編集 田尾 和俊
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団長:2000年代は「讃岐うどん巡りブーム」が超ピークに湧いていた時代でしたが、あの頃は麺通団も“ブームの仕掛け人”として知られてたから、いろんな話が舞い込んできてました。今回はそんな話の中から1本。
麺通団監修「某ソンのうどん」
団長:数週間前に我々3人、写真を撮りに行ったわけですが。
ごん:3人並んだ写真を撮りました。
団長:しかも全員、とびきりの笑顔でね(笑)。
ごん:1カットしか使わないのに、50カットぐらい撮ってきました。
団長:で、その写真を一体何に使うのかということについて、私とごんだけしか知らないと。
H谷:そうなんですよ。何だったんですか、あれ。
団長:あの写真は間もなく、全国あちこちに出回ることになってしまいます。
H谷:何すかそれ!
団長:その写真が出回った場所には、きっとH谷川君も偶然行くであろうと。
ごん:1週間に4回ぐらいは行くと思いますね。
団長:そこで自分の写真を見つけたH谷川君が「えーっ! こんなところに僕が!」って驚くのが目に見えるようです。
H谷:そんなんはもういいですから、教えてくださいよ!
団長:どうしてもと言うならしょうがないな。あのな、全国的に有名なあるコンビニチェーンの方から連絡があって、「実は新商品として夏にうどんの商品を出したいんですけど、つきましては麺通団に監修をしていただきたい」というオファーがあったんや。
H谷:すごいじゃないですか。
団長:それで最初の打ち合わせの時に、先方が試作品を持ってきたんや。けど、その麺を見たら「チルド」なんよ。チルドの麺はどうしてもそうピチピチとしたうどんにはならんやろ? だから麺通団としては最初は断ろうかと思ったんやけど、一緒にダシも具も試作して持って来てて、その場で「とりあえず作ってみましょう」ということになって作って食べたら、やっぱり麺はチルドの麺の限界を超えてないんやけど、ダシが殊の外(ことのほか)ええ感じで、これならいけるぞという感じになったんや。
ごん:具材も結構おいしかったですね。
団長:けどまあ、麺通団として出すなら「これはちょっとギリギリやな」と思ったワタクシが、ある画期的なアドバイスをしました。
ごん:ま、一言ですけどね。
団長:一言やけど、あれで作り直してもらったら、化けただろ?
ごん:確かに、あのアドバイスは見事でした。
団長:な、あれをどうにかするにはああするしかないだろうと思ったんよ。
H谷:ええですから、もったい付けずに早よ言うてくださいよ。
団長:ま、麺を細くしたわけだ。そしたら、あのチルドのゴワゴワ感が見事に消えた。
H谷:極細にしたんですか?
団長:いや、柳川ぐらい。
H谷:それ、ただの団長の好みやないですか(笑)。
団長:俺の好みは“俺の好み好きの人”全員の好みやんか。
ごん:メチャメチャ限定的な好みですけど(笑)。
団長:でね、先方が「細くしたら讃岐うどんから少し外れるんではないか?」みたいな心配をしてきたから、「柳川のうどんはこれぐらいです」言うて押し切った(笑)。「誰かが“讃岐うどんはこんなに細くない”いうて文句言うてきたら、いつでもごんが受けて立ちます」言うて。
ごん:何でやねん。
H谷:はははは。
団長:ところが、麺の問題を最低限クリアしたと思ったら、もう一つ難関が出てきたんや。いや、僕らは全然難関でなかったんやけど、先方がすごく気にしてたことがあって、それを恐る恐る切り出してきたんよ。
H谷:何ですか。
団長:「実は、商品を2種類出すんです」と。
H谷:それは別にいいじゃないですか。
団長:それが、片方は「麺通団監修」で、もう片方は「蓮見さん監修」やて。
H谷:あらー!
団長:東京のうどん研究家の蓮見さん監修の、これまた蓮見さんらしいアイデアを盛り込んだ商品作りが同時進行中らしい。で、「つきましては、この2種類を『対決』という形で発売したい」と言うわけや。
ごん:しかも、その対決はネット投票で数字が出て決着が付くんよ。
H谷:えー!
団長:こういう“対決モノ”いうのは、「対決です」言われた途端に難色を示す会社とか店とか個人とかがいっぱいおるやん。だから先方が「どうでしょうか…ネットで投票してもらって得点が出るという形ですが…いや、上層部から“対決色を前面に出して煽れ”みたいなことを言われていて…」みたいにすんごく恐る恐る言うてきたんよ。
H谷:確かに「対決」となると、ちょっと様相が変わってきますよね。で、どう答えたんですか?
団長:「ええっすよ」って。
H谷:ははははは!
団長:「何なら、我々が負けた方がきっとおもしろいと思いますよ(笑)」まで言うた。
ごん:あっはっは! 言いました言いました!
団長:俺らが勝ったら蓮見さんに気の毒やけど、俺らは負けても全然気の毒じゃない(笑)。
ごん:むしろオイシイ(笑)。
団長:さらに、「蓮見さんに大差で敗れた麺通団が、また挑戦状を叩きつけた!」とか言うて第2弾も出せるやん。さらにそこで「麺通団、連戦連敗!」みたいなことになったら、しまいに俺ら「うどんでは勝てん」言うて、ギョーザにまで手を出して。
ごん:あっはっは!
H谷:というか、“ない話”はもういいですから、結局こないだ撮った写真は何に使われるんですか。
団長:その新商品のパッケージに載る。
ごん:商品だけじゃなくて、ポップにもね。
団長:全国1万4000店以上のロー…いや、ある有名コンビニチェーンに並ぶ。
H谷:いやいやいや! 僕、その商品作りに何も参加してませんし。
団長:H谷川君は忙しくて先方との打ち合わせに参加できんかったけど、打ち合わせの時に何か迷ったら、上からH谷川君が下りてきて「そっちはダメだ」とか「こっちで行きなさい」とか、俺ら何回も聴いたよな。
ごん:確かに聴きました。
H谷:幻聴じゃないですか! 僕は道連れですか!
団長:というわけで、間もなく全国の某有名コンビニチェーンに俺ら3人並んだ写真が載ったうどん商品とポップが並ぶそうですが、たぶん俺とごんの写真の上に「半額」とかシール貼られるね。
H谷:僕の上に貼ってくださいよ!
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