編集 田尾 和俊
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団長:讃岐うどん巡りブームを牽引してきた名店の中には、「前へ前へ出てくる美人だった女将」が何人もおられるわけですが。
H谷:過去形になってるじゃないですか(笑)。
団長:いや、私の中では皆さん、もちろん現在形ですよ。ただし、何しろ皆さん私よりお歳を召されておられますし(笑)。
ごん:ま、一般的には一歩引いてというか、ちょっと謙遜してということですね。
団長:その通り。で、今回はそんな皆様を代表して、特に前へ前へ出てくる元美人女将に私が手玉に取られた回を一つ(笑)。
実家知っとるから
団長:先日、丸亀の「渡辺」に行ってまいりました。
ごん:NEW渡辺の方?
団長:そうそう。オープンしてしばらく経って、「店は落ち着いてきたけど女将さんだけ落ち着いてない」というネタで知られる丸亀の「渡辺」。
ごん:あっはっは。
団長:夕方の割と空いてる時間帯やったから、駐車場にゆっくり車を止めて店に入ったら、いきなり女将さんが出てきて「まあー!」って言われまして(笑)。
ごん:あっはっは!意味があるかどうかわからないという、とりあえずのリアクションですね。
団長:ほんでとりあえずカウンター席に座って、形がだいぶ整ってきたという「木の葉型天ぷら」の天ぷらうどんを頼んだんやけど、ようなっとるのー。
H谷:なっとるでしょ。
団長:まず、麺の状態がプレオープンの時よりはるかにようなっとる。細さ加減が今、俺の中で一般店のベストの状態というか、とにかくええ感じでできとんや。さらに麺の食感は渡辺ファミリー独特のちょっとカタコシ系のやつがあの細さで柔らかい風合いが出て、何というか、とても食感が「美しい」。さらに、ダシがええわ。
H谷:ダシがええです。
団長:渡辺ファミリーのダシは何か独特の、飲んだ後、最後に鼻の奥にフッと抜ける、みんなが使う言い回しやけど、何かがフッとあるやん。その独特のクセが、ファミリーの中でも丸亀の「渡辺」が一番スッキリしとる感じがする。
H谷:あのダシですけどね、「ファミリーの中でもうちだけ、絶対によそのうどん屋では使ってないものを1つだけ入れとる」って昔から言ってるんですよ、女将さんが。
団長:女将さんが?それは今ひとつ信用できんのー。
ごん:あっはっは!
H谷:「絶対よそでは使ってないあるものを入れてるのよ~」って(笑)。
団長:H谷川君も全然信用してない言い方してるやないか(笑)。
H谷:僕も興味がないんで、別にそれ以上聞かないんですけど。
ごん:あっはっは!
団長:「何かを入れている」のではなくて「何かが抜けている」のかもしれんけど(笑)。ほんで大満足して食べ終わって、最後にお金を払おうとしたら、ポケットに財布がないことに気がついたんや。
ごん:あらら。
団長:車の中に財布を置いたまま店に入ってしもたんや。そやから女将さんに「財布を車の中に置いてきたから、ちょっと取ってくる」言うたんやけど、念のために一ネタかまして「言うとくけど、決して食い逃げではないですからね。今からこの場をちょっと去るけど、車に財布を取りに行くだけやでー」言うたら、女将さんが「あー、ええよええよ、実家知っとるから」って。
H谷:全然信用されてないじゃないですか!
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