編集 田尾 和俊
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ごん:このテキスト版の第1話で「『うどラヂ』が始まるきっかけになったのが映画『UDON』だ」って言いましたけど。
団長:言いました。
ごん:けど、映画『UDON』って、今の若い人はもう知らないんじゃないですか?
H谷:公開が2006年ですからね。
団長:もう2021年やからなあ。あの時85歳だった人はもう100歳になっとるぞ。
ごん:「若い人は」って言ってるじゃないですか!
団長:けど、今日の讃岐うどん巡りブームを語る上で、映画『UDON』の功績は外せんぞ。
H谷:外せませんね。
団長:ちょっと振り返ると、まずブームの発端になったのは1989年に始まった『タウン情報かがわ』の「ゲリラうどん通ごっこ」の連載で、1993年にそれをまとめた『恐るべきさぬきうどん』の第1巻が出て、そこから全国の雑誌とテレビが騒ぎ出して、全国からうどん巡り客が殺到し始めた。
H谷:2000年頃に最初のピークが来ましたよね。人気店が数十軒ぐらい、すごい行列になってましたよ。
団長:それで2002年に「はなまる」が渋谷に店を出して全国ネットの話題になって、ブームが“高値安定”状態に入ってちょっと小康状態になったんやけど、そこへ2006年に映画『UDON』が公開されて、ブームの“二段ロケット”が発射したんや。
H谷:あの時、超人気店だった「宮武」の大将が「わし、もう死ぬかと思たが」言うてましたからね(笑)。
団長:それから2009年に「瀬戸大橋の休日通行料1000円」が始まって三段目のロケットが発射して、そこから“超高値安定”時代に入って、それを受けて2011年に香川県が「うどん県」宣言をしたというのがブームの大まかな時系列。
H谷:映画『UDON』は讃岐うどん巡りを二段噴射させた功労者ですね。
団長:なのに、近年の“権威筋”の「讃岐うどんの歴史」の表記が映画『UDON』の功績にほとんど触れていないのはいかがなものかと。
ごん:ちなみに、麺通団の功績も、何かの巨大な力によって「公」の歴史からだんだん消されつつあるみたいですけど(笑)。
団長:団員の不徳の致すところです。
団員:僕らのせいですか!
団長:というわけで、とりあえずみんなが忘れつつある映画『UDON』の小ネタ話をした回を聴いてみましょう。
映画『UDON』の配役と、モデルになった麺通団員
団長:2年ぐらい前に本広監督から連絡があって、「讃岐うどんブームをテーマに映画を作りたい」って言うてきたんよ。聞いたら、「『恐るべきさぬきうどん』を読んで感動した」と。誰が書いた本か知らんけど。
ごん:あなたです。
団長:「感動した!」と。
ごん:何を言い直しとんですか。しかもそれ、小泉首相が貴乃花に言うたやつ。
団長:いや、ちょっと時事ネタもはさんどこうかと思って。
ごん:その手のネタは数年後に聞いたら恥ずかしいから、やめときましょ。
団長:それで「あの本をモチーフに映画にしたい」いうて、最初、俺に「脚本書いてくれ」って言うてきたんよ。
ごん:それはいかんでしょ。
団長:いかんと思います(笑)。
ごん:しかし、よっぽど書く人がいなかったんですかね。
H谷:『恐るべき』の会話文とか見て、「書ける」と思ったんじゃないですか?
ごん:もしそうだとしたら、買いかぶっちゃいけませんな。
団長:お前が言うな。けど俺も言うけど、映画の脚本なんか畑違いやから書ける気がせんかったんで、「勘弁してください」って断った。
ごん:賢明な判断です。
団長:そしたら何カ月かして、本広監督が「ブームの最初から話を聞かせてくれ」いうて別の脚本家の人を連れて来たんで、とりあえず「タウン情報かがわ」から「ゲリラうどん通ごっこ」~『恐るべきさぬきうどん』に至る経緯を、小ネタをふんだんに織り交ぜて4時間ぐらい話をしたんよ。
ごん:何せ当人ですから、ネタはなんぼでもありますからね。
団長:で、その後、何回か脚本家が変わったらしいけど、あれから2年経ったこないだ、「最後の脚本ができました」いうて本を送ってきた。
H谷:準備稿ですね。
団長:で、読んでみたら、ストーリーの中に明らかに俺ら麺通団員らしき人物が何人も出てきとんや。
ごん:「麺通団」の名前がそのまま出てきますからね。
団長:まず、主役のユースケ・サンタマリアさん演じる「松井香助」が「讃岐うどんのブームを作った若者」という役になっとる。これはまあ、言うてみたら俺や。
ごん:ですね。
団長:それから、小西真奈美さんが「タウン情報誌の女性編集者」の役で、うどん探訪の連載原稿を書きながら、最後に『恐るべきさぬきうどん』いう本を出すんだ。これ、俺やん。
H谷:間違いありません。
団長:で、その小西真奈美さんの上司役の升毅さんが、『タウン情報さぬき』という名前のタウン誌の編集長。俺やん。
全員:あっはっは!
ごん:あの、一言言うてもええですか? どれもね、あなたには似合わん。
団長:ほっといて。けど似合わんいうたら、もっと似合わんのがおる。ここにおる団員S原、君の役もおるぞ。
S原:ほんまですか!
団長:あの男前の要潤さんや。あの振る舞いやセリフを見たら、明らかにモデルは君や。
S原:要潤さん!
ごん:おかしいおかしい!
団長:それでうちの家内に「要潤の役、これS原やで」言うたら、「絶対許さん」って(笑)。
S原:何でですか!
ごん:あのウルフルズの松本さんがやってらっしゃる役のモデルは、知将A藤さんですよ。
団長:ほんまや。広告代理店の営業という設定は明らかにA藤や。
ごん:しかも、松本さんの映画の中の笑い方がA藤さんと一緒なんです。松本さん、明らかにA藤さんの笑い方を真似してましたもん。ただし、皆さん言うときますけど、トータス松本さんとA藤さん本人とは全然違いますからね。
S原:A藤さん、若き日のアラファト議長みたいな顔をしてますからね。
H谷:あと、主人公の「松井香助」のお父さんの「松井製麺所」の対象のモデルは「宮武」の大将です。
団長:ほんまか!
H谷:ええ。本広監督が言うてましたから間違いありません。
団長:ちなみに、脚本段階で関係者の間に噂がジワジワと広がっているのをどこで聞きつけたんか知らんけど、「タウン情報かがわ」2代目副編集長で今ニューヨークで働いてるあの“爆弾”西岡聖子が、「小西真奈美の役って、私やろ?」って言うてきた。
ごん:絶対違います。というか、あってはならないことです。
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