編集 田尾 和俊
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団長:『うどラヂ』が今日あるのは、まさにH谷川君の功績が大きいんやけど。
ごん:もちろんです。うどん情報を持ってくるのは団長とH谷川君だけですけど、新しい店とか若手の店の情報となると、断然H谷川君ですからね。
団長:ま、レギュラーのごんが胸を張って「うどん情報を持ってくるのは団長とH谷川君だけ」と言うのもどうかと思うけど。
ごん:確かに(笑)。
団長:加えて近年、讃岐うどん界におけるH谷川君の人脈の広がりにも目を見張るものがある。
ごん:若手のうどん屋の大将なんかを中心にね。
団長:俺は基本的にブーム第一世代の古い人脈しか持ってないから、それをカバーして余りある活躍や。
ごん:まさに、麺通団の第2局面を見事に支えてくれていると言っても過言ではありません。
H谷:どしたんですか。お二人に誉められたら何か悪い予感しかしないんですけど。
団長:組織のトップの使命は「組織の維持発展の実現」と「後継者の育成」の2つである、というのが組織マネジメントの原理原則なんやけど、後者は見事に達成されたと言っても過言ではない。
ごん:話が団長の功績にすり替わってますけど、確かにそうです。
団長:これを歴史に学ぶと、部下が優秀で実績を上げ、さらに新しい人脈を構築していくと、たいてい…
ごん:組織がますます強くなる。
団長:いや、たいていクーデターが起こる。
ごん:あっはっはっは!
H谷:やっぱり落とされましたか。
「渡辺ファミリー」大集結
団長:しかしひどい話やで。
ごん:何ですか。
団長:こないだ。
ごん:はいこないだ。
団長:H谷川君から電話がかかってきて、「丸亀の某居酒屋に渡辺ファミリーが大終結する」って言うんだ。
ごん:「渡辺ファミリー」と言いますと?
団長:高瀬の“木の葉型天ぷら”で有名な「渡辺」と、そのお弟子さんが独立して開業したうどん店軍団や。今何軒あるんかな? 三越の裏の「義経」だろ?
H谷:はい。
団長:それから、大将が酒飲んだらえらいことになるらしい丸亀の「歩(あゆみ)」。
H谷:はははは(笑)。
団長:続いて三野町の「はまんど」の近くにある「喰回(くうかい)」と、本家の身内の丸亀の「渡辺」。
H谷:あと、丸亀に新しくできた「龍(たつ)」と、岡山に1軒「たぐち」いう店もあります。
団長:チェーン店でなくて、みんな「渡辺」の大将の元で修業して独立した店。香川県内だけで6軒あるから、たぶん今、県下最大勢力のファミリーや。
H谷:しかも「渡辺」は先代が10年単位で育ててますから、送り出した大将はみんな間違いなく一人前の職人になって独立するというね。
団長:素晴らしい。まさに「渡辺」の先代は「讃岐うどん界の武田文吾」と言うべき名伯楽。
ごん:高齢の競馬通しかわからない例えですけどね(笑)。
団長:それでね、そのファミリーの飲み会があると。こんなん、なかなかないぞ。かつての「かな泉」のOBが集まった「泉の会」が交流を続けてるみたいやけど。
H谷:「おか泉」の大将とか「もり家」の大将とか、すごいメンバーみたいですけどね。
ごん:「宮武ファミリー」も集まってませんでした?
団長:あれは法事で集まるだけや(笑)。
H谷:飲み会じゃなくて、ほんまのファミリーの行事です(笑)。
団長:ほんでね、その「渡辺ファミリー」が大集結して飲み会をするのにH谷川君も呼ばれて行く言うから、「何かええ感じやなあ、楽しい会になるんやろなあ」と思いよったんや。ほんだら、H谷川君が俺に「来てくれ」って言うんよ。しかも、「団長が来てくれないと始まらない」とか言い張って。
ごん:おかしいですね。
団長:おかしな話やないか。順番考えてみ? まず、こういう寄り合いをしようと決めたのは、高瀬の「渡辺」の若大将らしいんだ。
H谷:はいそうです。若大将と某居酒屋のマスターが「集まって飲み会やろう」と言い出して、そこに僕もいたんで誘われて。
団長:ほんで、「渡辺」の若大将がみんなに声を掛けたらよっけ集まることになったらしいんやけど、そんな飲み会が、何で俺が行かんかったら始まらんのや。
ごん:ですよね。
団長:俺が声を掛けて集めたんだったら俺が行かんかったら始まらんのはわかるけど、違う人が声を掛けてそっちで勝手に集まった飲み会が、何で俺が行かんかったら始まらんのや。
H谷:いやいや、そこはちゃんと理由があるんですよ。若大将と居酒屋のマスターが段取りをして、それで僕にも声がかかって行くことにしたんですけど、メンバーを聞いたら高瀬の「渡辺」の御大も来られると聞いて「うわ!」ってなって、あの御大が来られたら、僕じゃ手に負えないじゃないですか。
ごん:あっはっは!
H谷:若手大将たちならね、何とかいじってどうのこうのできますけど、天下の「渡辺」の御大は無理ですよ。だからこれはもう、団長に出てもらうしかないと。
団長:ちょっと冷静に考えろ。御大が来たとしても、ファミリーで集まった席にファミリーの御大が一緒におるだけなんやから、ファミリーみんなで御大を囲んで楽しく飲み食いして、H谷川君は端っこの方でおとなしくおるだけで十分やないか。別にH谷川君が御大を接待する会じゃないんだから。
H谷:いや、やっぱり一応「麺通団のH谷川です」とか言うて挨拶しないといけないじゃないですか。するとそこで話もしないといけないじゃないですか。そういう場になるのがわかってるのに若大将が僕を誘ったわけですから、「そちらが御大を出すならこちらも御大を」というね。
団長:というか、その「こちらも」って何なんや。
H谷:向こうは「うどん屋軍団」で、こちらは「お客さん軍団」ですよ。「お客さん軍団」の御大は団長でしょ?
ごん:あっはっは!何か、知らん間に戦い的な感じになってる?(笑)
団長:でね、などというひどい話があって、ワタクシ、行ってまいりました。集まっていらっしゃったのは、「渡辺」の御大。ま、H谷川君曰く、「顔は怖いが心はやさしい」という。
H谷:僕は言ってませんよ。記事に書いたのは団長ですよ。
団長:それと「渡辺」の大将の息子さんの若大将。それから、丸亀の「渡辺」の女将。元祖、前へ前へ出てくる美人女将軍団の中でも別格の暴走列車。
ごん:あっはっは!
H谷:それと女将さんの息子さん。女将は前へ前へ出てくるのに、えらいおとなしい。
団長:たぶん息子さんは「丸亀・渡辺」の二代目を継ぐと思います。それから「歩」の大将。これがの、大人しそうに見えるんやけど、酒飲んだらなかなかおもしろい壊れ方するんだ。
ごん:あっはっは!
H谷:壊れましたねえ(笑)。
団長:ほんで壊れて御大に結構暴言吐きよった(笑)。
ごん:あっはっは!
団長:「これは使える!」いう“珠玉の暴言”がいっぱい出たのに、メモしてないから全部忘れたが。
ごん:えー!
団長:その他、とても紹介しきれない量の話を聞かせていただきましたが、それはまたいずれ機会がありましたらということで。
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