編集 田尾 和俊
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H谷:団長、長い間本書いてませんよね。
団長:『超麺通団シリーズ』が2010年の「4」で止まって、その後、2013年に勝谷さんとの対談本の『怒れるおっさん会議』が出たのが最後やから…まだ10年しか開いてない。
ごん:「10年も」ですよ。
団長:そういやあの後、2021年に知将A藤が『チャートで考えればうまくいく』いうビジネス本を出したわ。ほんでこないだ、“小西マサテル”こと、“迷惑なねっく”がミステリーの大賞獲って本出したやろ?
H谷:というか、それ「団長」じゃなくて「団長の周辺」の人じゃないですか。
団長:「周辺はみな一家」や。「人類はみな兄弟」、「親類はみな京大」や。
ごん:どこの親族ですか!
団長:というわけで、今回は『超麺通団4』の苦難の制作秘話を語った回です。
ごん:まったく“秘話”じゃないと思いますけど(笑)。
『超麺通団4』団長の新技
団長:『超麺通団4』の原稿が、いよいよ佳境に入ってきました。
H谷:おー。(パチパチパチ)
ごん:いつ発売でしたっけ。
団長:4月。
ごん:もうすぐじゃないですか!
団長:何年の4月かは言えんけど。
ごん:おっさんおっさん!
H谷:けどこないだ「一福」に行ったら、大将が「この前田尾さんが来て、うちの原稿はもう書き終わったそうです」って言ってましたよ。
団長:あ、書き終わりました。
ごん:ほんとですか! 何かメチャメチャ引っ張ってたような気がするんですけど。
団長:確かにこないだまでは、3日ぐらい悩んで1行も進まんかった時期があった。
H谷:珍しいですね。
団長:実は、今回の巻頭特集が「細麺NEW WAVE」いうて、珠玉の細麺の店を6軒紹介する予定なんやけど。
ごん:最近、細麺の店が増えてきたということで、特集を組むと。
団長:で、まず「中村」の原稿に取りかかったわけや。“やお”の方な。原稿の量は1軒あたり15文字×140行ぐらいで、文字数にしたら大体2100字ぐらい。
ごん:1軒のうどん屋紹介の原稿が2000字超えるいうのは、普通の情報誌ではあり得ない長さですけどね。
H谷:団長の場合、2000字のうち1800字ぐらいがうどん以外の話ですから(笑)。
団長:ほんでね、巻頭の「中村」の原稿を書き始めたら、140行のうち、店の紹介に入る前の“前振り”が122行まで行ってしもたんや。
ごん:えー! っと、あと12行で「中村」の紹介せないかんわけですね。
団長:けど、あの「中村」の細麺の魅力をたった12行で紹介できるわけがないやん。それで、悩んで悩んでなかなか原稿が進まんかったんや。それがこないだ、ついに新しい技を開発して、一気に進み始めた。
ごん:ワザ? 原稿を早く書くのに、ワザ?
団長:「原稿を書いてページを組んで本を作る」という世界で、おそらく未だかつて誰もこんな手法には気付いてなかっただろうという、新しい手法や。
ごん:何か、ろくでもない手法のニオイがしてきましたけど(笑)。
団長:まず、「中村」の原稿の前振り部分を、行数を気にせずに自由に書く。
ごん:なるほど。で、行くとこまで行って、残った行数で店の紹介をめちゃめちゃ短くすると。
団長:いや、店の紹介は大事やから、そこはしっかりと書く。
ごん:それじゃ140行に収まらないじゃないですか。
団長:収まらんと思うやろ? そこで私は、ある新しい技を編み出した。
ごん:何ですか。
団長:えー、ページからはみ出た「中村」の原稿が、次の「一福」のページに侵入しております。
ごん:あっはっはっは!
団長:名付けて、「敵陣不法占拠大作戦」。さらに、「中村」のページの最後の行が「…両方を食」で終わってて、次の「一福」のページの原稿がいきなり「べ比べて…」で始まってるという、斬新な手法。それで行数を全く気にせずに書き始めたら、原稿が進む進む!
ごん:あっはっは! というか、それは物書きの業界的にはどうなんですか?
団長:これはな、革命。
ごん:あっはっはっは! で、今度は「一福」の原稿が次の店のページにはみ出すと。
団長:いや、「一福」の後ろは「細切りざる」の「こんぴらうどん」と私の大好きな「柳川」やから押すわけにいかんので、「一福」のページの140行のうち70行ぐらいが「中村」の続きで、「一福」の原稿は残りの70行に収めた。
ごん:おっさんおっさん!
H谷:でも、師弟関係ですからいいんじゃないですか?(笑)
団長:そう。「中村」の原稿は、言わば「一福」の原稿やからね。
ごん:ちょっと何言ってるかわかりませんが。
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