編集 田尾 和俊
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団長:『うどラヂ』はFM香川の中でも有数の知性と創造力あふれる番組であるから、
ごん:たぶん誰もそう思ってませんけどね(笑)。
団長:リスナーもそのあたりを汲み取って、お便りでいろんな提案なんかを頂くわけです。
ごん:過剰に汲み取っていただいてね(笑)。
団長:そこで今回は、軽い「提案」のお便りの回を紹介しましょう。
うどん神社
団長:久しぶりに展開力の匂いがプンプンするお便りを頂いております。
ごん:「展開力の匂いがする」であって、「展開力がある」というわけではないんですね。
団長:展開するかどうかは、きみらの能力にかかっている。
H谷:団長が展開するんじゃないんですか?
団長:もう、いつまでも私が中心になってしゃべるような時代じゃない。会社だろうがグループだろうが、組織のトップの仕事の半分は「組織の業績を伸ばすこと」だけど、残りの半分は「後継者の育成」。それがビジネスの原理原則であるから、私もいずれ君たちに主役の座を譲るために、心を鬼にして指導しないといけない。
ごん:でも「いずれ」ということは、まだ譲る気はないんですね。
団長:団長交代、断固阻止!
ごん:あっはっは!
団長:お便りに戻りましょう。
こんにちわ、平成レンタカーです。
ごん:おー、番組の大事なスポンサーさんからお便りが来ましたか。平成レンタカーの社長さんは、以前、番組に出てもらったこともありましたね。
H谷:というか、視察に来られた社長さんをそのまま無理やりスタジオに引き込んだんですけどね(笑)。
団長:そして今度はお便りで登場ということは、このままいくと平成レンタカーさん、これから番組の常連になってしまうという恐れがあります。
ごん:「恐れ」ですか!(笑)
さっそくですが、「うどん神社」を作りませんか? うどんを食べる人、作る人、みんなうどんに感謝を捧げる、そんな聖域ができたら讃岐うどんはますます発展することでしょう。うどんだけに「うどん稲荷」でもおもしろいかも。
ごん:確かに、香川だったら昔から「うどん神社」みたいなものがあってもよさそうな気がしますよね。
団長:昔、大野原のでっかいセルフの「萬城屋」の横にちっちゃい「うどん神社」いうのがあったけどな。
H谷:割れた丼とかを供養する場所を作ってましたね。
団長:けど、あれはあの店だけのもので讃岐うどん全体の神社ではなかったから、やっぱり公共的な、讃岐うどんの歴史的な何かを背景にしたような神社は昔もなかったし、今もないと思う。もしどこかにあったとしても、今までメディアで大きな話題になってないということは、公には「ない」のと同じようなもんやからな。
ごん:滝宮天満宮で献麺式とかやってません?
団長:献麺式は昔から高松の中野天満宮とか金刀比羅宮とか滝宮天満宮とかでやってるみたいやけど、「うどん神社」ではないからなあ。あと、総本山善通寺で「うどん法要」とかもやってるらしいけど、あそこも「うどん寺」じゃないし。
ごん:作ります?
団長:まあ我々には作れんけど、もしどこかが作るとしたら、神社というのはやっぱり歴史的な背景があってこその施設やから、100年後に、あるいは数百年後に「こういう形で定着する」というビジョンを立てて作ってもらいたいね。例えば、近年よくある「にぎわい創出」などというテーマを掲げて安易に作るんじゃなくて、ちゃんと長期戦略に立ってね。
ごん:おっしゃる通りです。
団長:そこで、新しい「讃岐うどん神社」というものをいかなる形で作るべきかということについて我々、先ほどから検討を重ねてまいりました。
H谷:何か話がおかしな方向に進む気配がしてきましたよ(笑)。
団長:その結果、まずごんさんから「あのシャリンシャリンってひもを引っ張って鈴を鳴らすやつのひもの部分をうどんで作る」という案が出まして……アホか! 俺がここまで歴史がどうのとか散々言うてきたのに、何だそのアイデアは!
ごん:それ言うたの、団長じゃないですか。僕はそれじゃなくて、「手洗い場の清めの水がうどんのダシになってる」という…
H谷:いいですね、どうせならぜひ香の香のダシで。
団長:そんなことしたらペットボトルに入れて持って帰るやつが出てくるぞ…って、アホか!
ごん:あと、門の所に“阿吽”の仁王さんみたいなのがおるやん。あの2人が麺棒を持って見得を切っとるとか。
団長:あれは神社でなくてお寺じゃ。
ごん:じゃあ、おみくじ。ジャカジャカと振って出てくるやつね、あそこから乾麺でできたおみくじが出てくる。
団長:その乾麺に一本一本うどん屋の名前が書いてあってね、「やったー! 柳川が出た!」とか。
H谷:団長、柳川大好きですからね(笑)。
団長:「うわ…また○○か…」とか。
H谷:そこは仮の名前も入れられませんけど(笑)。あと、神主のユニフォームはやっぱり前掛けとバンダナですね。
団長:そのうどん神社は結婚式も受けるんか?
ごん:もちろん受けますよ。で、定番の儀式として、新郎新婦が乾麺で作った指輪をはめて。
団長:それから、うどん生地で作った「ウェディングうどんダンゴ」に入刀する。
ごん:そのあと、長~い麺の両端を新郎新婦がくわえて両側からチュルチュルチュルいうてね。
H谷:うわー、それはイヤや(笑)。
ごん:ほんで、ライスシャワーの代わりに打ち粉シャワー(笑)。
団長:「ASWじゃー!」「さぬきの夢じゃ!」「コーンスターチじゃー!」いうてね。
H谷:汚れてゴジャですがな!
ごん:こんなん“ない話”、なんぼでもできますよ(笑)。
団長:いや、それがな、最近2回も結婚式の披露宴に呼ばれて行ったんやけど、2回ともうどんが出てくるアトラクションがあったんよ。1回目はキャンドルサービスの時に、普通は新郎新婦が火を持ってみんなのテーブルの上のローソクに火を付けて回るやん。
ごん:やりますね。ローソクにビールとかかけて火が付きにくくするとか、しょーもないことやるテーブルが必ず出てきたりしてね。
団長:それがや、俺が行った披露宴はテーブルの真ん中にローソクでなくて丼に入ったうどんがあって、新郎新婦がやかんを持ってきてそれにダシをかけて回るという趣向やった(笑)。あともう一つの披露宴では、いろんなうどん屋さんの大将が出てきて…これは詳しく話をしよったら数週間前に放送したアレが何事かというのがバレてしまうから言えんのやけど(笑)。
H谷:言えませんけど、あれは素晴らしい企画でしたよね。
団長:まあとにかく、そういうのを結構たくさん見てきた私に言わせれば、そんな「うどん神社の結婚式」みたいな話は“ない話”ではなくて、すでに巷できっと行われているはずだということで、ここはしっかりと中長期計画で、少し腰を据えて考えた方がええ。
ごん:うどんだけに“腰を据えて”ね(笑)。
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