編集 田尾 和俊
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団長:90年代のブーム当初を牽引してきた讃岐うどん界の第一世代や第二世代の大将たちは私が何人かと懇意にさせていただいておりますが、続く第三世代の大将はH谷川君がけっこうコミュニケーションを取ってくれてるから、麺通団としては実に心強いところではあります。
ごん:うどん界も麺通団的にも、うまいこと世代交代が進んでいるという感じですね。
団長:ただ、長谷川君と第三世代の大将のコミュニケーションはプライベート感がありすぎて、俺らがどこまで乗っかって一緒にいじっていいのか、戸惑うことがままあるんよ。
ごん:確かにあります(笑)。
団長:だから、H谷川君の「大将ネタ」については「全責任はH谷川君にある」ということをしょっちゅう念押ししとかんと、ヒヤヒヤするんよ(笑)。
H谷:大丈夫です。僕は大将本人の了承が取れているものだけしかしゃべりませんから(笑)。
県外人の質問に答える大将
団長:打ち合わせなしでお送りする、H谷川君の、とれとれピチピチ讃岐うどん情報~!
ごん:いえーい!
H谷:今やってるワールドカップに掛けてキラーパスを頂きましたが。
団長:うまいこと言うやないか。
H谷:あのー、うどん屋でね、大将が県外のお客さんからよく質問されることがあるらしいんですけど。
団長:ブームやからいろいろあるやろね。「この店にイケメン大将がいるって聞いたんですけど、どの人ですか?」って大将本人に聞いたりとか。
H谷:そんな質問は、ある特定の店でしか聞いたことがないですけど。まあ店の注文システムとか、おすすめのメニューとか、「このメニューはどういうふうに食べるんですか?」とか、そういう質問はうどん屋だけでなくてたいていの飲食店でよくあると思うんですけど、何人かの大将に聞いたら、おそらく香川のうどんの店にしかない、他の食べ物屋ではまず聞かないだろうという質問が来るらしいんですよ。
ごん:ほう。
H谷:うどんを食べ終わった後、大将に「ごちそうさまでした。この次もう一軒行こうと思うんですけど、どこかここ以外でお勧めの店ありますか?」って聞いてくる県外のお客さんが結構いるらしいんです。
団長:失礼なやつやのー。
H谷:でしょ?こんな質問、香川のうどん屋さん以外ではまずないでしょう。
ごん:だけどまあ百歩譲って、そこで食べてるからね。店に入ってすぐに「大将、この近くにうまいうどん屋さんありますか?」言うのはさすがに失礼ですけど(笑)。
H谷:でも、それに近いのが「飯野屋」で一回ありましたよ。店に来ていきなり「『おか泉』のお土産うどんありますか?」って聞いてきた客がおったという。
ごん:あっはっは!
H谷:僕ら、例えば徳島ラーメンとか食べに行っても、食べ終わって「もう一軒行くんで他のラーメン屋教えてください」なんか絶対言いませんよ。
団長:そこは普通、気を使うよな。
H谷:でも香川のうどん屋さんはそれがあるらしいという。
団長:何やろ。「讃岐うどん巡り」がレジャーになったから、「次の店に行く」いうのが「店の人にとっても当たり前だろう」と思ってるんかな。
ごん:あるいはこのご時世、無神経な客が増えてきたとか。
団長:それもないとは言い切れんなあ。
H谷:それでね、大将は聞かれたら仲間のうどん屋を教えたり、自分の好きな店を勧めたりしているらしいんです。
団長:みんなやさしいのー。
H谷:あんまり快く思わない大将もいるらしいんですけど。
団長:はははは(笑)。ま、そら普通に考えたらそんなに快くはないわな。
H谷:でね、1軒ちょっとね、変な勧め方をする大将がいて。
団長:お、ええ感じに話が展開してきたぞ(笑)。
H谷:「うぶしな」なんですけど。
団長:いかん、もう半笑いになってきた(笑)。
H谷:聞いたら、「うぶしな」の大将は全然うどんに興味ないらしいんです。
団長:あんなにうまいうどん出すのに?
H谷:ええええ。大将曰く「もう作るだけでいい」って言って、よそのうどん屋さんに一切食べに行かないらしいんです。
団長:なるほど、だから教えようにも情報を持ってないと。
H谷:そうなんです。それで「うぶしな」も県外客から「次どこか行きたいんですけど、ここがおいしかったんでこことよく似たお店はないですか?」とか、いろんな聞き方でそういう質問をされるらしくて、聞かれたらいつも「すんません、ちょっとよそのうどん屋のことはよくわからんので」と断ってるらしいんです。でもあまりに何回も聞かれるもんだから、1回ね、「お勧めの神社だったらあるんですけど」って言うたらしいんですよ。
ごん:あっはっはっは!
H谷:大将に「何でうどん食いに来て香川の神社巡りやらないかんのや」って言ったら、「だって僕、大将じゃなくて神主だもの」って。
ごん:あっはっはっは!一応「宇夫階(うぶしな)神社」の神主だから。
H谷:そしたらお客さんから、「それはいいです」って言われたそうです。
ごん:あっはっは!そらそうやろ。
団長:けど、そこは聞いたお客さんも一つ乗っかってお勧めの神社を聞いて欲しかったね。ほんで「祭ってる主祭神はなんですか?」とか、「やっぱり大山祇神(オオヤマヅミノカミ)ですか」とか展開せないかんやろ。
H谷:さすがにそれは一般人には厳しいと思いますけど(笑)。
団長:ちなみに、宇夫階神社は「オオナムチノミコト」が主祭神です。
H谷:じゃあとりあえず、大将もお客さんもその主祭神に謝っといてもらいましょう。
団長:あっはっはっは!
H谷:ちなみに、「普通のお客さんは神社なんか勧められても困るから、香川でよく玉がでるパチンコ屋でも教えてあげたらいいじゃないですか」って言ったら、「それは俺が知りたい!」って言ってました。
団長:えー皆さん、という話はさておき、宇夫階神社は境内に入ってすぐのところに「『インタレスト』が選ぶスタイリッシュな鳥居」のナンバーワンに選ばれたカッコいい“中山鳥居”がそびえ立っていますので、うどんと一緒にぜひどうぞ。
ごん:団長がふわっと逃げました(笑)。
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