麺通団のうどラヂテキスト版 編集 田尾 和俊

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団長:「讃岐うどん巡りブーム」を牽引してきた名店をちょっとおさらいしておくと、まず、1990年代後半から2000年頃までの第一次ピークを引っ張って来た製麺所型店の“フォワード”が、「山越」、「がもう」、「なかむら」、「谷川米穀店」、「宮武」、「山内」、「田村」の7店。後に私はこれらを「レジェンド7」と命名しました。

ごん:ちっとも定着してませんけどね(笑)。

H谷:ちなみに「レジェンド(伝説)」と言っても、宮武以外は現存してますからね。

団長:ま、「後世に必ずや“伝説”として語り継がれるべき店」という意味で「レジェンド店」と呼んでるわけですが、あと、「レジェンド一般店」として西の最高峰の「おか泉」と東の最高峰の「はりや」、そして釜あげ専門店の「香の香」の3店を加えた10店が私の中の「讃岐うどん巡りブーム」を起こしたS級功労店で、その周りにブームをサポートするA級功労店が30~40店ぐらいある、というのが「讃岐うどん巡りブーム」を牽引してきた店の大まかな図式。

H谷:他にも「松岡」とか「竹清」とか、S級に入れたい店は何軒かありますけど、A級の30~40店はほぼ全部、『超麺通団』の3と4に載ってますね。

団長:ほんでその後、2000年前後から、ブームを背景にして新店のオープンが増えたねえ。

H谷:レジェンドの店で修業した若手が独立したり、新規で讃岐うどん業界に入ってくる若手も結構います。

ごん:大衆セルフのチェーン店も増えましたよね。

団長:会社組織のフランチャイズビジネスとしてね。ほんで、レジェンドたちがあまりに強烈にバラエティで魅力的だったもんだからレジェンドを超えるような店はなかなか出てこんのやけど、時々、ハイレベルの麺を出す若手が出現するんよ。

H谷:店構えやメニューもなかなか斬新な店が出てきましたね。

団長:そういう店の2000年代の代表として、今回は「明水亭」を紹介した回を。

ごん:いうても『うどラヂ』なんで、まともな紹介はしてなかったと思いますけど(笑)。

おか泉の真南の明水亭

団長:こないだ、久しぶりに我々3人でうどん屋巡りに行った時に「明水亭」に行こうとしたら、定休日やったやん。

ごん:3人揃ってうどん屋巡りに行くのなんか滅多にないのに、そんな時にまで定休日の店をリストアップするってどうなの。

H谷:普通の人ならあり得ない話ですけど、いや、さすが団長です。

団長:ま、それぐらい行きたかったということや。ほんでそのリベンジということで今日の昼の2時頃、一人で「明水亭」に行ってきました。

ごん:昼の2時いうたらアイドルタイムですね。

団長:アイドルが出てきて注文取ってくれる時間とちゃうぞ。

ごん:ボケが鈍いですけど、「アイドリング」の「アイドル」ですからね。

団長:厳密に言うたら「アイドルタイム」は「仕事をしてない時間」のことらしいけど、まあ客があまり来ない時間帯ということでね。ほんで一人で行ったらお客さんもほとんどいなくて、あの高級感のある店内の高級感のあるテーブルに一人ポツンと座ったら、ちょっと緊張しちゃって(笑)。

H谷:わかりますわかります(笑)。

団長:そしたら、「明水亭」のメニューって、ざるや釜あげやきつねうどんみたいな定番メニューもあるけど、それとは別に何か、フレンチかイタリアンか創作和食みたいな、都会風の洗練された豪華メニューが並んどるやん。

H谷:あそこのメニューは、そういう限定メニューが常にどんどん変わりながら提供されるんです。

団長:俺、普段からハイセンスな店に行き慣れてないから、緊張してそういう複雑なメニューがしっかりと見られんのよ。ほんでメニューが吟味できてないうちに注文を取りに来られたから、つい安易に無難なとこで「天ぷらぶっかけ」って頼んでしもたんやけど。

ごん:「ちょっと考えるんで待ってください」言うたらええやないですか。

団長:そこは譲れんとこや。

ごん:ちょっと何言ってるかわかりませんが(笑)。

団長:ほんで注文した後、ゆっくりメニューを吟味しよったら、釜あげに野菜が入って何とかかんとか…って書いてあるメチャメチャ珍しそうな釜あげメニューがあって…。

H谷:「変わり釜あげ」ですね。

ごん:何それ!

H谷:冬場だけ登場するんですよ。

ごん:どんなんですか。

団長:それがわからんのや。何せ、注文しとらんのやから。

ごん:情報発信する者として、内容がわからんようなものを紹介するというのはどうなんですか。メチャメチャ気になるじゃないですか。

団長:気になるやろ? これが、具体的に内容を紹介せずにみんなに「うわ、何やろ」、「これは行って食べないかん」と思わせるという、情報発信の高等戦術や。

ごん:どうなのH谷川君。

H谷:僕、一回食べたことあるんですけど、びっくりしますよ。

ごん:いや、だからどんなんよ。

H谷:釜あげのいじり方。「こういじるか!」っていう、ほんまびっくりしますよ。

ごん:おい!

団長:ええから具体的に説明してくれよ。

H谷:高等戦術。

団長:あっはっはっは! 今、初めて聞く側に回ったけど、高等戦術ってイライラするのー(笑)。

H谷:ちなみに「明水亭」の麺は「おか泉」の流れにありますから、一般店としては抜群の麺です。

団長:間違いない。「天ぷらぶっかけ」やから水で締めた麺を食べたんやけど、麺はすごいわ。これまで一般店は「東のはりや」と「西のおか泉」が最高峰や言うてきたんやけど、「おか泉の真南の明水亭」が肉薄してきたかもしれん。

ごん:ちょっと語呂が悪いですけど(笑)。

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