編集 田尾 和俊
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団長:知らないことを「知らない」と言える人間になると、楽やぞ。
ごん:何ですか急に。
団長:いや、こないだ久しぶりにいわゆる「業界人」たちと会食する機会があったんやけど、その中にわかったふりをするやつが1人おってね。業界っぽいカタカナ用語が出て明らかに意味がはっきりわかってないのにわかったふりをして話に乗っていって、しかし他の人に「あいつ、わかってないぞ」いうのが薄々バレているというなかなか辛い状況にあったから、俺が時々「何ですかそれ」とか言うて出てきた業界用語を翻訳してもらっていたら、だんだん場が和やかになっていったという事件がありまして(笑)。ま、そういう点では『うどラヂ』はゆるい自然体を心がけてるから「楽やなあ」と改めて思った次第です。
ごん:リスナーの皆さんにも「こんな初歩的な質問をしたらバカにされないか?」とかいう心配が一切ない番組ですからね。
団長:しかも、我々も「そんなことも知らないのか?」とバカにされても「知らない」ということに対する負い目なんかほとんどないから平気、というスタンスだしね(笑)。
H谷:僕なんか知らないことだらけですから、いつも勉強になってます。
団長:というわけで、リスナーから業界用語に対する質問が来た回をお一つどうぞ。
「ディレクターズカット版」とは何か
団長:質問を頂いております。
恒例のごんさんのインフォメーションを聞いていてふと思ったんですが、「ディレクターズカット版をポッドキャストで配信中」という一節に疑問を感じました。録音の長さは収録時が一番長く、次いでポッドキャスト、さらに本放送という順番だと思うのですが、我々ポッドキャスト組の聞いているのがディレクターズカット版だとすると、それより短い本放送は、一体誰がカットしたのでしょうか。ディレクターより格の低いAD、またはもっと偉いプロデューサーがカットしたのでしょうか。併せて、ディレクターのK米さんの肩書きも気になるところです。是非ともこの謎を解明してください。
団長: 「ディレクターズカット」いうのはまあディレクターがカットするんやろけど、結局どういうことやねん。
ごん:例えば映画の劇場公開版は、興行的にいろいろ制限があるんで、監督としてはもうちょっと欲しいんやけど映画会社とかが商業的に「もうちょっと切ってくれ」とか言うて、たいてい監督の希望より短くするんですよね。
団長:なんで短くしたがるん?
ごん:そこはそれ、大人の事情があって(笑)。例えば映画は1時間半だろうが2時間超えだろうが、客の鑑賞料は同じでしょ?
団長:うん。
ごん:すると、なるべく短い方が回転率も上がるし、上映にかかる電気代とかも少なくて済むだろうから、ちょっと儲けが多いんですよ。
団長:なるほど。
ごん:あるいはテレビで映画を放送する時は、CMを挟んで番組の時間内に収めないかんとなるとさらにカットしないといけなくなると。
団長:なるほど、そういうのが「大人の事情」ね(笑)。
ごん:するとね、映画の監督とかはちょっと不満が残るわけです。そこで、例えば映画がDVDとかブルーレイとかになった時に「わしは本来はこういう編集にしたかったんや」いうて、カットされたくなかった部分を復活させて2時間の映画が2時間半ぐらいになったりする。それが「ディレクターズカット版」ですね。
団長:そういや、映画『UDON』の「ディレクターズカット版」は3時間超えとったわ。本広監督的には入れたかった場面が、相当カットされとったんやな(笑)。
H谷:ははははは(笑)。
団長:すると、整理すると、「ディレクターズカット版」でカットする「ディレクター」いうのは監督とか制作者のトップで、映画の劇場版とかラジオの本放送ようにさらに短くカットするのは、大人の事情を抱えた方々、ということでよろしかったでしょうか(笑)。
ごん:まあそんなところで。
団長:これ、うどラヂには珍しく謎が解けたやんか。では、残る謎は「K米さんの肩書き」ですが、何なんやろ?一応FM香川の仕事場に机はあるみたいやぞ。
ごん:2階の事務所に座ってるの、見たことありますよね。
団長:ただ、座ってたのがK米君の机か、みんなが使う机か、そこは確認できてない(笑)。
H谷:はははは(笑)。
ごん:K米さんの名刺も見たことがないですよね。
H谷:ないですねえ。
団長:「名刺はあるけど、我々ごときには渡すまでもない」ということかもしれんけど(笑)。
ごん:しかしこれ、今、社内の他の人に聞いたら誰も知らないんじゃないですか?いつもいるから何も思わなかったけど、冷静に考えたらK米さんが一体誰に雇われて誰から給料をもらっているのか、誰も知らない、という可能性もゼロではないですよ。
団長:ふーむ、ちょっとこっちは怪しいことになってきたか?
ごん・H谷:いや、聞いたらすぐに謎は解けると思いますけど(笑)。
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