麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:四国旅マガジン『GajA』のうどん特集、「団長とH谷川君と本広監督が団長選定の6軒を1日で回るぞツアーレポート」の第2弾。JR観音寺駅で本広監督を拾って、1軒目は「団長、柳川大好きです」のキャッチコピーでマニアだけにおなじみの「柳川」からスタートです。

H谷:まあいつものように、まともなうどんの食レポではありませんけどね(笑)。

柳川とイナリセブン

団長:さて、いよいよ道中レポートをお送りするわけですが、しかし、お送りするには私の記憶があやふやなので、先日H谷川君から送られてきた「H谷川メモ」に全面的に頼りながら進めて行きたいと思います。

ごん:いざという時のH谷川君ですね。

団長:いざと言わなくてもH谷川君(笑)。ではまずメモの1行目です。「奇跡的に団長が予定時間より早く迎えに来て、H谷川、焦る」って。

ごん:あっはっはっは!

H谷:そうなんですよ。団長って大体いつも遅れるじゃないですか。だからまあ僕もそれなりに「どうせちょっと遅れてくるやろ」ぐらいに家でゆっくりしてたんですよ。そしたら、待ち合わせ時間の15分ぐらい前に電話がかかってきて「着いたよ」って言われて、メチャメチャ焦りましたよ。

団長:H谷川君、状況確認が甘いわ。誰が運転していくと思うんや。あの日はごんでなくて、『GajA』の編集の伊藤さんという女性の方が運転して迎えに来るんやぞ。そんなもん、2時間前から玄関で待ってるがな。

ごん:ひどい話やろ?

H谷:ええええ。

団長:ほんで丸亀の待ち合わせ場所に着いたらH谷川君がおらんかったのでちょっと待って、ほぼ定刻にH谷川君を拾って丸亀を出発して、観音寺駅で本広監督と合流して1軒目、「柳川」に行きました。H谷川メモです。「団長、監督はうどん」。

ごん:え?

団長:あそこはメニューの一番最初に「うどん」って書いてあるんだ。「柳川」の最大の魅力は「かけ(うどん)」にあるからね。伸びを抑えた細めの麺に、甘めのあつあつの田舎の食堂風のダシがかかってくる。ほんで、あのうどんにイナリを取るわけだ。これがもうベストの取り合わせ。

ごん:1軒目からイナリも食べるんですか!そのあとまだ5軒行くんでしょ?

団長:「柳川」に来て、後ろにあと5軒あるからいうてうどんちょっとだけ食べてそのまま帰るなんて、私にはできない。ただし、とりあえず大はやめて小にしました。ほんで本広監督も「うどん」の小を注文しました。

ごん:H谷川君は何食べたん?

団長:H谷川メモによると、「H谷川には店イチオシの卵とじうどんを強要」。

H谷:僕も「柳川」では「かけ」を食べたかったんですけど、「H谷川君は卵とじね」みたいに言われて。

団長:だって昔『超麺通団』シリーズで「柳川」を紹介した時、お店に「うちの店の人気メニュー」を出してもらったら「卵とじ」って出てきてたやん。

H谷:出てました。「柳川」はどの雑誌でも「卵とじ」を推してましたよ。

団長:そしたら、「店が推してるメニューを誰も食べない」というわけにはいかんだろ。じゃあ誰が食べる?H谷川君やないか。

ごん:あっはっはっは!H谷川君ですよね(笑)。

H谷:けどね、まあそれは仕方がないとしても、その後がひどいんですよ。団長が本広監督に何かイナリの話ばっかりして、僕の卵とじうどんを「一口くれ」とかそういうのも一切なく、注文させといてそのまま放置されて「僕、卵とじ注文した意味ない」みたいになって。

ごん:あっはっは!

団長:けどこれ、H谷川メモの「柳川」のところに6項目も書いとるのに、卵とじ情報がゼロやないか。

H谷:だって卵とじの話なんか全然してないし、たぶん「柳川」はイナリの話で埋まるだろうと思って。

ごん:まあまあ、団長は“イナリスト”やからね。

団長:じゃあ続いてH谷川メモ、「団長、うどんに乗っている小さい三角アゲの立ち位置を絶賛」。

ごん:食堂のうどんにちょこっと入れるアゲですね。

団長:ちっちゃいんぞ。「田村」のアゲもちっちゃいけど「柳川」の方がもっとちっちゃい。福引きの抽選箱の中に入ってる三角クジぐらいの大きさやぞ。

H谷:そうですそうです(笑)。

団長:それを俺、何を絶賛したん?

H谷:「甘いダシを邪魔しない」っていうのと、「小さいけど三角っていうそのバランスが素晴らしい」っていうことを力説されてました。

団長:ああー、なるほど。

H谷:自分が言ったことじゃないですか!

団長:続いて「本広監督、うどんを食べながら『やさしい』と一言」。ま、近年のタレントの食レポで「やさしい味」とか「懐かしい味」とかボヤーッとしたコメントをよく聞くけど、「柳川」のうどんは「やさしい」と表現してもええと思う。

ごん:ちょっと上から目線ですけどね(笑)。

団長:次、「団長、イナリセブンとか熱く語りながらきつね寿司を食べる。本広監督も付き合う」。何やねん、「イナリセブン」って。

H谷:「イナリのうまい7人衆」とかそういうの言ってましたよ。

団長:あ、なるほど。「うどん屋のうまいイナリベスト7」みたいなものか。

ごん:あんたが言うたんでしょ!

H谷:しかもね、西の方は全て、「いなり寿司」じゃなくて「きつね寿司」って言うんですよ。そやのに「イナリセブン、イナリセブン」って。行く店行く店、メニューに「きつね寿司」って書いてるのに。

団長:そうやなあ。昔、西讃の某リスナーに「団長、詫間で育ったんだから子供の頃から『きつね寿司』って言いよったやろ!」ってきつく言われたことがあったな。

ごん:ということは、団長はもう都会に染まってしまったと。

H谷:そんな感じですねえ。悲しいですねえ。

団長:「都会の絵の具に染まらないで帰って」って言われたんやけどなあ。

ごん:言われるかーい!

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