麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:『うどラヂ』は、というか私は、常日頃から「魂の情報発信」をモットーとしているわけですが、

ごん:もちろんです。

団長:ただ説明するだけの文章とか、「新鮮な瀬戸の幸をふんだんに使った料理」とかいう、どこの店でも使えるようなキャッチコピーは絶対書かんからな。

ごん:けど、そんな毒にも薬にもならんみたいな表現が情報誌にもテレビにもネットにもあふれています。

団長:そんなご時世、「魂の入った情報発信」のお便りがありました。

“JK”の、「柳川」を紹介した「魂の情報発信」

団長:お便りをいただいております。

ごん:ありがとうございます。

<団長ごんさんH谷川さん谷本さんこんにちわ。武蔵野うどん研究中です。団長に代わりまして、『柳川』のプチ情報です。>

H谷:団長、「柳川」大好きですからね。

<観音寺のホテルに泊まったんですが、宿に「ガールズ・サイクリング・トリップ」という英語のパンフレットが置いてありました。「Recommended by Local JK」ってあります。>

団長:「ローカルのJKが推奨する」ということやね。

<「JKって英語だったんかい」というツッコミを入れましたが、有明浜の夕日、山地蒲鉾に混じって『柳川』も堂々ランクインしていました。そのパンフレットの英語の紹介文をそのまま転記致します。
【Yanagawa Udon】
Udon noodles for lunch is must hear in the Kagawa prefecture.>

団長:なるほど。「香川県では、うどんは昼飯にマストです」と。

<Yanagawa has rather thin noodles for Sanuki udon.>

団長:「讃岐うどんの中でも柳川の麺は細い方」ですと。「柳川」は伸びを抑えた田舎風細麺の最高峰やからな。

<And great soup>

ごん:そして「スープがグレイト」だと。

団長:アメリカ人やな。

H谷:何でですか。

団長:その昔、世界の食通と誉れ高いTさんが、

ごん:団長の師匠の、団長が唯一頭の上がらないTさん(笑)。

団長:全く(笑)。そのTさんがフランス人とアメリカ人と3人で高級料亭に行ったら素晴らしい料理が次々に出てきて、Tさんとフランス人が出てきた料理の味や技術のすばらしさを言葉を尽くして語り合っていた時、アメリカ人がその会話に入ってこないのでTさんが「お前はどう感じるんだ?」と聞いたら、アメリカ人が一言、「グレイト!」って(笑)。それを聞いたTさんとフランス人が「アメリカには味を表現する言葉が“グレイト”しかないのか」と言って笑ったという話。それを聞いて、我々の間では「アメリカ人は何でも“グレイト!”でオッケー」ということになっとる(笑)。

ごん:ま、グレイトしかないかどうかは別にして、ほぼ「グレイト」と「デリシャス」ですわな(笑)。

<with Ibuki Iriko, dried sardine.>

団長:伊吹のイリコ、イワシが乾いたやつね。

<Order kamakake which isn’t on the menu but locals favorite.>

団長:で、メニューにはないけど「釜かけ」が地元で人気なので注文しろと。

H谷:「柳川」で通のおっさんみたいな客が「釜かけ」頼んでるの、見たことありますよ。

<なお、欄外に記者らしきJKのイラストがあって、その吹き出しに、
People tell me I should Order Kamakake. But stick to my favorite Kitsune though.
「人は私に釜かけを頼むべきだと言ってくるけど、私はキツネの方が好きだ」と書いてありました。けど、柳川推しと言い、釜かけ推しといい、でも自分はキツネの方が好きだという主張といい、この子はただ者ではありませんね。>

団長:というお便りをいただいておりますが、どうよ、このJKの柳川の紹介文。魂が入っとるやろ?

ごん:素晴らしいです。

団長:まず、「柳川は香川県内でも麺が細い」というこの1行があるだけで、讃岐うどんのことも柳川のこともよく理解していることがわかる。さらに、「スープがグレイト」で、メニューにない「釜かけ」を勧めてきて、しかも「周りは釜かけを勧めてくるけど、私はここではきつねが好きだ」というコメント。そんじょそこらの三流ライターと三流うどんブロガーには書けんぞこれ。

ごん:ただ惜しむらくはですね、ワタクシ、未だ「柳川」でJKを見たことがないんですけど(笑)。

団長:俺も出くわしたことがない(笑)。けど、俺ら「柳川」はたまに昼間に行くだけやからな。ひょっとしたら放課後、近くの観音寺一高か観音寺総合高からJKがわんさか来よんかもしれんぞ。

H谷:観音寺一高は団長の母校じゃないですか。

団長:さすが俺の後輩や。

ごん:アメリカ人かもしれませんけどね(笑)。

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