編集 田尾 和俊
187
団長:ちょっと思い起こすけど。
ごん:どうぞどうぞ。
団長:『タウン情報かがわ』で「ゲリラうどん通ごっこ」の連載をやってたのが1989年~2002年頃だから、私は33歳~46歳ぐらいまで、まあやたらめったら手当たり次第にうどん屋巡りをしてたわけよ。
ごん:仕事と称して。
団長:仕事じゃ。ほんで連載が終わった後は、新規開拓は若いもんに任せて。
ごん:例えばH谷川君とか。
団長:あるいは長谷G君とか。
ごん:時には長S川君とか。
H谷:僕ばっかりじゃないですか。
団長:で、俺はH谷川君から「あの店はたぶん団長好みですよ」という報告をもらって、なるべくハズレに当たらずに幸せな讃岐うどんライフを送ろうと思ってたわけだ。
ごん:H谷川君にしてみれば迷惑な話ですけどね。
H谷:いえ、これも修業だと思ってますから(笑)。
団長:ところが、2006年に『うどラヂ』が始まったから、またいろいろうどん屋にネタを拾いに行かないかんようになってしまった。しかし人生もだんだん食事をする回数が少なくなってきたから、ハズレにはなるべく当たりたくないという気持ちもあって、新規の店に行く時の店選びにとても苦労しているという、特に笑いどころもないけどそんな回です。
店情報の探し方
団長:最近ちょっと気合いを入れて、新規の店に何軒か行ってるんやけど。
ごん:年を取ってくると、なかなか新規開拓が億劫になってきますからね。
団長:以前、心を入れ替えて新規の店に行こうとしたら、入れ替える心がなかったんや。だから今度は「心」でなくて「気合い」を入れて行き始めたんやけど。
ごん:相変わらずしょーもないことで葛藤してますなあ(笑)。
団長:それでね、俺はもうH谷川君と違って死ぬまでに食べる回数が少なくなってきたから「ハズレに当たりたくない」ということで、事前に吟味に吟味を重ねて行く店を選ぶんやけど、「何で選ぶか」というのが、これが難しくてね。選ぶのに苦労し始めてから、一般の読者の気持ちがやっとわかってきたわ。
ごん:普通の人はたいていそうなんですよ。
団長:とりあえず、雑誌とかネットとかテレビとかで新店情報を見るやん。ほんでそこからいろいろと判断材料を探すんやけど、まず、文字情報はほとんど役に立ったことがない。
ごん:紹介文とかは一応読むんですよね。
団長:読むよ。けど、いろんな表現がイマイチ訴えてこんのよ。例えば「やさしい味」とか「懐かしい味」とか書かれても、「うわ、やさしい味なんや!食べに行かないかん!」とかならんだろ。
H谷:はははは(笑)。
団長:「懐かしい味だって!食べたーい!」とかならんだろ。
ごん:「懐かしい味」に飢えてる人には刺さるかもしれませんけどね(笑)。
団長:「もっちりとした食感」とか「スッキリしたダシ」とか「コシが強い」とか書いてたら、たいていみんなスーッと読んでいくけど、冷静に考えたら実は「うまいかどうか」の決め手になってないんよな。「で、それはうまいん?」という話や。
ごん:確かに。「小麦の香りがする」とか言われてもね(笑)。
団長:あるいは「店主のこだわり」なんかをいろいろ書かれても、読み物としてはおもしろい情報かもしれんけど、「で、うまいん?」というところにはなかなか直結せんのよね。「いつも打ちたてを提供しています。10分経ったら全部捨てます」とか言われても、打ちたてでデキの悪い麺はあちこちにあるし(笑)。逆に少々ノビてもうまい麺もあるし。
ごん:「原材料にはとことんこだわってます」とかいうのも同じですね。
団長:そう。かといって「食べログ」とかいろんな個人サイトの中の文章は大半が素人さんが書いてるから「人を動かす文章」になってないし、しかもさっきみたいなありきたりな“食レポ用語”みたいなのを真似して書いてたりするから、これも私的にはイマイチ訴えてこんのよ。
ごん:「食べログ」の点数なんかは参考にしないんですか?
団長:時々、知ってる店に笑える点数が付いてたりするから(笑)。それでね、結局、写真とか映像の“ビジュアル”に頼ってしまうわけだ。
H谷:そうなりますよね。
ごん:ま、店内の雰囲気とかうどんのビジュアルとかは、見たらわかりますからね。
団長:文字よりははるかによくわかるんやけど、俺はやっぱり写真も映像も「麺」を見るんよ。麺のビジュアルで大体判断する。加えて映像なら、麺の持ち上がり方でもなんとなくわかる。
H谷:そうですね。
団長:ほんで、写真や映像で「この麺はうまいぞ」と思うような店が時々見つかって、実際に行って食べてみたら5軒に1軒ぐらいほんまにうまい麺に当たる。あと、「うまいけど思ってたほどすごい麺ではなかった」というのが3軒、「写真に騙された」いうハズレが1軒という感じ。
ごん:じゃあ、写真や映像で麺を見て「うまいんちゃうか?」と思った店の8割ぐらいが、実際うまかったということ?
団長:うん。それぐらいはわかる。H谷川君も麺の写真見たらそれぐらいわかるだろ?
H谷:わかりますね。
ごん:それって、すごくないですか?
団長:すごいのか。じゃあ今度一回、俺とH谷川君が行ったことのない店の麺の写真だけ見て「これはうまいんちゃうか?」と思う店を数軒ピックアップして、その店をみんなで巡って答え合わせをするツアーをやってみるか(笑)。
ごん:それ、絶対おもしろい!
バックナンバー
-
#128 「うどんをすする音」 (2024.06.11更新) -
#127 「讃岐うどん珍百景まとめ」 (2024.06.04更新) -
#126 「うどん巡りのお立ち寄りスポット」 (2024.05.28更新) -
#125 「うどんにハマったきっかけ」 (2024.05.21更新) -
#124 「台風翌日の「はりや」」 (2024.05.14更新) -
#123 「台風の日の「はりや」」 (2024.05.07更新) -
#122 「アーチストのうどんケータリング」 (2024.04.30更新) -
#121 「苦し紛れのうどん屋情報」 (2024.04.23更新) -
#120 「年に一度は「八十八庵」」 (2024.04.16更新) -
#119 「タイムランチ」 (2024.04.09更新) -
#118 「峰山と王越」 (2024.04.02更新) -
#117 「「斉賀部屋」」 (2024.03.26更新) -
#116 「」 (2024.03.19更新) -
#115 「「ふみや」の「うどん焼き」」 (2024.03.12更新) -
#114 「強力粉でうどん」 (2024.03.05更新) -
#113 「食後のパン」 (2024.02.27更新) -
#112 「メルヘン喫茶」 (2024.02.20更新) -
#111 「豚珍館のソフトクリーム」 (2024.02.13更新) -
#110 「はなまるの功績」 (2024.02.06更新) -
#109 「団長の色水遊び」 (2024.01.30更新)




















