麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:皆さんご存じのように、「誠実さ」をモットーとして人生を歩んできた私ですが。

ごん:ま、自分では何とでも言えますからね。

団長:「探偵100人雇って、45年遡って徹底的に調べても何も出てこんぞ。ただし、46年遡ったらいかん(笑)」というネタも持ってるぐらい誠実なんやけど、ちなみにこれの元ネタは、私の大好きだった花紀京と岡八郎の吉本新喜劇からです。

ごん:そんなんありましたっけ?

団長:プレハブの工事現場事務所に岡八郎が逃げ込んでくるんや。すると、親方役の花紀京が岡八郎をかくまってロッカーの中に隠したところへ警察官が調べに入ってきて、「ここに逃げ込んだやつがおるやろ!」言うたら、花紀京が「誰もおらん。疑うならどこでも調べてくれ」言うた後、ロッカーの前に立ち塞がって「ただし、ここだけは調べたらいかん」って言うたという名シーンから作ったネタなんやけど。

ごん:まあ、オマージュっぽくできてるような気もしますけど(笑)。

団長:しかしそんな私の誠実な人生を、H谷川君が全然信用せんでのー。

H谷:いや、これだけの人なんで絶対何かあると思うんですけど、なんぼ聞き込んでも何も掴めんのですよ。

団長:というH谷川君が一瞬、狂喜乱舞した事件がオンエアされた回です(笑)。

H谷川君、団長のしっぽを掴む?!

団長:こないだ。

ごん:はいこないだ。

団長:夕方4時半頃から、あるインタビュー取材に出かけて行ったわけです。ICレコーダーを持って、1時間少々の。

ごん:うどん関係の?

団長:うどんではないやつの方や。

ごん:あー! 

団長:重い方。

ごん:あっはっは!あっちの方ね。ごめんなさい、リスナーの方はよくわからないと思いますけど、団長が一番プレッシャーの掛かる定期的なインタビューのお仕事(笑)。

団長:そうです。ほんでね、その収録に際しては当然、携帯電話はマナーモードにしてね。途中で着信音が鳴ったら機嫌を損ねる方なので。

ごん:あっはっは!

団長:そこはものすごく気を使ってね。

ごん:団長が頭の上がらない方のインタビューですからね(笑)。

団長:そしたらまたタイミングの悪いことに、収録中に携帯がポケットの中で着信の振動をし始めたんだ。

ごん:あらら。

団長:しかし取るわけにもいかんので、とりあえずそのまま放置して、1時間ぐらいのインタビュー取材を終えたわけだ。

ごん:はいはい。

団長:ほんで車に乗って家に帰っている途中に「さっきの電話、誰からやったんやろ?」と思い出して、スーパーの駐車場に車を止めて確認したんや。そしたら、うちの家内から「今晩何か食べに行きたいなあ」ってメールが入っとって。

ごん:はっはっは(笑)。

団長:そやから、何か食べに行くなら家内をマンションの下で拾ってそのまま行こうかと思って、スーパーの駐車場から家内に電話をしたんや。そしたら電話に出んのよ。

ごん:ほうほう。

団長:で、しょうがないからそのまま帰ろうとしたら、そこにすぐに電話が掛かってきた。

ごん:折り返しでね。

団長:するとやね、さっき俺が家に電話をして出んかって、ほんの30秒ぐらい後に電話が掛かってきたから、これは確実にうちの家内からの電話やと思うやん。

ごん:あの、今、うっすらと話が見えてきたんですが…(笑)。

団長:ほんでそのまんま電話を取って、向こうから「今どこにおるん?」とか「食べに行けるん?」とか聞いてくる前にいきなり「今、コープの前」って言うたんや。ほんだら、「はあ?」とかいう声がして…

ごん:あっはっはっは!

団長:「あ、今コープの前で…ええ?誰?あ、H谷川君」。

ごん:あっはっはっは!

H谷:「はい。私ですけど」(笑)。

団長:何でそんなタイミングでH谷川君から電話が来るんや!俺、すぐに「かくかくしかじかで、誰が考えても家内から電話が返ってきたと思うやんか」言うて事情を説明したんやけど、もうH谷川君の腹が真っ黒になったのが目の前に見えたわ。ほんで腹黒い声で、「ええもん聞かせてもらいました」って。

ごん:あっはっはっは!

H谷:やっと団長のしっぽ掴みましたよ。団長に電話したらいつも「田尾でーす」いうて取ってくれるのが、いきなりあれですからね。しかもさっき団長が言ったのはね、あれはちょっと作ってます。実際はもっと優しい声で「今、コープの前や~」って、こんな感じなんですよ。

ごん:え?ごめん、あのー、団長の言い方を聞くと、事務的な感じで「コープの前」いうて言うたように聞こえるんやけど。

団長:当たり前や。「もう家の近くのコープまで帰ってきてるから、間もなく家に着く」という、ただ俺の現在地を知らせる事務連絡をしただけやから。

H谷:いや違いますよ。すごく優しい声で「今、コープの前や~」って(笑)。「これ、誰と間違ってるんだ? 団長は」。

ごん:あっはっはっは!

H谷:あの完璧な団長が、やっとミスったかと(笑)。

団長:もうそれからH谷川君、俺が何をどう説明しようが全然聞かずに、俺の説明に被せて被せて「え?コープの前で待ち合わせですか?」「すみません、何かお邪魔したみたいで」「わかりました。1時間後にかけ直します。あ、2時間後の方がいいですか?」……と畳みかけてくるという、サイテーの事件がありました。

H谷:もう、めちゃくちゃ笑いましたよ(笑)。

団長:捏造じゃ!

ごん:でもまあ、『うどラヂ』は団長自らよくおっしゃられているように「おもしろい方が事実になる」というのが原則ですからね(笑)。

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