麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:『うどラヂ』も900回を超えて1000回が見えてきたけど、振り返ると、ずいぶんたくさんの名物リスナーが出てきたね。

ごん:でも、10年、15年と続いて投稿してくるリスナーって、意外といないですね。

団長:みんなそのうち、「私は一体何をやってるんだ」ということに気がつくんだ。

ごん:いや皆さん、成長するのはいいことですよ(笑)。

うどんで人生を踏み外す

団長:お便りを頂いております。

団長ごんさんH谷川さんこんにちわ。「元香川県在住のハカセ」です。

ごん:どうもどうも。

私は以前、東京からうどんを食べに来る飛行機代が100万円を超えたことに愕然とした結果、思いあまって転勤希望を出して香川にやって来たことをお便りしたところ、団長とごんさんから「今までに費やしたお金を冷静に考えてはいけない。たいてい後悔する」という金言を頂きました。

ごん:確かに言いました。

団長:これは我々、未だによく使う金言ではありますが、みんなほんまに「今までに食べたうどん代の合計」とか「飲んだ酒代の合計」とか「吸ったタバコ代の合計」とか数えるなよ。家が建つぞ。

ごん:あっはっは! 

そのため、香川赴任後は深いことを考えずにうどんライフを満喫していたのですが、あまりに人生を満喫しすぎていることを怪しまれた結果、「うどん目的の転勤希望」だったことが社内の雲の上に人たちにバレてしまい、このたび、再度転勤させられてしまいました。

ごん:あっはっは!

団長:なかなか破天荒なことをやってるみたいですが(笑)。

今後は「どこぞのハカセ」と改名して、ポッドキャストにて皆様の活躍を生暖かく見守りたいと思います。

ごん:ありがとうございます。

さて、こないだ引っ越しに追われている時にふと我に返って、「もしかして俺、うどんで人生を踏み外してないか?」と思ってしまったんですが、果たして、うどんで人生を踏み外した人なんているんでしょうか。そんなバカなとは思ったものの、不安で不安で昼も眠れなくなってしまったので、ここは団長の金言、「上を見て頑張るより下を見て安心しろ」というお言葉に従って心の安静を取り戻したいのですが、麺通団の周りでうどんで人生を踏み外した人の例があれば教えていただけますでしょうか。

団長:というお便りですが、教えられんな。

H谷:はははは(笑)。

ごん:教えられんということは、あるかないかといえば「ある」ということですね(笑)。

団長:そういうわけでもないが、しょうがないな。そこまで言うなら、ハカセにあえて今日の時点でお言葉を差しあげよう。

ごん:お、新たな金言が出ますか?

団長:「人生は、みんな踏み外している」。

ごん:ん?

団長:あ、ちょっと哲学っぽくなりすぎたかな。あのな、「人生を踏み外す」という意識を持っている人は、「人生には踏み外さない正しい道がある」という前提を持ってるんだ。

ごん:あー、なるほど。

団長:「正しい道がある」と思っているから、「その道を踏み外している」という表現が出るんだ。

ごん:確かにそうですね。

団長:しかし、私に言わせれば、人生に「絶対的に正しい道」なんかない!

ごん:いや、何か、「ない」とも言い切れないような…

団長:あります。

ごん:あっはっはっは! いきなり前言撤回!(笑)

団長:素晴らしい人生の道はあります(笑)。

ごん:あっはっはっは! 

団長:ある程度はあると思います(笑)。例えば、間違いなく俺よりよさそうな人生を歩んどる人はたくさんおられると思いますけど、それはちょっと横に置いといて(笑)。

H谷:でも団長もそれなりにね、よさそうな人生を歩んでいらっしゃるような感じがね。

ごん:するよな。

団長:あのな、他人の心の中は外からは見えんのぞ。俺だって、「もし小学校から熱心にゴルフでもやってたら、今頃タイガーウッズを凌駕するようなもっと素晴らしい人生を歩んでたかもしれん」と思って悔やんでるかもしれんやんか。

ごん:それを言うなら僕は、団長のタウン誌に関わらんかったらもっと正しい道に行ってましたよ。

団長:ま、きみの場合はもっと悪の道に進んでたかもしれんけど(笑)、まあいずれにしろ、たいていの人にとって「これが正解だ」という人生はおそらくない。すなわち、今進んでいる道がその人の「本線」であって、それは決して「踏み外した道」ではない、と私は思うわけだ。

ごん:なるほど。

団長:というわけで、「人生は、踏み外すという意識をした瞬間から、あなたは踏み外している」と煙に巻いて、CMに行きたいと思います(笑)。

ごん:あっはっは!

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