編集 田尾 和俊
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団長:これまで『うどラヂ』にいろんなうどん屋の大将のエピソードが出てきましたが、中でも「巨匠」と言えば、元祖「宮武」のイチローさんと、「おか泉」の大将が双璧。
ごん:というか、恐れ多くもそんな讃岐うどん界の巨匠をイジるのは『うどラヂ』ぐらいですよ。
団長:そこはそれ、長年の間に培われた盤石の信頼関係の成せる技や。あ、もとい、長年の間に培われた信頼関係の成せる技や。
ごん:同じこと言ってますよ。
団長:いや、「盤石の」をトルツメした。
ごん:あっはっは!
H谷:あと、大将の皆さんが『うどラヂ』のテイストを理解していただいて温かく見守ってくれているというのが大きいですよね。
団長:まったく。本当にありがとうございます。というわけで、『うどラヂ』テイストを理解していただいているという大前提で、「おか泉」の大将のエピソードの第2弾を「愛情に満ちあふれた小ネタいじり」でお送りします(笑)。
「おか泉」の大将の壮行会
団長:「おか泉」の大将が、豪華客船「飛鳥Ⅱ」のゲストシェフに選ばれました。
ごん:はい、新聞にも載ってましたね。
団長:実はその何カ月か前に「飛鳥Ⅱ」の担当者が香川県に来て、「麺通団団長の話が聞きたい」言うんで会うたんや。そしたら、「飛鳥Ⅱのゲストシェフとして讃岐うどんの大将に乗ってもらおうということになって、いろいろ食べ歩いたり聞き込みしたりして『おか泉』の大将行き着いたんですが、どうでしょう」って言うんで、「ようたどり着きましたねえ。大正解だと思います」って返したんだ。
ごん:大正解ですよね。
団長:大正解やろ? それで正式に決まったら、「おか泉」の大将から「丸亀のオークラホテルで壮行会を開くんで、ぜひ来てください」って呼ばれたんや。そしたら今度は麺通団員のS原から「『おか泉』の大将の壮行会、行くんですか?」って。聞いたらあいつもカメラ担当で壮行会に呼ばれてるって。
ごん:何か大きな会みたいですね。
団長:そうよ。そやから「何か大げさなかしこまった会だったら、居心地が悪いんちゃうか?」と思ってS原に様子を聞いたら、「あ、全然、気軽な会や言うてましたよ」って言うから、まあ気楽な気持ちで当日、会場に行ったわけよ。
ごん:だんだん展開が見えてきましたよ(笑)。
団長:えー、会場に行きますと、着物を着たきれいなお姉様方が並んで受付をされておりまして。
ごん:あっはっは!
団長:で、私が受付で名前を書いていたら、そこでいきなりお姉さんに「田尾様、岡田(「おか泉」の大将)が今日はぜひご挨拶を賜りたいと申しておりますので、どうぞよろしくお願いします」って。聞いてないがな!
ごん:予想通りの展開です(笑)。まあ、麺通団の団長が来たら挨拶ぐらいはしてくれいう話になりますわな。
H谷:ええええ。
団長:ほんでもまあ、どうせその辺のうどん関係の気さくな人たちばっかり集まってるだろうから、挨拶いうてもその場で様子見ながら小ネタの1つもしてきたらええやろと思って、まあとりあえず会場に入ったんや。そしたら丸テーブルがよっけ並んだ立食パーティーみたいになっとって、前の方のテーブルに何か偉そうな方々が集まってるんよ。
ごん:やっぱりちゃんとしたパーティーなんや。
団長:俺もそう思っってちょっと緊張しとったら、時間が来たらいきなり「それでは、おか泉の大将の入場です」ってアナウンスがあって、場内が暗くなって会場の後ろにスポットライトが当たって、「讃岐うどん音頭」に乗って「おか泉」の大将が入ってきた。
ごん:あっはっは!
