編集 田尾 和俊
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団長:それにしても、讃岐うどん巡りブームを牽引したレジェンド店の大将はみんな素晴らしい個性を持ってたとつくづく思うなあ。
H谷:ほんと、素晴らしい方々ばかりです。
団長:「キング山越」とか「ゴッド宮武」とか、リングネームがついてた大将もおるし。
H谷:リングネームじゃないですけど(笑)、それ、どちらも映画『UDON』の本広監督の命名ですね。
団長:あと「田村」の大将も、あの誰が作ってもうまいこと作れんかった「さぬきの夢2000」を見事なうどんに仕上げたのを見た山陽放送の石原Dが、「神の手」と命名したし。
ごん:団長は誰か命名してないんですか?
団長:しいて挙げれば、「デニーロ岡田」ぐらい。
ごん:あっはっは!
団長:俺がネタにさせてもらうのは最大限の親愛の表現なんやから、そこは笑たらいかんとこや(笑)。
讃岐うどん界のロバート・デニーロ
団長:こないだ。
ごん:はいな。
団長:全国紙のA新聞から。
ごん:明らかに一つに絞られますけど。
団長:ほんまか? A旗新聞もあるぞ。
ごん:そこは絶対団長にかかってきません(笑)。
団長:じゃあそのかかってきそうな方のA新聞の東京の女性記者から連絡があって、讃岐うどんの取材をするらしいと。
ごん:ほうほう。
団長:何でも、何かで讃岐うどんが選ばれたとか言うて。
ごん:何ですか?
団長:全国の何とか言いよった。
ごん:せめてそこは聞いときましょうよ。ええことで選ばれたわけでしょ?
団長:そうそう。何かええことで讃岐うどんが選ばれたとかで、それで記者の人が現地に行って体験したり取材したりしたことを記事にすると。
ごん:はいはい。
団長:そこで、「もしよかったら一緒に回ってくれませんか?」いう依頼やったんやけど、平日だったんで「私は仕事があるんで行けません」言うたんや。そしたら、「どこの店に行けばいいかわからないので、お勧めの店をいくつか挙げていただけませんか?」言うから、とりあえずどんなところに行きたいかを聞いて、その目的にふさわしい店をリストアップして、それぞれ簡単なコメントまで付けてメールで送ってあげたんや。
H谷:相変わらずサービス精神旺盛ですね(笑)。
団長:そしたらその記者が私が送ったリストを元に店を選んで、さらに『超麺通団3/讃岐うどんの巡り方』という、あの素晴らしい、今世紀おそらくあれ以上のうどん巡り雑誌は出ないんではないかと思われるような雑誌を買って…
H谷:さすが麺通団団長です。自分を褒めるのもセルフサービスで。
ごん:うまいっ!(パチパチパチ)
団長:そんな『笑点』みたいなコメントはいらんけど、それでリストに挙げた店が全部『超麺通団3』に載っとるから、それを事前にみっちりと読み込んで香川に乗り込んで来たらしいんや。で、無事取材を終えたその日の夕方にまた電話がかかってきて、「東京に帰る前に田尾さんのお話を聞きたい」言うから、俺、ホテルの喫茶まで出向いて話をしてきたんやけど、その時に聞いた話や。
ごん:ほうほう。
団長:まず1軒目に、「おか泉」に行ったらしいんや。
H谷:いきなり一般店の王者に。
団長:「おか泉」に一番に行くのは事前に決めとったらしくて、前の日から『超麺通団3』の「おか泉」のページを隅から隅まで、暗記するぐらい読み込んだんやて。
ごん:さすがA新聞の記者、事前準備に怠りはないですね。
団長:そしたら、その中でものすごく気になる表現があったらしいんや。
ごん:何ですか?
団長:「おか泉の大将は、顔も動きもロバート・デニーロに似ている」みたいな表記があったらしいんだ。
ごん:あっはっは! 確かに書いてました!
団長:誰がそんなこと書いたんや。印刷屋か誰かが勝手に入れたんか?
ごん:あんた以外、誰がそんなこと書けますか!(笑)
団長:で、取材前日にはそれがちょっと頭に残っとったらしいんやけど、当日になったらさすがプロや。朝からしっかりと頭が取材モードに切り替わって、質問項目は全部メモして、「冷や天おろしが名物らしいから、まずはそれを頼んで、食べ方やこだわりをちゃんと聞いて…」とかいろいろ考えながら、車で「おか泉」に行ったんやて。
ごん:完全に戦闘モードに入ったわけですね。
団長:まあ俺も編集者やったからわかるけど、プロとはそういうもんや。ほんで店に入って、出てきた人に挨拶をして大将を呼んでもらって、「失礼があったらいけない」とドキドキしながら待ってたら「お待たせしました」いう声がしたんで顔を上げたら、「ロバート・デニーロ」が出てきたんやて(笑)。
ごん:あっはっはっは!
団長:その瞬間、もう腹筋攣るぐらいおかしいて取材モードが吹っ飛んだらしい(笑)。
ごん:あっはっは!
団長:しかし笑ったら絶対失礼やし、もし辛抱できんで笑っても、何で笑いよるか絶対言えんし(笑)。
ごん:あっはっは!
団長:もう取材の最初から最後まで、死ぬかと思ったらしいわ(笑)。
ごん:ひいーっ! 苦しい!(笑) いや、すんません、全くその通り、ロバート・デニーロも「おか泉」の大将もとってもダンディーな方ですからね。
団長:という話をA新聞の女性記者から聞きまして、ワタクシ、改めて自分の書いた原稿を今、自信を持って皆さんにお勧めできると確信した次第です。ではまた来週(笑)。
ごん:ひー… 苦しい…
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