編集 田尾 和俊
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団長:『うどラヂ』もたまにはアカデミックなウンチクを扱うことがあるというところを見せておきましょう。
ごん:リスナーがそんなものを望んでいるかどうかはさておいてね(笑)。
皇室に献上しない讃岐うどん
団長:お便りを頂いております。
ごん:ありがとうございます。
毎週楽しく聴いています
団長:ええね。
ごん:何がですか?
団長:「聴いております」という言い方が実にいい。何か最近、何でもかんでも謙(へりくだ)って「聴かせていただいております」とか言うやん。
ごん:あー、言いますね。
団長:『うどラヂ』なんか別に偉そうな番組じゃないんだから、「聴いています」で十分や。むしろそっちの方が健全で潔い。
ごん:全くその通りです。
突然ですが、「日本三大うどん」ってご存じですか?
団長:誰に聞いとんや。
ごん:今誉めたところやないですか!
H谷:はははは(笑)。
団長:「日本三大うどん」と言えば、「讃岐うどん」と「稲庭うどん」と水沢うどん。まあこの3つが言われとるけど、香川県の中でいろんな人に聞いたら「え? 讃岐うどん以外に2つもあるん?」とか言う人が結構いてね(笑)。
H谷:まあね。意外とそういう人、多いですね。
ごん:調べたら「讃岐うどん」と「稲庭うどん」はたいてい入ってますけど、3つ目が諸説あるみたいですね。
団長:確かに「水沢うどん」がちょっとネームバリューが弱いみたいで、「讃岐うどんと稲庭うどんはしゃーないけど、3つ目はうちやぞ」みたいな話はあるらしい。けど、かと言って「では水沢うどんの代わりに何や」と言われたら、意外と決め手がないんぞ。
ごん:そう言われりゃ、これというのはないですね。
団長:長崎の「五島うどん」や富山の「氷見うどん」も、有名ではあるけど「絶対これや!」ではないやろ?
ごん:確かに「絶対3番手か?」と言われればね。
団長:ま、「三大うどん」に順番はないと思うけど、「讃岐」と「稲庭」ともう一つは、やっぱり3番手感があるのは否めん。あと、量的には博多のうどんとか大阪のうどんやけど、あれはブランド名というよりエリア名みたいなイメージやからちょっと違う感じがするし、「ほうとう」や「きしめん」もちょっと「正統派のうどん組」から外れてる気もするし。
ごん:するとやっぱり、「讃岐、稲庭、水沢」に落ち着くと。
諸説ある中、「讃岐うどん」と「稲庭うどん」と「水沢うどん」がよく挙げられているそうなのですが、その中で「稲庭うどん」と「水沢うどん」にはある共通点があることがわかりました。
ごん:何でしょう。
それは、「宮内庁御用達のお店がある」という点です。稲庭うどんは宮内庁御用達の店があり、水沢もあるのですが、讃岐うどんを調べてみると、見当たりませんでした。
ごん:ほー。
そこでお三方に質問です。讃岐うどんの店で、過去に皇室に献上するなどされたお店や団体なんかはあるんですか?
団長:という質問ですが、実はこれについてはワタクシ、30年近く前に、ある話を聞いたことがあります。
ごん:ほう。
団長:当時、ある仕事で、“こんぴらの生き字引”と言われた郷土史家の草薙金四郎さんという方にこんぴらさんの歴史についてお話を聞きに行ったことがあるんだ。当時、俺は確か30ぐらいのペーペーの編集長で、金四郎さんはかなり年配の重鎮で、ちょっと緊張しながら家にお伺いしたら、古文書みたいな本がいっぱい積み上がった書斎みたいな部屋に入れてくれてね。
ごん:ほうほう。
団長:で、いろいろ話を聞いているうちに、「讃岐うどん」の話になったんや。俺はまだうどんのことなんか何もやってない頃やから、よくわからんまま聞いてたんやけど、金四郎さんが「讃岐うどんはこれだけ地域に普及しとるし全国的にも知られとるのに、あのな田尾さん、皇室に献上せんのだ」って。
H谷:ほう。
団長:その理由は、「足で踏む」からだって。
H谷:あー。
団長:それが皇室側から「足で踏んだものはまかり成らん」と言われたのか、それとも讃岐うどん側から「こんな失礼なものは皇室には献上できない」ということになったのか、どっちだったかは聞いてないんやけど、そう言われりゃ、稲庭うどんって手延べだから、足で踏む工程がないやろ?
ごん:紐みたいに手で延ばしていくんですよね。
H谷:それで乾麺にしてね。
団長:水沢はどうなんだ。稲庭と同じで乾麺が主体のうどんだったと思うけど。
ごん:えーと、調べたら足で踏む工程があるみたいですよ。
団長:じゃあ、讃岐うどん界だけ皇室に気を遣って献上を遠慮したんかもしれんけど、とにかくそういう理由で皇室に献上していないという話を金四郎さんから聞きました。
ごん:それはなかなか聞けない話ですね。
団長:そらもう、俺は当時若輩者やから草薙金四郎さんのお話だったら全部信用するがな。へへー!なるほどー!んなアホなー!みたいなもんや。
ごん:何で最後ツッコミが入るんですか(笑)。
H谷:はははは(笑)。
団長:けど確かにネットでいろんな写真を見たら、「稲庭うどん」も「水沢うどん」もビジュアル的に品があるよね。
ごん:どっちかというと、高級路線的な売り出し方でね。
団長:値段も高級路線でね。それに比べて、やっぱり、讃岐うどんは、下…じゃなくて、庶民のうどんやわ。今、一瞬「下品」って出かけたけど。
H谷:はははは(笑)。
団長:「上品」に対しては「下品」やからつい出かけたけど(笑)、下品ではないけど、ちょっと何か、皇室の香りはせんかもしれんな(笑)。
ごん:値段も安くて、庶民の昼飯でささっと食べる感じですからね。
H谷:「うまい、安い、早い」ですからね。
団長:というわけで珍しく、今回は真面目な返答で終わってしまいました。
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