編集 田尾 和俊
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団長:さて今回から、四国旅マガジン『GajA』の取材で私とH谷川君と本広監督がうどん屋6軒を回ってきたレポートの放送回を、数回に分けて紹介します。
ごん:いやー、あれからもう10年以上も経つんですね。
団長:その後、閉店になった珠玉の店もあるので、ここで記憶に残しておきましょう。
「『GajA』うどんツアーレポート」第1弾
団長:この番組は毎回緊張感あふれる全力の録音でお送りしておりますが、ディレクターだけ、緊張感が見られないという。
ごん:そうですよ。今日もこの番組の前に僕ら3人とK米君で軽いミーティングというか打ち合わせをしてたんですけど、僕らみんな、前かがみでしたやんか。
団長:会議に真剣に取り組もうとすると、人は前かがみになる。
ごん:K米君、ちゃいまっせ。体を正面に向けずに10度ぐらい斜めに向いて、しかも後ろに反っくり返って、アゴをちょっと出して見下ろすような目線で、僕らの真剣なやり取りに「はあ?はあ」みたいな相づちしか打ってませんでしたからね。
団長:あれ、額を小指でチョンと突いたら後ろに転倒するよな。
H谷:ははははは(笑)。
ごん:ほんとにもう、どういうことですかと。
団長:そういう扱いの我々ですが、先日、四国旅マガジン『GajA』の取材でうどん屋を6軒回ってまいりました。
ごん:メディア絡みで出動するの、久しぶりですね。
団長:メンバーはワタクシ、本広監督、H谷川君、それと『GajA』の編集の伊藤さんという女性と、フォトグラファーのガボミ。
ごん:ガボミ?
団長:あとで名刺を確認したら、アルファベットで「GABOMI」と書かれた「ガボミ」。最初に伊藤さんから「こちら、今日写真を担当するガボミさんです」って紹介された時、俺は一体何を言いよんのかわからんかったんやけど、フォトグラファーをやってる女の子なんや。ほんでその5人で朝から夕方までかかって6軒回ってきたんやけど、そのツアーレポートを8ページぐらい、俺に書いてくれって言うんだ。
ごん:8ページ分の文章って、結構ありますよ。
団長:まあ、朝から夕方まで取材に行ったらおそらく道中でいろんなことが起こるから8ページ分ぐらいのネタは十分拾えるんやけど、問題が一つあってね。
ごん:何でしょう。
団長:俺の文章って、会話文が不可欠やん。
ごん:確かに。団長の文章の中で、俺らしゃべった覚えがないこともいっぱいしゃべってるからな、H谷川君。
団長:ま、きみらは自分でしゃべったことをすぐ忘れるから、あとで俺が頭の中でちっちゃいごんとH谷川君を出してきてしゃべらせながら書いてるんやけど、それでも基本、ほんまにしゃべったことをベースに膨らませてるやん。
ごん:膨らみすぎて元がわからなくなってたりしますけどね(笑)。
団長:ちっちゃいごんとH谷川君がまたこれ、よっけしゃべるんだ(笑)。でね、1日の取材ツアーで「何が起こったか」いうのはたいてい思い出せるんやけど、そこでみんなが何を、どんな言葉で、どんなニュアンスで、どんなテンポでしゃべったか、みたいなのを事細かく思い出すのが実に難しいわけだ。
ごん:メモはしないんですか?
団長:会話の内容は、メモが追いつかない。しかもたいていの会話は俺が回しよるから、自分でしゃべりながらメモできんがな。
ごん:まあそうですわな。じゃあ録音しとくとか。
団長:それも考えて一応ICレコーダーは持って行ったんやけど、どこでおもろい会話が出てくるかわからんから7時間も8時間も回しっぱなしにしとかないかんやん。すると、それを後で文字起こしすることを考えたら気が遠くなって、結局「出来事も会話も必死で覚えて帰る」という作戦に切り替えたんよ。そしたら変なストレスもなくなって、途中でめちゃめちゃおもろい話がいっぱいあったよな。
H谷:ありましたありました。
団長:ほんでおもろい話をいっぱいして帰ってきて、その日の夜、とりあえず今日あったことを思い出してメモしとこうと思って思い出しにかかったんだ。
ごん:はいはい。
団長:で、1行目の、最初何があったっけ…で、止まったんだ。
ごん:あっはっは!