団長:「これ、どっちのテイストや? 真面目な会なんか? ふざけた会なんか?」って(笑)。
H谷:「讃岐うどん音頭で入場」いうのは、一瞬混乱しますよね。
団長:「これ、挨拶振られたら、お笑いテイストの話でええんか?」とか思いよったら、冒頭の来賓挨拶で香川県の副知事が挨拶して、宇多津の町長が挨拶して、地元の何たら会の会長さんが挨拶して…
ごん:やっぱり(笑)。
団長:「あかん、これはバカな話をしとる場合でないぞ」と思って話の内容を考えよったら、そこで乾杯になったんだ。
ごん:おや?
団長:「よかった、俺しゃべらんでええんや」と思って、そこで一気に油断モードに入ったんやけど、歓談タイムに入ってしばらくしたら、司会者が「それでは、四国学院大学の田尾和俊様より、ご挨拶を頂きます」って。
ごん:あっはっは! 出たー!
団長:俺、会のテイストが掴めんまま、壇上に上がったがな。
ごん:まあそれでも乾杯の後ですから、少し和んでね。
団長:ほんでね、まあ一応、他の人みたいに「おか泉の大将、おめでとうございます」いうて美辞麗句を並べるのではなくて、俺にしかできんような何か話題を出さないかんと思って。
ごん:うどん音頭を踊って(笑)。
団長:何でやねん。あんなん、何かのイベントで幼稚園児まで頭にどんぶり鉢乗せて踊らされよったやんか。
H谷:「うどん音頭」は他にも踊れる人がいますからね。「団長ならでは」となると、そこは「うどん音頭」じゃなくて「ツルツルロック」ですよね。
団長:何でやねん! 「ツルツルロック」は盛の大将の十八番やないかい。そうでなくて、俺にしかできないことで、とりあえず最初に「讃岐うどん界におけるおか泉のポジション」をきちんと説明した。
ごん:なるほど。
団長:讃岐のうどん屋は、店の数で言うたら「おか泉」みたいな「一般店」が半分ぐらいで、4割ぐらいが「大衆セルフ」を中心としたいろんなスタイルの「セルフの店」で、残りの1割ぐらいが製麺所がついでに食べさせてくれるというスタイルが発祥の「製麺所型店」で、「ブームはこの製麺所型店から起こったんです」と。
ごん:しかし「おか泉」は「一般店」で。
団長:そう、その「一般店」の最高峰で、県外から讃岐うどん巡りに来て製麺所型を何軒か回って「讃岐うどんはみんなチープで怪しい場所にある」と思って帰ろうとしている人たちに、「讃岐うどんをなめたらいかんぞ」いうて鉄槌を下すという重要な役割を担っているのが「おか泉」だと。
H谷:さすがの説明です。
団長:続けて、「そして今回、『飛鳥Ⅱ』という豪華客船のゲストシェフにうどん屋の大将を乗せるとなったら、これは申し訳ないがブームの立役者となった製麺所型店ではなく、豪華で格式がある『一般店』組から選ぶのがふさわしい。あの豪華客船に乗ってくるセレブな方々に振る舞ううどんは、やはり『一般店』の最高峰のうどんがふさわしい」という話をしたら、会場から大きな拍手と歓声が来たんや。
ごん:掴みましたか!
団長:掴んだ(笑)。掴んだもんやから調子に乗って、「少なくとも『飛鳥Ⅱ』のゲストシェフは、『がもう』の大将ではない」って言うたら、会場に「がもう」の大将を知っとる人がよっけおったみたいで「ドッカーン!」ってバカウケした(笑)。
ごん:あっはっはっは!
団長:けどその後、「『おか泉』の大将はロバート・デニーロが入ってるんですけど、『がもう』の大将はレツゴー三匹のじゅんさんが入ってまして、『飛鳥Ⅱ』に乗ってくるようなセレブな方々は、ロバート・デニーロは知ってるけどレツゴー三匹のじゅんさんは知らないだろうということで、ここは泣く泣く『おか泉』の大将に譲らざるを得ないということで…」いうてちゃんとフォローしたからね。
ごん:どんなフォローや!
団長:というわけで、「おか泉」の大将を持ち上げながら「がもう」の宣伝までしてきたと(笑)。
H谷:すいません「がもう」の大将、これは団長の愛情あふれるネタということで、僕から謝っときます。
団長:僕も謝っときます(笑)。
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