麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:これまで俺ら、番組の中でいろいろ讃岐うどんの新しいプロモーションの提案をしてきたけど、ちっとも実現せんのー。

ごん:しょーもない提案ばっかりだからじゃないですか?

H谷:「F麺」とか「麺会議員」とかね。

団長:こないだの「讃岐盛り」とか、ええ線いっとったと思たんやけどのー。

ごん:それね、たぶん実行力が伴ってないからですよ。若い頃は何か思いついたら結構すぐにやってましたやん。

団長:確かにそうやなあ。うどん関連だけでも、「ゲリ通」の連載に始まって「讃岐うどん王選手権」も「讃岐うどん巡礼88カ所」もやったし。

ごん:中央公園でうどん店集めてイベントもやりましたよね。

団長:おー、なるほどそういうことか。「提案するだけでは何も実現せん。実際にやったら実現する」。これが真理か。

花見でうどん

団長:春たけなわではありますが。

ごん:“宴たけなわ”とかもよく聞きますけど、「たけなわ」って何でしょうね。

団長:何やろな。「あのおとなしいタケちゃんが縄振り回してはしゃぐぐらい盛り上がってる」という感じかな。

H谷:絶対違います。

団長:俺も無理やりボケたんやけど、今年も春たけなわの花見の季節がやって来て、ふと思ったわけよ。

ごん:何でしょう。

団長:「花見でうどん」って、あんまり見たことないやろ。

ごん:ないですねえ。

団長:花見のシーズンになったら、香川県中のそこいら中の桜の下でお酒や弁当からカラオケまで出してきてどんちゃん騒ぎしよるやん。ところが、このうどん王国讃岐にあって、そこに「うどん」のシーンがほとんど見られんというのは何たることだと。

ごん:確かに。最近なんか花見で鍋とかもしますから、そこにうどんがあってもおかしくはないですわな。

団長:うどんの釜を持っていってるやつがおってもおかしくないだろ。

H谷:釜はさすがにちょっと(笑)。まあガスコンロとかね。

団長:違う違う、丸釜や丸釜。玉藻公園の桜馬場で、サラリーマンとかがいっぱい出てきて「花見だ」「夜桜だ」言いよるところに丸釜をドンと据えて、そこでグラグラ湯を沸かしてうどんを茹でる。

ごん:棒で8の字にかき回してね(笑)。

団長:ほんで、「釜あげ」からかけ、ざる、ぶっかけ、しょうゆ等々、あらゆる種類のうどんを作って食うわけや。

H谷:それはうらやましいですね!

団長:うらやましいやろ、これ。

ごん:そこに桜の花びらもちょっと浮かんだりして。

団長:風流やがな。しかも、花見会場っていろんなグループがたくさん来て食ったり飲んだりしとるけど、そこで周りの人に「ちょっと私らお弁当余ってるんですけど、食べますか?」とか言う人、おらんやろ?

H谷:いませんね。

団長:「おにぎりとか卵焼きが余ってるんですけど、どうですか?」とかもおらん。けど、うどんはできるぞ。「みんな寄って来て寄って来て! 今から釜あげ取れるでー! 釜玉今やでー!」言うて、みんな呼べるやん。

ごん:おかしいおかしい! それ、そのままうどん屋やん!(笑)

団長:けどタダや。「うどん」は「タダでお裾分けできる花見のグルメ」の代表格になれる素材やぞ。

ごん:そう言われりゃ、確かにそうですなあ。

団長:よし、これは新しい讃岐うどんのシーンとして、君が始めろ。

ごん:えーっ。

団長:まず、君が仲間を集める。昔、青いバイクでゲロゲロいいながら走りよった仲間を集めて、花見会場に釜を持っていって「花見うどん」を決行する。絶対マスコミが取材に来るぞ。

ごん:団長は何をするんですか?

団長:俺は恥ずかしいから遠目に見とく。

H谷:あははははは!

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