域活性化の起爆剤に」みたいな見出しやコメントを付けたり、当事者がほんまにそんなことを言ってたりするんやけど、そんなものにそこまで期待したらいかんと思う(笑)。
ごん:あっはっは!確かに、うどんの新メニューや新商品で活性化した地域は見たことがないですからね(笑)。
団長:ま、作るのはどんどん作ってもらっていいと思うけど、その目的はそんなほとんど不可能で夢みたいな大それたことではなくて、「何かやってみたかっただけ」とか「とりあえず話題になればオッケー」ぐらいでええんちゃうん、というのが私の意見ですが(笑)。
ごん:全く同感です。
団長:ということで、『うどラヂ』テイストのアレンジうどんネタが出た回です。
平成こんとん食堂
団長:お便りを頂いております。
ごん:ありがとうございます。
皆さんこんばんわ。こどもの日には柏餅をちゃんと食べた香川県在住の「はかせ」です。
ごん:素晴らしい。
その時にふと思ったのですが、主食になる食べ物というのが世界にはいろいろあるのですが、例えばお米なら「おはぎ」という甘い食べ物がありますし、パンなら言うまでもなく「あんパン」とか「クリームパン」とか、甘いものと合わせて食べるパンはいくらでもあります。つまり、炭水化物は甘い物にも対応しているということです。
ごん:まあ炭水化物は糖になりますからね。
ということは、うどんも甘い食べ物になれるのではないしょうか。雑煮にあん餅も入れる香川県です。なのに、うどんが甘い物に進出していないのはなぜなんでしょう。
ごん:いやいや、斜め上の方向には進出したりしてますよ。アイスクリームに入ったりしてね(笑)。
団長:はっはっはっは。いや、あれはアイスクリームが主体であって、サブにうどんがあるというアレンジや。
やっぱりおいしくないんですかね。私が知る限り、「うどんクッキー」とか「うどんかりんとう」はいずれもうどんの原型がほとんど残っていませんし、「釜玉ソフト」や「うどんアイス」もメインがうどんじゃないし。
団長:「長楽」の「うどんドーナツ」も忘れてはいけませんが、とにかく「うどんが主体になった甘い食べ物があるか?」という指摘です。
そこで、過去に『恐るべきさぬきうどん』の本の中で見せた「金太郎うどん」、「バームクうどん」、「斜張橋うどん」、「瀬戸内海名物サメうどん」など様々なアイデアをお持ちの麺通団の方々なら、きっと私の知らないうどんネタをご存じではないかと考え、質問をしました。個人的には黒蜜をかけて「蜜うどん」なんかを考えてみたりしましたが、香川県の後世に残すべき文化として素晴らしいアイデアを期待しております。
団長:というお便りです。
ごん:そういや以前、四国学院でうどんの原型と言われる「こんとん」で何かやってませんでした?
団長:やりました。「平成こんとん食堂」。学科から「大学祭で何かやってくれ」言われて、空海が中国から持って帰ってきたうどんの原型と言われる「こんとん」を平成版にアレンジしようということになって、何人かの若手のうどん屋の大将に頼んで「平成のこんとんメニュー」を何種類か作ってもろた。
ごん:あの時に、甘い物も作りましたよね。
団長:作りました。あの時は昔の「こんとん」にならって…といっても「見たんか?」と言われたら、えらい昔の小さい頃の話やからちょっと記憶はあやふやなんやけど。
ごん:何しろ1400年ぐらい前の話ですから、よく覚えてない(笑)。
団長:とりあえず伝承に従って「小麦粉を塩水で練ったものをベースに使う」という条件以外は自由ということで、まず「こんとんボール」というのを作りました。これはまあ大したヒネリもないものですが、小麦粉、塩、そこに少し砂糖を足して、牛乳もちょっと足してこねて団子状に丸めて揚げて、それに砂糖をまぶしてサーターアンダギーみたいなのを作ったら、あれ、サーターアンダギーより爽やかでうまかったよな。
ごん:あれはおいしかったですよ。
H谷:「長楽」の「うどんドーナツ」が、たぶん同じような味です。
ごん:そうや、あれはテッパンの味なんや。
団長:それから、「こんとん」を薄く丸く伸ばして、その上にいろんな具を乗せてくるくるっと巻いてタコス状態にした「こんタコス」。
H谷:はははは(笑)。
団長:あれは大人気だった。特に、中に「ずんだ」を入れただけの「こんタコス」はうまかったぞ。
ごん:おいしかったです。ただし、甘い系メニューの「こんとんボール」と「こんタコス」はどっちも確かにうまかったですけど、どっちも形状はもはや「うどん」ではないですね。
団長:そうやなあ。ちなみに「平成こんとん食堂」は他に「こんとんの刺身」とか「焼きこんとん」とか確か5~6種類を出して、2日間で45万円ぐらい売り上げましたが、それを聞いた「清水屋」の大将に「これ、うちでやらして」って言われました(笑)。けど実は全種類の中で一番売上を上げたのは「こんとんメニュー」ではありませんでした。
ごん:え?
団長:売上1位のメニューは、「念のために」いうて食堂の一角で出してた日清冷凍の冷凍うどんの「かけうどん」です(笑)。
ごん:あっはっはっは!やっぱり「うどん」には勝てない(笑)。
団長:しかしいずれにしろ、「讃岐うどんはご飯やパンに並ぶ炭水化物の主食でありながら甘い物に進出していない」という素晴らしい盲点の指摘を頂きましたので、讃岐うどんが甘い物に進出するという新しい画期的なメニューの案を…
ごん:募集しますか?
団長:来週までに、H谷川君が考えてきます。
H谷:何でですか!
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