H谷:その日のことですよね。
ごん:数時間前ですよね。
団長:ま、いかに現場に集中して取り組んでいたかということや。ほんで、困った時のH谷川君や。翌朝H谷川君に電話をして、「まあまあH谷川君、こうこうこういうわけで俺はもう原稿を書く準備は万端整ってるんやけど、念のために、昨日一日、朝から晩まで何があったか、あるいは俺が何をしゃべったかについて、H谷川君の注意力の訓練のために、思い出せる限り朝からあったことを一字一句漏らさずメモして、FAXで送ってくれんか?」いうて。
H谷:もうねえ、翌日の朝のヤンパチから電話がかかってくるから、何のことかと思ったらこれですよ。
団長:電話した途端にH谷川君、「もうボケ老人みたいなことやめてくださいよ」って。
ごん:あっはっはっは!
H谷:1週間ぐらい経ってからだと「ちょっと思い出せない」言われても「そうやろな」とか思うんですけど、翌日の朝ですからね。
ごん:ボケ老人云々より、そもそも覚えようという気がないのよ団長は。「その場をワーッと盛り上げとったらええわ」みたいな。
団長:さて、あれは7月のいつやったっけ。
ごん:行った日まで忘れたんですか。
H谷:6日です。
団長:6日の土曜日に、朝から行ってまいりました。回る店6軒の選定は、ワタクシに丸投げされました。
ごん:いつものことですね。
団長:それでまず、「ターゲットはどの辺なんですか?」って聞いたんだ。相手が初心者なのか、リピーターなのか、通とかマニアなのかによって選ぶ店が変わってくるからね。
ごん:基本ですね。
団長:そしたら「初心者向けに」って言うから「初心者向けなら定番の有名店ばっかりになりますよ」って言うたら、どうもそういうメジャーな店は他のページで大特集をするらしくて、さらにそれとは別に「本広監督がおすすめする店」も何軒か入るから「それ以外でピックアップしてください」って。すなわち、主な店は全部そこに入ってて、「それ以外で」というわけだ。
ごん:じゃあ、ほとんど残ってないじゃないですか。
団長:だろ?そやからそう言うたら「もう団長の好みの店でいいです」って初志を曲げてきたんや。「ほんまに僕の好みで選んでいいですか?」って聞いたら「ぜひお願いします」って言うから、えー、まず「柳川」を入れまして。
H谷:はははは(笑)。それは仕方がないですね。
ごん:団長の好みと言えば、まずは「柳川」ですからね(笑)。
団長:それで「柳川」から出発してあと5軒を並べて伝えたんよ。そしたら当日の朝、編集の伊藤さんが事前にいろいろ下調べをして、何時にどこへ行って、次に何時にどこへいって…というタイムスケジュールを組んで来とったんやけど、見たら一軒一軒、すごい余裕を持った時間で組んであるんよ。
ごん:万が一のことを考えて余裕を持って。
団長:しかし「余裕にもほどがある」いうぐらい時間が開いてたから、「間がいちいち開いてるなあ」言うたら、「今日は土曜日ですし、行列に並ぶということも十分考えられるんで。暑いから熱中症対策で水も十分用意してきてますから」って準備万端みたいに言われたんやけど、俺がそんな並ぶ店ばっかり連れて行くと思うか?
ごん:あっはっはっは!
H谷:並ぶ店、1軒もなかったですね(笑)。
団長:というわけで、それでは次回から情報満載の「『GajA』うどんツアーレポート」を、H谷川君のワクワクレポートでお送りします。
H谷:何でやねん。
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